米大統領選挙:トランプ氏優勢で「トランプ・トレード」復活!?
2024/10/25 08:15
本稿は、米大統領選・直前号の第4回です。
第1回 ハリス氏が失速!? 「今日」投開票ならトランプ氏勝利も?
第2回 「トランプ大統領」なら財政赤字が大幅増!?
第3回 議会選挙の行方 「トリプル・レッド」も?
【ポイント】
・「共和党株」が「民主党株」をアウトパフォーム
・(業績が伴わない?)トランプ株も反発!
・「米ドル高」は実現するか、長続きするか
以下は、24日までの報道や世論調査分析を基にした、あくまで「現時点」での評価です。投開票日までの2週間弱に状況は大きく変化するかもしれません。
「共和党株」が「民主党株」をアウトパフォーム
大統領選の民主党候補にハリス氏が決まったころから鳴りを潜めていた「トランプ・トレード」が足もとで復活しているようです。共和党株は6月27日のTV討論会(バイデンvsトランプ)の前後に民主党株をアウトパフォームしましたが、その後はアンダーパフォーム。しかし、9月10日のTV討論会(ハリスvsトランプ)の後、とりわけ10月に入ってから共和党株のアウトパフォームが目立っています。

「共和党株」は、国内回帰型、国内安全保障、石油掘削、金融石油掘削、銃器・兵器など、共和党政権から恩恵を受けるとみられる企業群。「民主党株」は、再生可能エネルギー、インフラ、ヘルスケア、育児。教育、住宅関連など、民主党政権から恩恵を受けるとみられる企業群のことです。

トランプ株も反発!
同様に、9月下旬まで下落基調だったトランプ・メディア&テクノロジー社(以下、トランプ・メディア)の株価は、その後に大きく反発しています。主にSNSサービスを提供するトランプ・メディアはSNSの利用者があまり増えておらず、株価/売上高比率が1700倍との指摘もあります(類似企業では4~16倍)。つまり、トランプ・メディアの株価は企業実態というより、トランプ氏の人気や大統領選での勝利予測を強く反映していると言えそうです。

米ドル高も「トランプ・ラリー」?
10月に入って米ドルが堅調です。9月30日から10月24日にかけて、Bloombergが集計する主要17通貨のなかで米ドルが最強でした(円は最弱)。

9月雇用統計など米経済指標が堅調で、FOMCの利下げ観測が後退、長期金利(10年物国債利回り)が顕著に上昇しています。加えて、「トランプ勝利=米ドル高」との思惑が働いているのかもしれません。長期金利の上昇も、「トランプ政権」でのインフレ高進や財政赤字の拡大をある程度先取りしているとみることも可能でしょう。
前々回の大統領選挙でも米ドル高でした。16年8月以降に100円-105円のレンジで推移していた米ドル/円がトランプ勝利を受けて上放れ、12月中旬には118円台半ばまで上昇しました。
もっとも、当時の米ドル/円は17年1月初めにピークをつけると、トランプ大統領の就任に合わせるように下落に転じました。トレンドの転換は米ドル指数(実効レート)でみると明確です。仮に今回も「トランプ・ラリー」が起こるとして、短命に終わる可能性もありそうです。

■11月2日にWEBセミナーを開催します。第1部で、双日総研チーフエコノミストの吉崎達彦さんと大統領選挙後にフォーカスした対談を行います。事前申し込みは不要ですので、ぜひご参加ください(下の画像をクリックすると詳細をご覧いただけます)。
第1回 ハリス氏が失速!? 「今日」投開票ならトランプ氏勝利も?
第2回 「トランプ大統領」なら財政赤字が大幅増!?
第3回 議会選挙の行方 「トリプル・レッド」も?
【ポイント】
・「共和党株」が「民主党株」をアウトパフォーム
・(業績が伴わない?)トランプ株も反発!
・「米ドル高」は実現するか、長続きするか
以下は、24日までの報道や世論調査分析を基にした、あくまで「現時点」での評価です。投開票日までの2週間弱に状況は大きく変化するかもしれません。
「共和党株」が「民主党株」をアウトパフォーム
大統領選の民主党候補にハリス氏が決まったころから鳴りを潜めていた「トランプ・トレード」が足もとで復活しているようです。共和党株は6月27日のTV討論会(バイデンvsトランプ)の前後に民主党株をアウトパフォームしましたが、その後はアンダーパフォーム。しかし、9月10日のTV討論会(ハリスvsトランプ)の後、とりわけ10月に入ってから共和党株のアウトパフォームが目立っています。

「共和党株」は、国内回帰型、国内安全保障、石油掘削、金融石油掘削、銃器・兵器など、共和党政権から恩恵を受けるとみられる企業群。「民主党株」は、再生可能エネルギー、インフラ、ヘルスケア、育児。教育、住宅関連など、民主党政権から恩恵を受けるとみられる企業群のことです。

トランプ株も反発!
同様に、9月下旬まで下落基調だったトランプ・メディア&テクノロジー社(以下、トランプ・メディア)の株価は、その後に大きく反発しています。主にSNSサービスを提供するトランプ・メディアはSNSの利用者があまり増えておらず、株価/売上高比率が1700倍との指摘もあります(類似企業では4~16倍)。つまり、トランプ・メディアの株価は企業実態というより、トランプ氏の人気や大統領選での勝利予測を強く反映していると言えそうです。

米ドル高も「トランプ・ラリー」?
10月に入って米ドルが堅調です。9月30日から10月24日にかけて、Bloombergが集計する主要17通貨のなかで米ドルが最強でした(円は最弱)。

9月雇用統計など米経済指標が堅調で、FOMCの利下げ観測が後退、長期金利(10年物国債利回り)が顕著に上昇しています。加えて、「トランプ勝利=米ドル高」との思惑が働いているのかもしれません。長期金利の上昇も、「トランプ政権」でのインフレ高進や財政赤字の拡大をある程度先取りしているとみることも可能でしょう。
前々回の大統領選挙でも米ドル高でした。16年8月以降に100円-105円のレンジで推移していた米ドル/円がトランプ勝利を受けて上放れ、12月中旬には118円台半ばまで上昇しました。
もっとも、当時の米ドル/円は17年1月初めにピークをつけると、トランプ大統領の就任に合わせるように下落に転じました。トレンドの転換は米ドル指数(実効レート)でみると明確です。仮に今回も「トランプ・ラリー」が起こるとして、短命に終わる可能性もありそうです。

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