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IMFやレイ・ダリオ氏が財政の持続性に関して警鐘!?

2026/10/14 09:09

【ポイント】
・IMFは、世界経済がストレス下でも耐性が強いとしつつ・・・
調整余地は急速に狭まっており、財政再建が喫緊の課題と指摘
・レイ・ダリオ氏は、AI投資や日本の資金回帰を背景に米国債への需要減少を警戒
・ウォラーFRB理事らはフランス発の財政ショックに警鐘

IMF世界経済見通しの提言
13日に公表されたIMF世界経済見通しは、”Resilience Under Strain, Urgent Choices(重圧下での復元力、迫られる選択)”とのタイトル。「長期化する中東での戦争、貿易摩擦などのストレスの下でも、世界経済は耐性が強いことを示してきた。しかし、国や地域によってその差は大きく、将来的な調整の余地は急速に狭まっている」という内容でした。

IMF世界経済見通し

調整の余地が狭まっている背景として、在庫の払底、商品市場の脆弱性、サプライチェーンの分断化による効率性の低下、不透明感の長期化による心理面の悪化、エネルギー面の制約に加えて、財政の持続性に対する懸念などから金融情勢が急速に変化する可能性などが指摘されました。

また、先行きについては下方リスクが大きいと指摘されました。例として、中東紛争の長期化・過激化、AIに対する再評価の結果としてAI投資の減少や株価の下落を招くケースなどが挙げられました。

そして、政策当局は中期の安定という観点を見失わずに対応する必要があるとされました。債務の増大、国債利回りの上昇、待ったなしで求められる政府支出などに鑑みれば、財政の再建に新たにフォーカスすることはますます喫緊の課題になっており、政府は信頼できる財政調整計画を前に進める必要があると提言されました。

レイ・ダリオの警告
長期のマクロ分析で定評のある、ブリッジウォーター・アソシエイツ創業者のレイ・ダリオ氏は、債券の弱気相場は長く続く可能性が高いと警告。米政府や企業の借入が急増する一方で、米国債に対する世界の主要な投資家の需要が弱まっていると指摘しました。

ダリオ氏が例として挙げたのが、AI投資需要の拡大による逆クラウディングアウト(※)、日本政府が対外投資から国内投資へと資金回帰を促そうとしていることなどです。

※政府が国債発行を増大させて結果として民間の資金需要を締め出すことをクラウディングアウトと呼びますが、現在はデータセンターやAI投資関連の資金需要によって国債へ向かう資金が減って国債利回りの上昇をもたらしていることを指します。

ウォラーFRB理事らがフランス発の財政ショックに警鐘
ブラックストーンのグレイ社長やウォラー米FRB理事は、フランスの財政状況を主要国政府は財政規律の喪失に対する警鐘と捉えるべきだと述べました。防衛費など政府支出の増大やAI関連投資の資金需要の高まりに鑑みて、一部の国で経済成長に見合わないほど財政赤字が大きいとの見方が広がっており、何らかのショックが起きる可能性があると指摘。そして、経済成長率が低い国ほどリスクが大きいとしました。

■10月9日付け「米長期金利の上昇とイールドカーブの示唆」
■10月6日付け「主要国財政事情と長期金利」
■9月29日付け「米長期金利上昇で利上げ観測は後退も?」
■9月 8日付け「欧州の長期金利上昇の背景」
■9月1日付け「米長期金利の上昇をどう考えるべきか」
■8月18日付け「世界的な長期金利上昇の背景」
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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