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米FOMCは据え置き、フォワードガイダンスなし!

2026/06/18 07:08

【ポイント】
・FOMCはタカ派的据え置き
・FOMC参加者の半数が年内1~3回の利上げを予想
・ウォーシュ議長は様々に改革を進める意向を表明

16-17日に開催された米FOMCでは、全会一致で政策金利の据え置きが決定されました。ウォーシュ新議長は独自色を打ち出し、声明からフォワードガイダンスが削除されました。ドット・プロット政策金利見通し)では、年内据え置き~利上げと見方が分かれ、利下げを予想したのは1人だけでした。ウォーシュ議長は自身の予想を示しませんでした。

市場は今回の結果を「タカ派的」と受け止め、長期金利(10年物国債利回り)は小幅に上昇、S&P500など株価指数は軟化、米ドルは全面高(円も連れ高)の展開でした。ただし、最も重要なのは、ウォーシュ議長が金融政策の運営スタイルやFRBの役割に改革をもたらそうとしていることでしょう。今後もウォーシュ議長の言動から目が離せません。

FOMC後のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は次回7月のFOMCでの利上げを3割強、9月までの利上げを約8割、10月までの利上げを完全に織り込みました。また、年内の追加利上げを5割強織り込みました(=メインシナリオは26年末までに2回利上げ)。

FOMC見通し

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FOMCの票決は12対0。どのような議論がなされたかは3週間後の議事録の公表を待つ必要があります。

声明文は、金融政策に関する部分が前回の244語から130語に大幅に短縮化され、金融政策の先行きに関するフォワードガイダンスは削除されました。短いので全文を紹介すると以下の通り(訳は筆者)。

「FOMCは12対0で以下の声明を発表する。
FOMCは、FRBの2大使命をサポートするため政策金利を据え置く決定をした。また、FOMCは銀行システム内に十分な準備(流動性)を維持する方針を再確認した。
経済活動は、中東での紛争に伴う不確実性にもかかわらず、堅調なペースで拡大している。生産性の伸びや設備投資は力強い。雇用の伸びは労働力の伸びと同じペースであり、失業率はほとんど変化していない。
インフレは、エネルギーなど一部の供給ショックを反映して、FOMCの2%目標に比べて引き続き高い。FOMCは物価の安定をもたらす」

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ウォーシュ議長は経済・政策金利見通しを提出しませんでした。議長以外のFOMC参加者18人の見通しは以下の通り(議長以外にも1人は28年の政策金利見通しを提出せず)。

経済見通し

参加者各個人の政策金利見通しを示したドット・プロットによれば、中央値は26年末までに「据え置きが8人、利上げ1回が3人、2回が5人、3回が1人でした(1回=0.25%と想定)。人数で加重平均すれば、26年末までに「0.83回の利上げ」です。

ドットプロット

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ウォーシュ議長の記者会見で興味深かった点は以下。就任直後の会見ながら様々に改革を進めたい(+利下げしたい?)との意向がうかがえます。

・議長が代わったので、(金融政策の)スタイルを見直すのに良い機会だ。
・現段階でフォワードガイダンスは適切ではないと合意した。
・FOMC参加者が見通しを提出するのを奨励した(本人は提出せず)。
・5つの分野で作業部会を設けた。①コミュニケーション、②バランスシート、③経済データ、④生産性と雇用、⑤インフレの枠組み(物価指標として何を重視するか)。
・①コミュニケーションは、経済・政策金利見通しの修正を提案すると期待している。
・④生産性は、AIの影響を分析する(本人はAIによる生産性向上が利下げ余地を広げるとの考え)。
・2%の物価目標を変更する必要はない。
・我々が次に何をするか、フォワードガイダンスを示すことはできない。
・(ただし)記者会見はコミュニケーションの良いツールだと思う。
・住宅市場をみれば、金融政策はいくぶん引き締め気味と判断できる。
・我々が見ているデータは旧来型だが、企業はリアルタイムのデータを活用している。
・市場データ(株価や金利など)が恐らく最も重要な情報だ。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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