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カナダドルが堅調、BOCの利上げ観測が強まる

2026/10/20 09:25

【ポイント】
・BOCはインフレ見通しを引き上げる意向、総裁は利上げの可能性に言及
・BOCの四半期調査では消費者のインフレ期待が上昇
・米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向は?
・原油価格が一段と上昇するか

(欧米市場レビュー)

19日、欧米時間の外為市場ではカナダドルが堅調に推移。一時カナダドル/円は112.474円へと上昇し、米ドル/カナダドルは1.40698カナダドルへと下落。カナダドル/円は9月24日以来の高値をつけ、米ドル/カナダドルは9月23日以来の安値を記録しました。カナダの9月CPI(消費者物価指数)は市場予想を下回ったものの、BOC(カナダ中銀)のマックレム総裁のタカ派的な発言や四半期調査を受けて同中銀による利上げ観測が強まったことが、カナダドルを押し上げました。

マックレム総裁は17日、原油と石油製品の価格の高止まりによって、28日に公表する金融政策報告では「インフレ見通しを大幅に引き上げる見込みだ」と述べました。BOCは前回7月の金融政策報告で、カナダの26年のインフレ率(CPI上昇率)は2.5%、27年は2.0%、28年は2.1%との見通しを示しました。

マックレム総裁はまた、「インフレが幅広い分野に波及して長期化するリスクが高まっている」と指摘し、「必要に応じて金融政策を調整する用意がある」と表明。「我々が自らに問いかけるのは、インフレ率が(利上げをしなくても)自然に目標へと向かって低下していくことが見込めるのか、それともインフレの軌道に影響を与えるために利上げを行う必要があるのかという点だ」と語りました。

BOCは19日、国内企業や消費者を対象にした四半期調査をそれぞれ公表。消費者の5年先のインフレ期待は前回調査の3.39%から3.91%へと上昇しました。また、国内企業の約半数が今後、中東での紛争や関税引き上げに関連するコスト増の一部または全てを顧客に転嫁する計画だと回答しました。調査は国内企業対象が8月6日から9月2日に、消費者対象が8月5日から27日に実施されました。

BOCの次回会合は10月28日。OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、市場はその会合で利上げが行われる確率を約8割織り込んでいます(日本時間本日08:30時点)。

米ドルも堅調。一時米ドル/円は158.507円、米ドル/シンガポールドルは1.27993シンガポールドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.11859ドル、英ポンド/米ドルは1.32991ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが、米ドルの支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向に注目です。米長期金利は10月7日に一時5.36%へと上昇した後に低下傾向となり、15日には5.03%をつける場面がありました。

その後反発し、19日は5.14%で取引を終えました。米長期金利がさらに反発すれば、米ドル/円や米ドル/シンガポールドルは堅調に推移し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは軟調に推移しそうです。

米ドル/カナダドルに関しては、上述(欧米市場レビュー)のBOCのマックレム総裁の発言や四半期調査の内容が引き続き市場で意識されれば、上値が重くなる可能性があります。

***

原油価格の動向にも注目です。WTI原油先物の中心限月11月物は19日、前営業日比2.25ドル高(2.2%)の1バレル=103.66ドルで取引を終了。一時104.18ドルへと上昇し、中心限月として9月中旬以来約1カ月ぶりの高値をつけました。ロイターは19日、「イエメンの親イラン武装組織フーシ派がサウジアラビアのエネルギー関連施設や空港、軍事施設を標的に複数の攻撃を実施した」と報道。中東情勢が一段と緊迫し、中東からの原油供給に支障が生じるとの懸念が、WTI原油先物の上昇要因となりました。

中東情勢の展開次第では、原油価格は一段と上昇しそう。その場合、ノルウェークローネやカナダドル、メキシコペソが堅調に推移する可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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