FXとは
比較的少額の資金から始められるFX。他の金融商品と比べFXは取引のチャンスが多く自由度が高いため、身近でポピュラーな存在となってきています。それだけに今さら「そもそもどんな取引なの?」と聞きづらくなっているのも実情でしょう。そこで、ここではFXの基本的な知識について解説していきます。
そもそもFXとは?どんなことをするの?
FXはForeign Exchange(外国為替)の略称で、外国為替とは、異なる通貨を交換(売買)することを意味します。海外旅行に出かける際に、現地の通貨に両替するのもそのひとつです。
ただ、日本国内で用いられているFXという言葉は、もっと狭義のものです。1998年の外為法(外国為替及び外国貿易法)改正による規制緩和で登場した「外国為替証拠金取引」のことを一般にFXと呼んでいます。
日本では円という単位の通貨を用いていますが、世界に目を向ければ米ドルやユーロ、英ポンド、豪ドル、南アフリカランドといったように、100種類以上の外貨(外国通貨)が存在します。FXとは、それらの通貨のペア(組み合わせ)を売買する取引です。
ニュースなどでも頻繁に報道されているように、「日本円→米ドル」や「米ドル→ユーロ」などといった交換レート(外国為替相場)は日々刻々と変動するものです。自分が取引した通貨ペアの交換レートが変動することで、利益が得られたり損失が生じたりするのがFXです。
また、それぞれの通貨を発行している国の金利水準が異なっていると、その差に基づくスワップという利益が得られたり、支払いが生じたりします(詳しくは後述します)。
FXは24時間取引が可能
外国為替市場は金融市場のひとつですが、24時間常に世界のどこかで取引されていることが大きな特徴です。金融市場のうち株式市場も日本が取引を終えても時差のある欧州やニューヨークで取引が始まるものの、どこでも同じ銘柄が取引されているわけではありません。
その点、外国為替市場では米ドル/円、ユーロ/米ドルなどといった通貨ペアが世界共通で取引されています。したがって、常に交換レートは変動するのでFXはたとえ日本時間の深夜であっても取引が可能なのです。
しかも、金融市場最大の取引量を誇る外国為替市場ですが、2019年4月中における1営業日の平均取引高は実に6兆5,900億ドルに達しています。1米ドル=108円換算で計算すると711兆7,200億円にものぼります。これに対し、東京証券取引所の1営業日の平均売買代金は3.3兆円(2018年度)にとどまっています。
参考:日本銀行「外国為替およびデリバティブに関する中央銀行サーベイ (2019年4月中 取引高調査)について」
参考:日本取引所グループ(JPX)「主要商品の一日平均売買代金・取引高等の推移」
※外部サイトにアクセスします。
こうした違いから、いかに外国為替市場が巨大であるかが想像できるでしょう。一般的には、取引量が多ければ多いほど、より公正な価格形成がなされると考えられています。
レバレッジによって大きな利益が見込める
レバレッジを効かせた取引を行えることもFXの大きな特徴だといえるでしょう。レバレッジとは「てこの原理」を意味する言葉で、少ない力でより大きなもの(資金)を動かせることを指します。
FXでは、預けた資金(証拠金)の最大25倍に相当する取引が行えるというルールが存在します。つまり、100万円分の運用をしたい場合(当然余裕をもって資金を運用すべきですが)単純計算で最低4万円(100万円÷25倍)の資金を準備することで取引ができるのです。
※FXは「差金決済」と呼ばれる仕組み(現物の受渡しは行わず、売り・買いの差額の授受で決済を行うこと)によって預けた資金よりも大きい額で取引が行えます。
たとえば10万円を預けて、レートが1米ドル=110円の時点で「3,000米ドルを買って日本円を売る」という取引で考えてみましょう。
このケースでは、「110円×3,000米ドル分=33万円」の資金を取引しています。預けた証拠金は10万円なので、「33万円÷10万円=3.3倍」のレバレッジを効かせた取引を行っている計算になります。
FXはどのようにすれば利益を出せますか?
FXで利益を得るには、大きく分けてふたつの方法があります。ひとつは為替差益と呼ばれるもので、取引開始時と決済時の為替レートに違いがあった場合に得られるものです。もうひとつはスワップと呼ばれるもので、条件を満たせば取引を決済するまで日々利益が得られるものです。それぞれの方法を解説すると次のとおりです。
為替差益
たとえば、1米ドル=105円の時点で「日本円を売って1万米ドルを買う」という取引を行い、1米ドル=110円となったタイミングで、「1万米ドルを売って日本円を買う」という決済の注文を入れたと仮定しましょう。最初に「105円×1万米ドル分=105万円」の資金を投じたのに対し、決済では「110円×1万米ドル分=110万円」が得られて、5万円の為替差益が得られることになります。
この為替差益は、決済時における米ドル/円のレートが取引を始めたときと比べて米ドル高・円安になっていたことで得られたものです。逆に米ドル安・円高が進むと為替差損と呼ばれる損失が生じます。
また、外貨の持ち合わせがなくてもFXなら米ドル安・円高傾向を示すと思われる場面でも「米ドルを売って日本円を買う」という注文が入れられます。
今度は、1米ドル=110円の時点で「1万米ドルを売って日本円を買う」という取引を行ったケースで考えてみましょう。そして、1米ドル=105円まで円高に振れたタイミングで、「日本円を売って1万米ドルを買い戻す」という決済を行ったことにします。
1万米ドルを110万円で売り、110万円を手に入れた一方で、決済時には1万米ドルを買い戻す必要があります。この買い戻すときのレートが105円であった場合、105円×1万米ドル=105万円が必要となり、差し引き5万円の為替差益が得られます。
しかも、FXで為替差益を追求する場合は柔軟な対応が可能です。特に取引の期限が設定されていないことから、数秒〜数分間の変動から利益を得るスキャルピングやその日のうちに取引を完結するデイトレード、数日〜数週間のスイングトレード、もっと長期のポジショントレードまで、相場の傾向や自分自身の方針に応じて自由自在な取引が行えます。
※スワップを計算に含まないものとします。
スワップ
スワップとは、毎日発生する2国間の金利差相当額のことをいいます。
原則は、金利が高い方の国の通貨を買うとスワップを受け取ることができ、逆に、金利が高い方の国の通貨を売るとスワップを支払うという仕組みです。
たとえば、2020年1月6日時点でメキシコペソ/円を買う(同時に日本円を売る)取引を行い、1万ペソ当たり10円のスワップを1日で得られたとしましょう。スワップは日々見直されますが、仮に一定だった場合、1万ペソを買って100日間にわたってポジションを保有し続けると1,000円のスワップが積み重なることになります。
反対に、同じタイミングでメキシコペソを売る(同時に日本円を買う)取引を行っていたなら、メキシコは日本よりも金利水準が高いので、スワップを支払う必要が生じます。世界的に見ても日本の金利は極めて低いので、日本よりも金利の高い外貨を売って日本円を買いの取引を行う際には、スワップの負担に注意を向けたいところです。
銀行の外貨定期預金などは所定の預入期間に達しないと当初に定められた利息が得られないのに対し、スワップはポジションの保有日数に応じて日割りで蓄積されていくのも魅力です。ただ、こうしたスワップを重視して取引を行う場合には、おのずと中長期的なスパンでの運用が前提となってくるでしょう。
※スワップは各国金利情勢等により、「受取り」から「支払い」に転じること、または買いポジションと売りポジションともに支払いとなることもあります。
FXをやってみたいけど難しそう
FXに限らず、あらゆる投資は「安く買って高く売る」のが利益を得るための鉄則です。このようにルールは極めてシンプルながらも、相場がこれから「上がるか」「下がるか」を予想する、さらにそれを長期にわたって当て続けるのはプロでも非常に難しく「神業」とすらいわれています。
そこで、マネースクエアではトラリピ®という特許取得済みの注文方法を考案しました。
トラリピ®なら「しばらくはこのあたりで上下しそう」という大まかな値動きの範囲を予想し、その範囲内に仕掛けるだけ。つまり、相場を「点ではなく面」でとらえる発想のため、目先の「上がる」「下がる」を予想する必要がありません。さらに、トラリピ®はリピート(注文を繰り返す)機能が付いているので、自分で何度も注文を入れる手間が軽減されます。
マネースクエアのトラリピ®が、難しそうに思えるFXを始めるきっかけになれば幸いです。