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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※6月12日更新

2026/06/12 12:12

宮田レポート(短期アップデート) 260612_miyata.pdf


[日経平均・TOPIX]
【当面の想定レンジ】 (日経平均) 50,000~68,000円
                                    (TOPIX) 3400~4000
[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 45,000~52,000ドル
           (S&P500) 6300~7700
[ナスダック100]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 23,500~30,800
                                   (ナスダック総合) 20,700~27,200
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 140.000~160.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~100.650



[日経平均・TOPIX]


【週足 エリオット波動分析】
日経平均は、先週(6月1週)にチャネル上限を一時上回りましたが、今週はチャネル内に戻っています。12日終値がチャネル上限(66,958円)を下回っていれば、「スローオーバー」によるプライマリー第➂波完成及び、プライマリー➃波入りを示唆するものとなります。

個人投資家は先週までに、AI・半導体を中心にレバレッジ買いを大きく膨らませました。
6月5日時点の信用買い残は6兆6958億円と、4週連続で過去最高を更新しました。さらに信用倍率は7.53倍に上昇しています(25年4月11日以来の高水準)。今週は高値圏での買いポジションに、相応の評価損が出ているとみられます。今後手仕舞い売りが進めば日経平均は一段と下げるでしょう。

3月末からの週次サイクル(※)は、弱気型「レフト・トランスレーション(右肩下がり)」になるとみられ、サイクルの前半で天井を付けるでしょう。

高値示現後は、年末~来年3月のサイクル終点に向け株価は下落基調を辿るでしょう。

(※)週次サイクル期間(2020年以降の補正後)は45週±8週(37週~53週)。サイクルの高値から安値まで、下げ率は10%~26%(平均17%)。

[TOPIX]
3月安値(3447)以来の「エンディング・ダイアゴナル」(転換パターン)から下放れを開始しました。
6月3日高値(4015)を以て、コロナショック底から6年余り続いた強気トレンドは終わり、プライマリー➃波の調整が始まった可能性があります。

6月11日は一時3766まで下げましたが、3764(5/20安値)の手前で下げ渋りました。
短期リバウンドの後は下落に転じ、3764を下回ると下げ足を強めるでしょう。この場合TOPIXは、早々に3447(ダイアゴナル始点)に達するでしょう。

プライマリー➃波に入ったという見方が正しければ、その調整規模はプライマリー➀波(2018年1月~20年3月)の下げ率(37.2%)と同等か、それ以上の大きさになると思われます。


[日経平均]
6月3日高値(68,786円)を以て、3月からのマイナー級第5波の上昇は終わり、2020年3月底からのプライマリー➂波も完了した可能性があります。

6月11日は一時62,335円まで急落しましたが、その後は下げ渋り、約2000円幅を戻し大引けとなりました。6月高値から6450円下げたところでマイニュート級マルi波が終わり、足元はマルii波によるリバウンドと読むことができます。フィボナッチからの上値レンジは[64,800円-66,636円]です。

次の下降局面・マルiii波は当面、[61,823円-59,672円](3月からの上昇に対し38.2%-50%戻し)を目指すでしょう。マルiii波の下げ幅は、最終的にマルi波を凌駕すると想定されます。

[予想PER別の日経平均水準]
6月11日の日経平均予想PERは17.37倍、予想EPSは3697円。予想EPSの過去最高は、3748円(6/4)です。


[裁定買い残と信用買い残] (6月5日時点)



[NYダウ・S&P500] 


【NYダウ30週足 エリオット波動長期分析】 
2020年底を起点とするプライマリー➄波は「エンディング・ダイアゴナル」(強気相場の最後に現れる転換パターン)を形成しており、その完了は近いでしょう。
ダイアゴナル上限(49,976ドル)を週末値で割り込むと、スローオーバー(throw-over)が確認され、それは天井打ちの最初のサインです。
通算6年余りの天井パターンが完成すると、その後2~3年の内にNYダウはパターン開始点(18,213ドル)へ向けて下げる可能性があります。

【NYダウ30日足 エリオット波動分析】
6月11日は一時50,968ドルまで急反発しました。51,660ドル(6/5高値)から49,909ドル(6/10安値)までの下げ61.8%戻し水準[50,991ドル]にほぼ達しています。
次はマイニュート級マルiii波の下落が想定されますが、それは49,909ドルを明確に割り込むでしょう。

6月12日(金)は注目のスペースX上場(史上最大IPO)、来週16日(火)に予想される日銀の利上げ、そして19日(金)のトリプルウィッチング(米国版メジャーSQ)など重要イベントが相次ぎます。これらが市場のかく乱要因となれば、ボラティリティの急上昇を招くでしょう。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
6月2日高値の7620は、A波とC波が黄金比になる水準[7605]を満たすものであり、ピークアウトの可能性が高いとみられます。

6月9日には一時7237まで下げました。そこからの反発は、マルii波に位置付けられます。マルii波は[7416-7483]で頭打ちとなり、その後はマルiii波で下落するでしょう。

SOX指数は、6月3日に天井パターン「カラカサ」を示現し、調整局面に入ったと思われます。
11日には急反発しましたが、この日の高値は3日高値~9日安値の61.8%戻し水準に一致します。この付近でリバウンドが完了する否か、注目されます。


[ダウ輸送株平均]
 第2波リバウンド


[マグニフィセント7]
200日MAを一時割り込む

Bloombergマグニフィセント7インデックス
この指数が最高値を付けたのは5月14日です。それはナスダック総合(6月1日)、S&P500(6月2日)、ナスダック100・SOX指数(6月3日)、そしてNYダウ30(6月5日)、これら指数に先行しており(未確認)重要な天井を付けた可能性があります。

6月11日には5月高値からの下げ率が一時11%に迫りましたが、急速に下げ渋りました。200日MAが意識された形です。短期的にはリバウンドがありそうですが、遠からず200日MAを割り込み下値試しの展開となるでしょう。



[ナスダック100]

【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
22,841(3/30安値)からの上昇・第(5)波は、30,762(6/3高値)で完了した可能性があります。
28,196(6/10安値)からは、マルii波によるリバウンドとみられ、フィボナッチからの想定レンジは[29,479—29,782]です。11日には一時29,506まで上昇し想定レンジに入りました。

米10年長期金利は、今年3月の3.9223%を起点とするⒸ波の金利上昇に入っています。
Ⓒ波は23年10月のⒶ波トップ=5.0187%を大きく上回る展開となるでしょう。

Ⓒ波の金利上昇は、今後数年続くと予想しますが、これは、景気悪化に関わらず物価と長期金利が上昇する「スタグフレーション」を示唆するものです。

この見方通り金利上昇が続いていけば、AI・半導体株のバリュエーションは低下し、株価は大きく下落するでしょう。

[米10年長期金利] 5.02%を上回る展開へ





[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
今回より2011年からの波動カウントを見直します。修正後カウントでは、2011年~24年のドル/円上昇を「ダブル・ジグザグⓌ-Ⓧ-Ⓨ」とみます。なおカウント修正後も、2028年に向けた円高シナリオに何ら変わりはありません。
 
日米実質金利差から導かれる米ドル/円(以下、ドル/円)の水準は、現在1ドル=142-143円です。足元の日本円は金利差からみた妥当な水準より、極端な過小評価が続いています。
 
さらには、日本が「金利ある世界」に入った一方で、実質実効円レートは今なお史上最安値圏にあります。
 
このような「超円安」を筆者は「円安バブル」とみており、それは今後いつ弾けてもおかしくありません。
 
「失われた20年≒金利なき世界」では、円売りで調達した資金を様々なアセットに投資する円キャリー取引(※)が世界の潮流でした。しかし「金利ある世界」では、円キャリー取引の巻き戻し(円買い戻し)が進むと共に、市場ボラティリティが急上昇するリスクに留意すべきでしょう。
 
(※)BIS(国際決済銀行)によると世界の円キャリー取引規模は40兆円程度とされます。
【週足 エリオット波動分析】 
24年9月(139.565円)からの第(2)波「フラット(A-B-C)」は終わったか、終わりつつあります。次に想定されるのは第(3)波のドル安・円高です。
 
第(3)波のスケールは、第(1)波の1.618倍~2倍になるとみるのが適当です。
 
もっとも、アナロジー分析からの「7月~8月にかけて140円処への急激な円高」という見立ては相当に難しくなったと思われます。
 
はたして6月16日(火)に予想される日銀利上げは円高へのトリガーになるのでしょうか。注目してみましょう。
【日足 エリオット波動分析】 
日足の波動カウントも、今回より見直しました。第(2)波中C波の上昇が25年4月(139.877円)から展開中であり、それは5つの波(マルi~マルv)で構成されます。
 
154.983円からはマルv波に位置付けられます。マルv波は順当に160.697円を上回るか、あるいは160.697円を抜けずに「切り捨てられた第5波(truncation)」になるかもしれません。
 
金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[142.229円]です。
円売り持ち高が3週連続で拡大 (2026年6月2日時点)
IMM通貨先物市場において、投機筋(非商業部門)の円売り持ち高は、前週の90.0億ドルから101.0億ドルへ4週続けて拡大しました。円売り持ち高は、円買い介入が入ったときの水準(81.2億ドル、4/28時点)を大きく上回っています。
円売り枚数は過去最大に
投機筋の円売り持ち枚数は、6月2日時点で24.44万枚。これは07年6月26日時点の円売り23.74万枚を上回る、過去最大の規模です。


[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
25年7月(96.377)からの(X)波は100.643(3/31)を以て終了しました。パターンは「エクスパンディング(拡大)・トライアングル」です。

4月からはドル安トレンド(A-B-C)が展開中とみられ、このドル安は数年間に及ぶと思われます。

最初の下降波・第(i)波は97.632(4/17)で終わり、そこからは第(ii)波のリバウンドとみられます。
第(ii)波はフラット(a)-(b)-(c)を形成し、それは終わりつつあります。

97.496を終値ベースで下回ると、第(iii)波によるドル安トレンド入りの可能性が高まります。
ひとたび第(iii)波のドル安トレンドに入ると、ドル指数は今年中に95.551を明確に下回るでしょう。

なお、100.643を超えると上記見通しはキャンセルされ、別の波動カウントに替える必要があります。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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