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米ドルが全面安、トランプ政権は対カナダ関税の発動を延期

2026/08/20 09:07

【ポイント】
・米長期金利が一段と低下するか
・豪雇用統計で市場のRBA金融政策見通しが変化するか
・スウェーデン中銀は先行きの金融政策についてどのようなヒントを示すか

(欧米市場レビュー)

19日、欧米時間の外為市場では米ドルが全面安の展開。一時米ドル/円は158.033円、米ドル/カナダドルは1.38026カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.27083シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.16739ドル、英ポンド/米ドルは1.36247ドル、NZドル/米ドルは0.59325米ドルへと上昇。米ドル/カナダドルは6月1日以来、米ドル/シンガポールドルは5月13日以来の安値をつけ、ユーロ/米ドルは5月29日、英ポンド/米ドルは5月11日以来、NZドル/米ドルは6月2日以来の高値をつけました。

米財務省は19日、「流動性支援のための米国債の買い戻しオペの1回あたりの上限額を20億米ドルから少なくとも40億米ドルへと引き上げる」と発表。それを受けて米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下(国債価格は上昇)し、そのことが米ドルに対する下押し圧力となりました。

トランプ米大統領は米東部時間18日午後10時過ぎ(日本時間19日午前11時過ぎ)、「カナダからの輸入品(の一部)を対象とする50%の追加関税の発動を3日間延期する」と自身のSNSで表明。その理由を「文書の最終確定を条件に、カナダと合意に達したため」と説明しました。カナダのカーニー首相は18日、声明で「重要な作業はまだ残されているものの、大きな進展がみられた」と述べました。

また、トランプ大統領は19日、記者団に対して「米国とカナダは貿易協定でおそらく合意する」と述べ、カーニー首相はXに「カナダと米国は合意に向けて動いている」と投稿しました。

トランプ政権による対カナダ追加関税は、米東部時間19日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)に発動される予定でしたが、3日間延期されました。トランプ大統領が関税を撤回する、あるいは再び延期しなければ、22日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)に追加関税は発動されます。

(本日の相場見通し)

上述のとおり、米国の長期金利(10年物国債利回り)は19日に低下し、4.64%でNY市場の取引を終えました(18日は4.70%で終了)。

本日は引き続き米長期金利の動向が相場材料になりそうです。米長期金利が一段と低下した場合、米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドル、米ドル/シンガポールドルは下値を試し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上値を試す展開になると考えられます。

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豪州の7月雇用統計が本日発表されます(日本時間10:30)。その結果に豪ドルが反応しそうです。

豪雇用統計の市場予想は、失業率が4.4%、雇用者数が前月比1.50万人増。失業率は前月と同じとなり、雇用者数は高い伸びだった前月の7.63万人から減速するとみられています。

RBA(豪中銀)は前回8月10-11日の政策会合で政策金利を4.35%に据え置きました。ただ、会合では利上げも議論されたほか、ブロック総裁は会合後の会見で「理事会は追加利上げの可能性を排除していない」と述べ、「個人的には追加利上げが必要になる可能性は十分にある」と語りました。

市場では、RBAは今後追加利上げをあと1回行うとの見方と、同中銀による利上げサイクルは終了したとの見方で分かれています。本日発表の豪雇用統計が市場予想と比べて強い結果になれば、追加利上げ観測が強まるとともに、豪ドルが堅調に推移する可能性があります。

※豪ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/円、豪雇用統計が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

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リクスバンク(スウェーデン中銀)の政策会合が本日開催されます。会合の結果はリクスバンクによる声明とともに日本時間16時30分に判明し、18時からテデーン総裁が会見します。

リクスバンクは25年9月に利下げを実施した後、前回26年6月まで6会合連続で政策金利を据え置いています。現在の政策金利は1.75%です。

政策金利は今回も据え置かれると予想されています。そのとおりの結果になれば、声明や総裁会見が相場材料になりそう。それらではリクスバンクの先行きの金融政策についてどのようなヒントが提供されるのかに注目です。

リクスバンクは前回6月会合の声明で、「スウェーデンのインフレ率は低く、経済活動は通常よりも若干弱い状況にある」との認識を示しました。その一方で、「中東の紛争に伴う供給の混乱によってインフレ圧力が強まっており、インフレ率が過度に上昇するリスクが高まっている」と指摘。「現時点では政策金利を1.75%に据え置くことがバランスが取れていると評価しているが、年内に利上げを行う確率は3月時点の評価と比較して上昇した」と表明しました。

市場では、リクスバンクは12月末までに利上げをするとの観測があります。リクスバンクの声明などがタカ派的な内容になれば、その観測が強まるとともに、スウェーデンクローナにとってプラスになりそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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