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骨太の方針2026、日銀の目的とは?

2026/07/10 08:09

【ポイント】
・日本の長期金利が約30年ぶりの水準に上昇
・上昇の一因は、骨太の方針(原案)が日銀をけん制しているとの懸念
・政府は日銀の独立性を尊重するか、日銀は忖度なく政策運営できるか

日本の長期金利(10年物国債利回り)の上昇が続いています。9日には一時2.902%と、約30年ぶりの水準まで上昇しました。

日本の長期金利

長期金利上昇の背景には、財政赤字拡大(=国債需給悪化)の懸念や日銀の金融政策が後手にまわる、いわゆるビハインド・ザ・カーブの懸念があります。

■7月8日付け「円安の背景:忍び寄る日本の『悪い金利上昇』」をご覧ください。

とりわけ、6月30日に高市政権が原案を公表した「経済財政運営と改革の基本方針2026」、いわゆる「骨太の方針2026」が上記の懸念を増大させたと思われます。そのため、城内経済財政担当相は7月7日、「(骨太原案は)強い経済の構築と財政の持続可能性を同時に実現するものだ」と火消しに乗り出しました。

また、骨太原案が日銀の利上げをけん制しているとの批判に対応して、政府は日銀に関する冒頭の記述を以下の通り修正しました。

原案:
「強い経済」の実現に向けては、適切な金融政策運営が行われることも非常に重要である

修正版:
「強い経済」の実現に向けては、安定的な物価上昇の実現に資する適切な金融政策運営が行われることが非常に重要である

「適切な金融政策運営」の目的が、原案の「『強い経済』の実現」から「安定的な物価上昇の実現」に変更されたことになります。もっとも、これは日銀の本来の使命を再確認させるものにすぎません。

日本銀行法(令和7年6月1日施行)では、日銀の目的を「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」こととしています。つまり、狭義では、日銀の使命は「物価の安定」だけとも言えます。

9日の日経新聞の報道によれば、7月中に閣議決定を目指す「骨太の方針」で、政府は日銀の独立性に言及する方向で調整に入ったとのこと。看板を掛け替えたとしても、本当に政府が日銀の独立性を尊重しようとするのか、また日銀が政府に忖度せず独立して金融政策を運営できるのか、債券市場は注意深くチェックすることになりそうです。

※本日7月10日午後6時ごろ配信予定のM2TVグローバルViewでも雇用統計について解説しますので、ぜひご覧ください。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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