マネースクエア マーケット情報

ノルウェー中銀は利上げを決定、スウェーデン中銀とメキシコ中銀は据え置き

2026/09/25 09:20

【ポイント】
・米国の長期金利が一段と上昇するか
・米ドル/円が再び上昇するなか、本邦当局の対応は?
・ノルウェー中銀は必要なら追加利上げを行うと表明
・スウェーデン中銀は年内の利上げ開始を示唆
・メキシコ中銀は「政策金利は今後も現行水準を維持することが適切」を削除

(欧米市場レビュー)

24日、欧米時間の外為市場では米ドルが引き続き堅調に推移。一時米ドル/円は158.989円、米ドル/カナダドルは1.41451カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.13571ドル、英ポンド/米ドルは1.32052ドル、豪ドル/米ドルは0.70045米ドル、NZドル/米ドルは0.56399米ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことや、FRB(米連邦準備制度理事会)当局者のタカ派的な発言(※)が、米ドル高要因となりました。

(※)ウィリアムズNY連銀総裁は「年末までに追加利上げが行われる可能性があると考えるのは妥当だ」と述べ、ハマック・クリーブランド連銀総裁は「インフレ率が高い状態が長期化するほど、インフレ率を目標水準へと低下させるのは困難となり、そのコストも大きくなる」と発言。ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁は、「インフレ率は依然として高止まりしている」と指摘し、「追加利上げが必要になる可能性がある」と述べました。NY連銀総裁はFOMC(米連邦公開市場委員会)において常に投票権を持ち、クリーブランド連銀とフィラデルフィア連銀総裁は今年投票権があります。

ノルゲバンク(ノルウェー中銀)は0.25%の利上げを行うことを決定。リクスバンク(スウェーデン中銀)とBOM(メキシコ中銀)は政策金利を据え置きました(*各中銀会合の詳細は後述)。

(本日の相場見通し)

米国の長期金利(10年物国債利回り)は24日に一時5.22%へと上昇し、07年6月以来およそ19年ぶりの高い水準をつけました。

FRBによる追加利上げ観測が強まっていることが、足もとの米長期金利の主な上昇要因となっています。CMEのFedWatchツールに基づけば、24日時点で市場が織り込むFRBが次回10月27-28日のFOMCで利上げを行う確率は約7割。1週間前の17日時点の利上げ確率は約55%でした。

本日は米長期金利の動向に注目です。米長期金利が一段と上昇すれば、米ドル/円や米ドル/カナダドル、米ドル/シンガポールドルには上昇圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルには下落圧力が加わりそう。米ドル/カナダドルは、6月24・25日高値の1.42449カナダドルが上値メドです。

***

米ドル/円が再び上昇基調となるなか、本邦当局の為替相場への対応にも引き続き注目です。

片山財務相は18日、「秩序ある為替市場の維持に取り組んでいく」と述べ、7月31日に実施した日米協調の為替介入(円買い介入)をさらに行うことも「躊躇しない」と発言。昨日24日には「日米協調介入以降のプリンシプル(原則)は生きている」と述べ、市場の動きを改めてけん制しました。

仮に本邦当局(あるいは日米の協調)による為替介入が実施される、あるいは為替介入がなくてもレートチェックがあれば、米ドル/円が下落すると考えられます。その場合、ユーロ/円やNZドル/円など他の対円の通貨ペアも米ドル/円に引きずられそうです。

※米ドル/円に関しては、本日の『ファンダメ・ポイント』[円高転換の条件]もご覧ください。

*******

ノルゲバンク(ノルウェー中銀)は0.25%の利上げを行うことを決定。政策金利を4.25%から4.50%へと引き上げました。ノルゲバンクが利上げをしたのは5月以来3会合ぶりです。

ノルゲバンクは声明で、「政策金利は当面、高水準に維持する必要がある」と述べ、「インフレ率を妥当な期間内に目標の2%へと引き下げるために必要であれば、政策金利をさらに引き上げる用意がある」と表明。今後の追加利上げの可能性に言及しました。ノルウェー中銀は四半期ごとの公表する金融政策報告のなかで、政策策金利について27年末は4.6%(6月時点は4.4%)、28年末は4.2%(同3.8%)、29年末は3.7%(同3.4%)との見通しを示しました。

ノルゲバンクの政策会合は次回が11月5日、その次が12月17日です。

***

リクスバンク(スウェーデン中銀)は政策金利を1.75%に据え置くことを決定。リクスバンクが政策金利を据え置いたのは8会合連続です。

リクスバンクは声明で、「(スウェーデンの)経済活動はより力強くなっており、供給ショックも続いている」と指摘し、「インフレと経済活動の見通しに変化がなければ、政策金利の引き上げは年内に開始される見通しだ」と表明。「インフレ率の上昇がより大きく、かつ持続的に上昇する兆候がみられた場合、現在の予測よりも速いペースで政策金利を引き上げられるだろう」と付け加えました。

リクスバンクは四半期ごとの金融政策報告を公表し、政策金利の見通しを6月時点から上方修正。政策金利は、26年10-12月期は1.85%(6月時点は1.82%)、27年1-3月期は2.07%(1.89%)、同7-9月期は2.24%(1.93%)、同7-9月期は2.38%(1.97%)、28年7-9月期は2.41%(2.10%)、29年7-9月期は2.35%との見通しを示しました。

リクスバンクの政策会合は次回が11月4日、その次が12月16日です。

***

BOM(メキシコ中銀)は政策金利を6.50%に据え置くことを決定。BOMが政策金利を据え置いたのは3会合連続です。直近2会合(6月と8月)と同じく政策メンバー5人全員が据え置きに賛成しました。

BOMの声明では、先行きの金融政策に関する文言が修正されました。直近3会合(5月・6月・8月)の「政策金利は今後も現行水準を維持することが適切」が削除されて、今回は「進行中のディスインフレの過程と、為替レートの消費者物価への波及、経済のスラック(需給の緩み)の状況、インフレ期待など判断材料の今後の動向を考慮して政策を決定していく」になりました。声明はまた、「メキシコのマクロ経済環境は米国とは異なるため、メキシコの金融政策がFF金利(FRBの政策金利)の予想される調整に機械的に反応する必要はない」と付け加え、FRBが今後追加利上げを行ったとしてもBOMは追随する必要ないとしました。

BOMは「予測期間を通じて経済のスラックは継続すると予想され、また経済活動に対する下振れリスクは依然として残っている」との認識を示しました。

インフレに関しては、総合とコアのCPI(消費者物価指数)上昇率は27年10-12月期に目標である3%に収束するとの見通しを維持しつつ、「リスクバランスは、依然として上振れ方向に傾いている」と指摘。物価を上振れさせる要因として、コアインフレ率の高止まり、通商政策や地政学的紛争に起因する混乱、気候変動に関連する影響、メキシコペソ安などを挙げました。

BOMの政策会合は次回が11月5日、その次が12月17日です。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ