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パウエル発言で米利下げ観測が復活!?

2026/03/31 07:56

【ポイント】
・現在の政策金利は状況対応ができる適切な位置
・必要なら対応するが、いまはまだその状況ではない
・プライベート・クレジットについて、銀行システムへの汚染拡大はまだない

パウエル米FRB議長は30日、ハーバード大学で公開討論会に登壇。市場は、議長がインフレに関して楽観的な見解を示したと解釈し、利下げ観測が再浮上しました。

OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、米国とイスラエルによるイラン攻撃前(2月27日時点)は、26年中に0.25%×2~3回の利下げが予想されていました。原油高がインフレ懸念を強めさせた結果、先週末27日時点では26年中の据え置きが市場のメインシナリオ(確率5割超)ながら、利上げが3割近く織り込まれていました。パウエル議長の発言を受けて30日時点でわずかながら利下げ観測が再浮上しています。

FRB金融政策見通し

パウエル議長は、中東情勢(による原油高)の影響を慎重に見極めており、必要であれば対応する必要があるとしつつも、まだそういう状況に至っていないと指摘。そして、「我々の政策(金利)は様子を見守るのに適切な位置にある」と述べました。

パウエル議長は、原油価格の高騰はインフレ圧力となる一方で、個人消費など景気の重石になるため、雇用増加と物価安定の両方を目指すFRBにとっては「挑戦になる」と指摘。そのうえで、「(原油高という)供給ショックには先を見通す必要があり、重要なのはインフレ期待を注意深く監視する必要があるということだ」と述べました。そして、長期のインフレ期待は落ち着いていると述べました。10年物の通常国債とインフレ連動国債の利回りの差でみた市場の長期インフレ期待は落ち着いているようにみえます。

市場の長期インフレ期待

プライベート・クレジットの問題について質問され、パウエル議長は調整(修正)が入っているとしたうえで、「我々はとりわけ注意深く(super carefully)、事態を監視している」と述べました。そして、「リスクを軽視しているとみられたくない。ただ、感染拡大(contagion)につながりかねない銀行システムとの関係を注視しており、いまのところそれは観測されていない」と付け加えました。

プライベート・クレジット問題が表面化するキッカケとなったファンド解約停止を発表したブルーアウルの株価はいったん下げ止まっています。一時25ドルを超えていたブルーアウルの株価は現在10ドルを割り込んでいます。

ブルーアウル株価
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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