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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※5月13日更新

2025/05/13 12:13

宮田レポート(短期アップデート) 250513_miyata.pdf

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YouTube エリオットView 5月12日 [市場心理改善!日本株 強気相場入り?]

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,600~39,700円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 36,500~42,200ドル
            (S&P500) 4600~5750
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 17,600~21,000
                                    (ナスダック総合) 15,700~19,090
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 140.000~150.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~104.000


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
日経平均は、重要サポートとしての200週MAを上回って推移しています。同MAを今後も維持する限り、プライマリー上昇➂波は依然継続中とみられます。

日経平均は、インターミディエイト級第(5)波の上昇を展開中とみられます。
順当にいけば、第(5)波は24年7月高値(42,426.77円)を上抜き史上最高値を更新するでしょう

ただし第(5)波は、20年3月コロナショック底(16358.19円)からのラリー中「最後の上昇」に相当します。上昇トレンドの最終局面では、買いポジションを膨らませるのではなく、むしろ軽くしていくことに意識を向けることが望ましいでしょう(利食い千人力)。遠からず米国株相場の下げ局面が再開するとみられる中では尚更です。




【日足・時間足 エリオット波動分析】
30,792円(4/7安値)から、インターミディエイト級第(5)波による上昇が進行中とみられます。

TOPIXは5月12日までに12日続伸となり、2017年10月の記録に並びました。この日は一時2747へ上昇し、年初来高値2821(3/26)が視野に入ってきました。
なお13日続伸となればバブル経済崩壊後の最長(09年7~8月)とタイ記録です(※)

※1949年5月以降、TOPIX続伸記録(14日以上)は、16日続伸(2回)、17日続伸(1回)、20日続伸(1回)。

日経平均は200日MA(37,915円)を短期的にも試す局面を迎えています。200日MAを抜くと、38,220円(3/26高値)が次のメドになります。

(オルタナティブ・カウント)
30,792円を下抜くと以下の波動カウントに切り替えます。
24年8月からの上昇第(5)波は40,398円(12/27高値)を以て終わり─”truncated fifth”(短縮された5波)─プライマリー級の➃波による調整が進行中とみられます。この場合日経平均は、いずれ2万7000円処(PBR1倍水準)を試す可能性があります。

[予想PER別の日経平均水準]
5月12日の日経平均予想PERは15.62倍・予想EPSは2410円。
過去最高のEPSは2564円(2/13)です。



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ日足 エリオット波動分析】 
今回号では、波動カウントを微調整します。
第(1)波の下げ起点についてですが、昨年12月高値(45,073ドル)から今年1月高値の45,054ドルに変更します。そして36,611ドル(4/7安値)からの上昇については、これまでは「第(4)波か第(2)波」としてきましたが、今回号より第(2)波に統一します。

5月12日にはマド空けで上昇し1160ドルの大幅高となりました。終値ベースで200日MAを回復したのは、「トランプ関税」が発動した4月2日以来のことです。

さてNYダウは足元で、分岐点に差し掛かったといえそうです。

上値追いが続くなら、第(1)波中レッサー・ディグリー[42,821ドル](3/26高値)、24年高値からの下げに対する76.4%-78.6%戻り[43,076ドル-43,262ドル] などを試すことでしょう

一方、41,249ドル(5/9終値)を下回り12日のマドを埋めると、第(2)波リバウンド完了・第(3)波下落トレンド入りが示唆されます

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
4910(4/8安値)からは第(2)波リバウンドに位置付けられ、パターンはA-B-C「ジグザグ」となっています。5101(4/21安値)からはC波の上昇が進行しています。

5月12日にはマド空けで上昇、200日MA(5747)を一気に上抜きました。
一方、1月高値からの下げ78.6%戻り[5851]に接近し(5月12日の高値は5845です)、目先的にも第(2)波が終わってもおかしくないでしょう。

5659(5/9終値)を割ると最初の弱気トリガーが発動し、第(3)波による下げスタートが示唆されます。



[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
ナスダック100は25年1月高値(22,222)以来、サイクル級の調整局面にあるとみられます。

振りかえると、21年~22年にあったプライマリー➃波の下げ率は、ナスダック100とナスダック総合指数のいずれもが37.7%でした(フィボナッチ比率38%に合致しています)。

この先ナスダックは1~2年内に高値から38%下げてもおかしくありません。
高値から38%下げる水準は次の通りです。[ナスダック100]…13,777、[総合指数]…12,527

サイクル級の調整は、プライマリー級より上位の波動等級(ディグリー)であり、ディグリーが大きくなるに従い調整スケールも大きくなるのが通常です。今後2~3年タームでみれば、高値からの調整が38%より大きくなることに違和感はありません。

エリオット波動からは、ナスダック100の長期下値メドとして適当とみられるのは、[10,440]─レッサー・ディグリー➃波安値水準─です。




【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
16,850(4/9安値)からは第(2)波リバウンドが進行中とみられ─第(1)波の下落トレンドにおいて第5波は短縮されました─そのパターンはジグザグ(A-B-C)です。17,592(4/22安値)からの上昇はC波に当たります。

5月12日にはマドを空けての大幅高となり、一時20,870まで上昇しました。
目先の上値試しが続く場合、第(1)波の下げに対する78.6%戻り[21,072]を試すでしょう。

米中関税協議を巡ってのポジティブなニュースに、米株式市場は大きく反応しています。

しかし現行の上昇(リバウンド)後に始まる第(3)波の下落トレンドは4月安値を大きく下回り、弱気相場入りが改めて確認されることでしょう。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、まずは2011年からの上昇チャネルのセンターライン➀136.680円(5月)がサポートレベルとみられます。

もっとも139円処を下抜くとヘッド・アンド・ショルダーズ型の天井パターンから下放れ始め─上述したセンターラインで底入れせずに─フィボナッチ・サポートの[128.945円]を試す展開もありそうです。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は117.050円(5月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(24/7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドです。C波は三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が(先ずは)想定され、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。

なお1月からのドル安・円高を第3波とみなすことも可能です。これは先々の1ドル=120円トライも視野に入るシナリオです。しかしまだ確証に乏しく、メインシナリオとするのは尚早です。

139.877円(4/22)からはリバウンド傾向が続いています。
これまでリバウンド上限を146.493円に置いていましたが、それを足元で超えたため短期見通しを変更します(後述)。

【日足 エリオット波動分析】 
足元でドル/円が146.493円を上回ったことにより、目先波動カウントを以下のように改めます

1月からのマルi波が139.877円で完成し、現在はマルii波によるリバウンドとします。
なおマルii波のターゲットとしては、以下に示す水準が適当と思われます。

[149.351円]…マルi波の半値戻り
[149.700円処]…200日MA
[151.191円]…マルi波のレッサー・ディグリー(iv)波水準。
[151.586円]…マルi波の61.8%戻り


金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[148.857円]です。


投機筋の円買い持ち高は5週ぶりに減少(2025年5月6日時点)
IMM通貨先物市場で、投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の157.4億ドルから155.1億ドルへ5週ぶりに減少しました。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
ドル指数は4月21日安値(97.921)を以て、フィボナッチ・サポート[97.939](08年からのドル高に対する38.2%戻り水準)をちょうど達成しました。そこからは、C波中マルiv波によるリバウンドと思われます。

マルii波がジグザグだったことから、マルiv波は保ち合い相場となりやすいでしょう。保ち合いの後には、C波中マルv波のドル安基調が再開し、[94.976](A=C)を試すことでしょう。

一方、C波自体が終了している可能性もあります。
この場合、22年からのA-B-Cジグザグは完成し、それに続く(X)波に入ったとみられます。この見方に基づくと、ドル指数は当面52週MAを試し、さらにそれを上抜く可能性があります。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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