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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※5月8日更新

2026/05/08 11:33

宮田レポート(短期アップデート) 260508_miyata.pdf

[日経平均・TOPIX]
【当面の想定レンジ】 (日経平均) 47,000~63,000円
                                    (TOPIX) 3290~3940
[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 46,000~50,500ドル
           (S&P500) 6300~7500
[ナスダック100]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 23,500~28,000
                                   (ナスダック総合) 21,000~25,100
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 140.000~160.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000



[日経平均・TOPIX]

【週足 エリオット波動分析】
日経平均はプライマリー第➂波の最終盤にあります。
連休明け5月7日の日経平均は前日比3320円(5.58%高)の大幅上昇。一時初の6万3000円台に乗せました。もっとも、寄与度上位7銘柄が上げ幅3320円の内2427円を占め(占有率は73%)ており、引き続き物色はAI・半導体株などに集中しています。

限られた銘柄が指数を引っ張る構図は、強気相場の最終局面(第5波)の特長のひとつです。

2020年3月以来の上昇チャネル上限(来週は58,991円)を週末値で下回ると、最終上昇波の「スローオーバー」が確認され、上昇第➂波の終了と調整第➃波の開始が示唆されるでしょう。

3月末からの週次サイクル(※)は、弱気型「レフト・トランスレーション(右肩下がり)」になるとみられ、サイクルの前半で天井を付けることになるでしょう。

サイクル高値の時期として4月~5月が相応しいとみられ、4月ピークアウトの可能性に注目です。高値示現後は、年末~来年3月のサイクル終点に向け株価は下落基調を辿るでしょう。

(※)週次サイクル期間(2020年以降の補正後)は45週±8週(37週~53週)。サイクルの高値から安値まで、下げ率は10%~26%(平均17%)。

[TOPIX]
TOPIXの最高値は2月27日(イラン戦争開戦の前日)に付けた3938(時価総額1326兆円)であり、日経平均に先んじています。時価総額加重型のTOPIXは景気の先行指標のひとつであり、イラン戦争からの企業業績悪化・景気後退リスクに敏感になっています。

プライマリー➃波が既に始まったのなら、➃波の調整規模はプライマリー➀波(2018年1月~20年3月)の下げ率(37.2%)と同等か、それ以上の大きさになるでしょう。

3492(3/9安値)からの第2波は3860(5/7高値)で終わったか、終わりつつあるとみています。

4月23日ザラバ安値(3682)を下回ると、第3波による下落が始まったことの最初のトリガーが引かれます。ひとたび下降第3波が始まれば、それは3447(3/23安値)を早々に下回り、さらに黄金比サポート[3291]を試すでしょう。

ただし3938を上回った場合は上記の見方はキャンセルされ、3447(3/23安値)からを第5波の上昇と読み換えます。

[日経平均]
50,558円(3/31安値)からはマイナー級第5波による上昇とカウントされますが、5月7日高値までには、インパルス波完了に必要な5つの波(マルi~マルv)がすべて揃っています。この日の高値(63,091円)はマルi波とマルv波が等しくなる水準[62,628円]、および、マルi波起点からマルiii波高値までとマルv波の長さが1:0.382になる水準[62,880円]、いずれも満たしています。

この日、日経平均総合かい離は49.08%に急騰しました。これは2025年11月4日(50.32%)以来の過熱ぶりです(このときは25年11月19日までに8.3%安となりました)。

今後レッサーディグリー・マルiv波安値(58,928円)の去就に注目しています。終値で58,928円を下回ると─このとき前述したチャネル上限も下回っていることになります─天井打ちの可能性が高いでしょう。

[予想PER別の日経平均水準]
5月7日の日経平均予想PERは20.16倍、予想EPSは3116円(過去最高)です。


裁定買い残と信用買い残] (4月24日時点)



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ30日足 エリオット波動分析】 
45,057ドル(3/30安値)からは第2波リバウンドと解釈されます。5月7日には一時50,130ドルまで上昇しましたが、2月10日の高値(50512.79ドル)はいまだに抜いていません。

S&P500とナスダック100が足元で最高値を更新する一方、NYダウが2月高値(50,512ドル)を更新しないなら、米株市場は26年前の「韻を踏む」ことになりそうです。そうなれば今年の「セル・イン・メイ」は、例年以上に重要な意味を持つでしょう。

2000年ITバブルからのアナロジー(類似)からは、NYダウが最高値50,512ドルを超えることはありません。第2波は目先的にも終了し、まもなく第3波による急落が始まるでしょう。下降第3波によりNYダウは、3月安値を明確に下回ることでしょう。

一方、NYダウが2月の高値を更新する場合には他のカウントが必要になりますが、後述するように輸送株の急落が米景気の悪化を示唆しているなら、NYダウ工業株平均の上昇は長く続かないでしょう。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
6319(3/30安値)からの上昇波は第5波とカウントできます。この第5波完了を以て、昨年4月以来の第(5)波も完了する見込みです。

第5波急騰の途中で三つのマドが空き、さらに5月6日に四番目のマドが空きました。これは最後のマド(エグゾースチョン・ギャップ)の可能性があります。翌7日はさらに最高値を更新しましたが(ザラバ高値7385.02)反落しています。5月5日終値(7259.22)を下回るとトレンド転換が確認されるでしょう。

3ヵ月間隔で高値を付けるリズムに照らしても、足元は第5波天井を付ける注目タイミングです。この辺りがピークになるか、引き続き注目してみましょう。

ダウ輸送株平均は、4月22日から5月4日までの9営業日中8日間で下落し、高値からの下げ率は21.26%に広がりました。全米平均ガソリン価格が1ガロン当たり4ドルを明確に上回り(地域によっては5ドルを上回る)、鉄道、航空、トラック輸送会社などに重い負担となっています。輸送株平均の「(定義上の)弱気相場」入りは、米景気の悪化を示唆しています。

[ダウ輸送株平均] 高値から一時21.2%安


[マグニフィセント7] 3月からの上昇第5波は完了するか



[ナスダック100]



【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
22,841(3/30安値)からの上昇は第5波目に当たり、それはいつピークアウトしておかしくないでしょう。

AI・半導体株は中東リスクの影響が比較的小さい(?)とみられており、集中的に物色されています。
SOX指数を構成する30の半導体株の合計時価総額は、いまや米国株全体の13%を超えています。この指数が弱気に転換すれば、米国株全体に対する影響は大きいでしょう。

ナスダック100、SOX指数を構成する成長株を考察する上で、今後は米長期金利に注目すべきかもしれません。
米10年長期金利は、23年10月(5.0187%)以来の大型三角保ち合いⒷ波を、今年3月の3.9223%を以て完成しました。そこからはⒸ波の金利上昇とみられ、短期的には4.6247%を試すでしょう。そして、遠からずⒸ波は5.0187%をも大きく上回るとみられます。これは、景気悪化に関わらず物価と長期金利が上昇する「スタグフレーション」を示唆するものです。

長期金利の上昇が、ハイテク成長株にとって大きなダメージになることは言うまでもありません。

[米10年長期金利] 大型三角保ち合いから上放れ始めている



[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
日米実質金利差から導かれる米ドル/円(以下、ドル/円)の水準は、現在1ドル=138円程度です。足元の日本円は金利差からみた妥当な水準よりも極端な過小評価が続いています。
さらには、日本が「金利ある世界」に入った一方で、実質実効円レートは今なお史上最安値圏にあります。
 
このような「超円安」を筆者は「円安バブル」とみており、それは今後いつ弾けてもおかしくありません。
 
「失われた20年≒金利なき世界」では、円売りで調達した資金を様々なアセットに投資する円キャリー取引(※)が世界の潮流でした。しかし「金利ある世界」では、円キャリー取引の巻き戻し(円買い戻し)が進むと共に、市場ボラティリティが急上昇するリスクに留意すべきでしょう。
 
(※)BIS(国際決済銀行)によると世界の円キャリー取引規模は40兆円程度とされます。
 
ドル/円は3月から4月にかけ長期上昇チャネル上限を上抜きました。しかし4月の終値はチャネル内に引き戻されました。これにより「スローオーバー」完了が確認されました。天井パターンの確認は、ドル/円が2024年高値(161.938円)と4月高値(160.697円)を以てダブルトップを完成したこと、および中長期のドル安・円高トレンド入りを強く示唆しています。
【週足 エリオット波動分析】 
3月末~4月を重要なターニングポイントとして注目していましたが、4月30日の動き(この日は1年9カ月ぶり円安になり、そこからは一転、一時5円以上の円高となりました)は、まさに基調転換を印象付けるものです。
 
MACDは足元、1月末に続いて2度目の売りシグナルが点灯しています。これはベア・ダイヴァージェンスを伴っており、通常よりも強い(信頼度が高い)売りシグナルです。
 
週足チャートにシャドーで示した箇所は、円買い介入後にみられた2度の急激な円高です。
最初は22年10月~23年1月の3カ月間に、24.741円幅の円高となりました。次は24年7月~9月の2カ月半で、22.373円幅も円高が進んでいます。
 
これらのアナロジー(類似)からは、ドル/円が今後3カ月程度で20円~25円下落する可能性がある、ということです。もしそうであれば、7月までに1ドル=140円に達するというシナリオが得られます。
【日足 エリオット波動分析】 
4月30日に続き追加の円買い介入が観測されるなか、ドル/円は5月6日に一時154.983円と2カ月半ぶりドル安・円高となりました。既に3-4月のボックスレンジから明確に下放れており、このことは160.697円(4/30)を以て第2波が完了したこと、第3波による「急激かつ大幅な」下落トレンドが始まりつつあることを示唆しています。
 
今はまだ、終値での重要線(過去1年間のサポートライン)の下方ブレイクは確認されていませんが、154.983円をNY市場の終値で下回ると、それは第3波入りを強く促すでしょう。この場合は短期的にも152円処へのドル安・円高となるでしょう。
 
152円処への円高が示現すると、週足分析のように、1ドル=140円への円高シナリオはより現実味を帯びると思われます。
 
金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[138.667円]です。
円売り持ち高が2024年7月以来の高水準に (2026年4月28日時点)
IMM通貨先物市場において、投機筋(非商業部門)の円売り持ち高が、前週の74.08億ドルから81.25億ドルへ2週続けて拡大しました。これは2024年7月以来の高水準です。


[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
25年7月(96.377)からの(X)波は、時間が経つごとに高値と安値が広がる(三角)保ち合い相場=「エクスパンディング(拡大)・トライアングル」(A-B-C-D-E)の可能性が高い、とみています。

5月6日は2カ月半ぶりドル安水準(97.625)を付けました。引き続き4月のドル高に対し61.8%押し水準[97.496]は維持されていますが、ドル安基調自体は強固なものになりつつあるようです。

97.496を終値ベースで下回れば、第(iii)波によるドル安トレンド入りの可能性が高まります。
ひとたび第(iii)波のドル安入りが確認されれば、ドル指数は今年中に95.551を明確に下回るでしょう。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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