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米CPIは上振れ、ベージュブックは弱め、長期金利は上へ往って来い!

2026/10/15 08:24

【ポイント】
・9月CPIは、総合、コアともに上振れ
・ベージュブックは景気減速を示唆も、根強いインフレ圧力を指摘
・長期金利は大きく上昇も、株安を受けて低下
・16日にウォーシュFRB議長はIMFトップと対談

米国の9月CPIは市場予想に比べて上振れ。インフレ圧力が依然として根強いことを示しました。ベージュブック(地区連銀経済報告)はやや弱めだったものの、FRBの利上げ観測は高まりました。市場では、26年末までの利上げが確実視されるうえ、10-12月に連続利上げとの見方も浮上しました。長期金利(10年物国債利回り)はCPIを受けて大きく上昇しましたが、株価の下落が進んだことで切り返し、前日終値より下げて引けました。米ドルはほぼ全面高、対円では上下したものの結果的に横ばいでした。

米長期金利

OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、14日時点で10月27-28日のFOMCで0.25%の利上げが決定される確率を市場は3割強織り込んでいます。先週9日時点では2割弱でした。また、14日時点で26年末までに0.25%×1.21回の利上げが織り込まれており、9日時点の同0.98回から増えました。

本日15日に発表される9月の小売売上高やPPI(生産者物価指数)、その後の経済指標で市場のメインシナリオ(確率5割超)が「10月FOMCで0.25%利上げ」へと変化するか大いに注目でしょう。

FRBは27-28日のFOMCに先立って、金融政策に関するメッセージを発しない「ブラックアウト期間」に17日から入ります。直前、16日にはウォーシュFRB議長がバンコクでゲオルギエワIMF専務理事と対談します。議長は金融政策について何か語るでしょうか。

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CPIは総合、コアとも伸びが高まった
9月CPIは、総合が前年比3.7%と前月(3.4%)から伸びが高まり、市場予想(3.6%)も上回りました。食料とエネルギーを除くコアが同2.6%と、こちらも前月(2.4%)から伸びが高まり、市場予想(2.5%)を上回りました。

CPI

ベージュブックは景気減速を示唆
10月5日までの1カ月半をカバーしたベージュブック(地区連銀経済報告)によれば、全12地区のうち、2地区が経済活動の「緩やかな」拡大を、3地区が「わずかな」拡大を、4地区が「ほんの少しの」拡大、残り3地区が「ほぼ変化なし」を報告しました。前回は10地区で「緩やか、ないし少しの」拡大で、2地区で「ほぼ変化なし」でした。

ベージュブック
 出所:FRB資料

製造業が比較的堅調である一方で、その他の部門は総じて軟調。ほとんどの地区で個人消費は「ほぼ変化なし」で、自動車販売は(報告のあった6地区のうち5地区で)横ばいかやや減少でした。個人消費は富裕層に支えられており、小売売上高が堅調としたダラス地区でさえ、低所得層は以前に増して消費に慎重だとのことでした。ほとんどの地区で、企業は先行きにポジティブな見通しでしたが、製造業頼みの部分が大きく、長引く不透明感が重石になっていました。

ほとんどの地区で雇用の水準はほぼ変化なし。8地区で少しの増加で、残り4地区で変化なしでした。5地区では、自然減による雇用減少、採用の遅延、AI投資への期待からの採用計画の下方修正などが報告されました。賃金の上昇は緩やかでしたが、インフレ対応での賃上げ要求や福利厚生費の増加などが報告されました。

3地区で物価の上昇が速いと報告され、緩やかと回答した8地区のうち3地区で投入コストの上昇圧力が高まっていると報告されました。また、4地区が値上がりの速度が前回より高まったと報告しました。全地区で原油高が波及しており、複数の地区で、その他のコモディティ・関税・保険などもインフレ圧力になっていました。小売店は利ザヤの確保のために様々に工夫しているとのこと。数地区では、企業がエネルギー価格や関税の不透明感を指摘しつつ、契約更改・更新などのタイミング到来で一段の物価高を予想しました。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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