米ドルの堅調は続くか、ユーロは軟調に推移か
2024/06/10 09:12
【ポイント】
・FRBの利下げ観測が後退して米長期金利が上昇
・米長期金利が一段と上昇すれば、米ドルが堅調に推移しそう
・欧州の政治不安が強まる場合、ユーロには下押し圧力が加わるか
(欧米市場レビュー)
7日、欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は157.026円、米ドル/カナダドルは1.37627カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.07993ドル、英ポンド/米ドルは1.27147ドルへと下落しました。米国の5月雇用統計で非農業部門雇用者数や時間当たり賃金が市場予想を上回ったことが、米ドルの支援材料となりました。雇用統計の結果は、非農業部門雇用者数が前月比27.2万人増(市場予想18.5万人増)、時間当たり賃金が前月比0.4%(同0.3%)・前年比4.1%(3.9%)でした。
※米雇用統計については、8日の『ファンダメ・ポイント』[米雇用統計:雇用者数は大幅増加、利下げ観測は後退!?]にて詳しく解説していますので、ご覧ください。
メキシコペソは続落。メキシコペソ/円は一時8.461円へと下落し、4月19日以来およそ1カ月半ぶりの安値をつけました。2日に実施されたメキシコの議会選挙では与党連合が大勝。それを受けて憲法の改正(電力の再国有化など)が進められるとの懸念が市場で強まっており、それが引き続きメキシコペソに対する下押し圧力となりました。
(本日の相場見通し)
本日は、米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向が材料になりそうです。
米長期金利は7日に上昇し、一時4.43%をつけました(6日のNY終値は4.28%)。米雇用統計の強い結果を受けてFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が後退し、そのことが米長期金利の上昇要因となりました。CMEのFedWatchツールによると、7日時点で市場が織り込むFRBが9月までに利下げを行う確率は50.5%(据え置きは49.5%)。6日時点の利下げの確率は約7割(据え置きは約3割)でした。
米雇用統計の結果が引き続き意識されて、米長期金利は一段と上昇する可能性があります。その場合には米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になりそうです。米ドル/カナダドルの上値メドとして、1.38942カナダドル(23年11月高値)が挙げられます。
***
週末に実施された欧州議会選では右派や極右の政党が議席を伸ばしたもようです。フランスでは極右のRN(国民連合)が国内第1党に、マクロン大統領が率いる与党連合は第2党になりました。ドイツでは保守系のCDU・CSU(キリスト教民主同盟・社会同盟)が国内第1党に、極右のAfD(ドイツのための選択肢)が第2党に、ショルツ首相のSPD(社会民主党)は第3党になりました。
欧州議会選の結果を受けてフランスのマクロン大統領は9日(日本時間10日早朝)、国民議会(下院)を解散して選挙を実施すると発表しました。選挙は6月30日に第1回投票、7月7日に第2回投票が実施されます。
本日10日午前の外為市場ではユーロが軟調に推移しており、ユーロ/英ポンドは一時0.84544ポンドへと下落して22年8月以来およそ1年10カ月ぶりの安値をつけました。欧州政治への不安が市場で強まる場合、ユーロ/米ドルやユーロ/英ポンドは一段と下押しする可能性があります。ユーロ/英ポンドの下値メドとして、0.83352ポンド(22年8月安値)が挙げられます。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
