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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※6月2日更新

2026/06/02 11:00

宮田レポート(短期アップデート)260602_miyata.pdf

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YouTube エリオットView 6月1日 [円安終了 カウントダウン?!]

[日経平均・TOPIX]
【当面の想定レンジ】 (日経平均) 50,600~67,000円
                                    (TOPIX) 3400~4000
[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 45,000~51,500ドル
           (S&P500) 6300~7700
[ナスダック100]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 23,500~30,800
                                   (ナスダック総合) 20,700~27,200
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 140.000~160.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~100.650


[日経平均・TOPIX]

【週足 エリオット波動分析】
2020年底からのプライマリー第➂波は最終盤にあります。

2020年3月以来の上昇チャネル上限(今週59,503円)を週末値で下回ると、最終上昇波の「スローオーバー」が確認され、上昇第➂波の終了及び、調整第➃波の開始が示唆されます。

3月末からの週次サイクル(※)は、弱気型「レフト・トランスレーション(右肩下がり)」になるとみられ、サイクルの前半で天井を付けることになるでしょう。

高値示現後は、年末~来年3月のサイクル終点に向け株価は下落基調を辿るでしょう。

(※)週次サイクル期間(2020年以降の補正後)は45週±8週(37週~53週)。サイクルの高値から安値まで、下げ率は10%~26%(平均17%)。

なお第➃波の理想的な安値ターゲットは、レッサー・ディグリー第(4)波の範囲[42,426円~30,792円]です。
試みに直近高値(67,231円)からフィボナッチ38%下落を計算してみると、41,683円が得られますが、これは上記レンジ内に収まっています。

[TOPIX]
TOPIXの5月高値3984(5/27)が2月高値(3938)を上回った一方、銀行株指数は2月高値を下回ったままです。TOPIXと銀行株指数の間に弱気ダイヴァージェンスが形成されつつあります。

6月1日の日経平均は一時初の6万7000円台に上昇し、大引けでも604円高(0.91%高)でした。しかし、この高値更新はTOPIXによっては確認されていません。同じ日のTOPIXは5月高値(3984)を上回らず、この日は16.47安(0.42%安)でした。

物色は一部の銘柄に限られ、第5波の特長が顕著となっています。この日の東証プライムの騰落は「上昇425・下落1115」です。

3月安値(3447)からの(5)波-5波上昇のパターンは、「エンディング・ダイアゴナル」であり、プライマリー➂波は終わったか終わりつつあります。3764(5/20安値)を割ると、天井パターンからの下放れ開始が確認され、速やかに3447(ダイアゴナル始点)を目指すでしょう。

ひとたびプライマリー➃波に入ると、その調整規模はプライマリー➀波(2018年1月~20年3月)の下げ率(37.2%)と同等か、それ以上の大きさになるでしょう。

[日経平均]
50,558円(3/31安値)からのマイナー級第5波中、マイニュート級マルv波が59,292円(5/20安値)から展開中とみられます。

一部の銘柄が指数を引き上げるのは第5波の特長ですが、それはなお一層強まっています。
実際6月1日の日経平均604円高は、ソフトバンクグループ(9984)1銘柄によるものでした。この日、東証プライムで時価総額トップになったSBGは日経平均を844円引き上げ、この銘柄がなければ日経平均は240円安となるところでした。

この動きを受けNT倍率は過去最高をさらに更新しました(16.98倍)。5月25日からの6営業日中、NT倍率は4度、日経平均は3度、各々最高値を更新しています。5年平均(14.29倍)からのかい離は18.8%とNT倍率は極端に上昇しています。

それに加え、日経平均の総合かい離は53.19%と25年10月31日の57.7%以来の大きさです。そんな上がり過ぎに対する反動が遠からず訪れるでしょう。

[予想PER別の日経平均水準]
6月1日の日経平均予想PERは17.95倍、予想EPSは3728円(過去最高)。


[裁定買い残と信用買い残] (5月22日時点)



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ30週足 エリオット波動長期分析】 
2020年底を起点とするプライマリー➄波は「エンディング・ダイアゴナル」(強気相場の最後に現れる転換パターン)を形成しており、その完了は近いでしょう。
ダイアゴナル上限(49,911ドル)を週末値で割り込むと、スローオーバー(throw-over)が確認され、それは天井打ちの最初のサインです。

通算6年余りの天井パターンが完成すると、その後2~3年の内にNYダウはパターン開始点(18,213ドル)へ向けて下げる可能性があります。

【NYダウ30日足 エリオット波動分析】
25年4月安値(36,611ドル)から➄-(5)波の上昇にあり、それは3波構成(A-B-C)になります。
3月安値(45,057ドル)からの上昇は、(5)波-C波に相当し、それを以て2020年からの「エンディング・ダイアゴナル」は完了します。

輸送株の弱気相場入りが米景気の悪化を示唆しており、そんな中でNYダウ工業株平均の上昇は持続しないとみています。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
6319(3/30安値)からの上昇波は第5波です。この第5波の完了を以て、昨年4月以来の第(5)波も完了します。6月1日に一時7617まで上昇しましたが、それはA波とC波が黄金比になる水準[7605]を満たしています。

この5日間(5月20日~6月1日)のすべてで、S&P500採用銘柄の騰落はマイナス(値下がり株数>値上がり株数)ですが、S&P500は最高値を4度更新しています。このように物色が限られる中での指数上昇は強気相場の最終局面に典型的にみられるものです。

7333(5/19安値)を下回る動きは、トレンド転換の最初の合図となります。

現在S&P500時価総額の44%程度をハイテク株が占めていますが、このウェイトは過去最大です。その中でも半導体株は、S&P500の約18%を占めるまでになりました。これはドットコム・バブル当時のピークの2倍以上という、非常に高い集中度です。

SOX指数は5月29日高値までの42営業日で85%上昇(1日当たり2%高)しましたが、6月1日はザラバ高値を更新しませんでした。AIと半導体株への一極集中が終わる兆しかを注目してみましょう。


燃料費の上昇(※)が、鉄道、航空、トラック輸送会社などにネガティブに働いており、ダウ輸送株平均は、「(定義上の)弱気相場」に入っています。景気のバロメーターである輸送株平均の低迷は、米景気の悪化を示唆しています。

(※)全米平均ガソリン価格は1ガロン当たり4.423ドル(5/25時点)と高止まりしています(地域によっては5ドルを大きく上回る)。ガソリン価格が「心理的カベ」の4ドルを超えると、米消費にブレーキがかかる、といわれます。

[ダウ輸送株平均] 第1波の下げに対し38%戻りを達成


[マグニフィセント7] ミニ・ダブル・トップ?



[ナスダック100]

【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
22,841(3/30安値)からの上昇は第(5)波目に当たり、いつ天井を付けてもおかしくありません。28,567(5/19安値)を下回る終値は、天井打ちの最初のサインになります。

結局のところ米国株全体の先行きは、AI・半導体株次第といえるでしょう。
筆者が注目する銘柄のひとつエヌビディアは、この銘柄単体でナスダック100時価総額の12.87%を占め指数に対するインパクト大です。それは5月14日の最高値(236.54)から27日安値(208.78)まで12%近く下げました(6月1日は6.2%高)。208.78を終値で下回ると、それは本格調整入りのサインとなり、ナスダック100をも押し下げる要因になるでしょう。

これに加え米長期金利が今後数年単位で上昇する、という筆者の見方が正しければ、AI・半導体株のバリュエーションは低下し、株価は大きく下落していくでしょう。

米10年長期金利は、今年3月の3.9223%を起点とするⒸ波の金利上昇に入っています。Ⓒ波は23年10月のⒶ波トップ=5.0187%を大きく上回る展開が想定されます。Ⓒ波が終わるまでに今後数年を要するとみられますが、これは、景気悪化に関わらず物価と長期金利が上昇する「スタグフレーション」を示唆するものです。

[米10年長期金利] この先は5.02%を上回る展開を想定


[米10年実質金利] トライアングルから上放れつつある

米10年実質金利は、株式市場にとって歴史的な「警戒ライン=2%」水準を明確に上回っています。
長期金利と同じように実質金利も、23年10月(2.58%)からの大型トライアングルから上放れつつあります。ひとたび長期保ち合いから上放れとなれば、いずれトライアングルの頂点(2.58%)をブレイクすることになるでしょう。実質金利上昇は、ハイテク・グロース株に強い下落圧力となることが珍しくありません。また多くの場合、市場ボラティリティの上昇(≒株価急落)がみられます。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
日米実質金利差から導かれる米ドル/円(以下、ドル/円)の水準は、現在1ドル=140-141円です。足元の日本円は金利差からみた妥当な水準よりも極端な過小評価が続いています。
 
さらには、日本が「金利ある世界」に入った一方で、実質実効円レートは今なお史上最安値圏にあります。
 
このような「超円安」を筆者は「円安バブル」とみており、それは今後いつ弾けてもおかしくありません。
 
「失われた20年≒金利なき世界」では、円売りで調達した資金を様々なアセットに投資する円キャリー取引(※)が世界の潮流でした。しかし「金利ある世界」では、円キャリー取引の巻き戻し(円買い戻し)が進むと共に、市場ボラティリティが急上昇するリスクに留意すべきでしょう。
(※)BIS(国際決済銀行)によると世界の円キャリー取引規模は40兆円程度とされます。
 
[日本の実質金利] 長期実質金利は1年前からプラス圏で推移
【週足 エリオット波動分析】 
160.697円(4/30)を以て、24年9月からの第2波によるリバウンドは完了し、第3波が始まった可能性が高いとみています。
 
MACDには1月末に続いて2度目の売りシグナルが点灯しています。これはベア・ダイヴァージェンスを伴う、通常よりも強い(信頼度が高い)売りシグナルです。
 
週足チャートにシャドーで示した箇所は、円買い介入後にみられた2度の急激な円高です。
最初は22年10月~23年1月の3カ月間に、24.741円幅の円高となりました。次は24年7月~9月の2カ月半で、22.373円幅も円高が進んでいます。
 
これらのアナロジー(類似)からは、ドル/円が3カ月程度で(7月~8月にかけて)20円~25円下落する可能性がある、ということです。もしそうであれば、7月までに1ドル=140円に達するというシナリオが得られます。
 
6月決定会合は円高カタリストになるか
6月16日(火)の日銀決定会合は、上記シナリオのカタリストになり得るでしょう。0.25%利上げは市場にほぼ織り込まれていますが、円買い介入を含む何らかのプラス要因、サプライズがあるか要注目です。
【日足 エリオット波動分析】 
154.983円(5/6)からの反発はまもなく終わる可能性があります。週足分析で示したアナロジーでは、大きく円高に動くまでの時間的猶予は限られています。なお日次ベースでは7月3日~10日が注目日柄となっています。
 
円高へのトリガーは156円を下回ることです。この場合、25年4月からの重要サポートラインを割り込み、当面は152円処へのドル安・円高となるでしょう。
 
152円処への円高が示現すると、1ドル=140円への円高シナリオが、より現実味を帯びると思われます。
 
金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[140.733円]です。
円売り持ち高が3週連続で拡大 (2026年5月26日時点)
IMM通貨先物市場において、投機筋(非商業部門)の円売り持ち高は、前週の73.74億ドルから90.0億ドルへ3週続けて拡大しました。円売り持ち高は、円買い介入が入ったときの水準(81.2億ドル、4/28時点)を上回り、24年7月以来の高水準になりました。


[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
25年7月(96.377)からの(X)波は100.643(3/31)を以て終了しました。パターンは「エクスパンディング(拡大)・トライアングル」でした。

4月からはドル安トレンド(A-B-C)が展開中とみられます。このドル安は数年間に及ぶでしょう。

最初の下降波・第(i)波は97.632(4/17)で終わり、そこからは第(ii)波のリバウンドとみられます。
この第(ii)波はフラット(a)-(b)-(c)を形成しており、それは99.544(5/28)で終わったか、終わりつつあります。

97.496を終値ベースで下回ると、第(iii)波によるドル安トレンド入りの可能性が高まります。
ひとたび第(iii)波のドル安トレンドに入ると、ドル指数は今年中に95.551を明確に下回るでしょう。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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