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IMF・世銀総会やG20で為替相場に動意?

2026/10/13 12:10

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【今週のポイント】
・膠着する米ドル/円、IMF・世銀総会やG20で方向感は出るか
・MAS(シンガポール通貨庁)はシンガポールドルを高め誘導するか
・豪雇用統計でRBAによる追加利上げ観測が強まるか

今週は12日から18日まで、IMF・世銀総会がタイ・バンコクで開催。その流れで、15日にG20財務相・中央銀行総裁会議もバンコクで開催されます。IMFのトップ、ギオルギエワ専務理事によれば、今回は、従来型の新興国の経済発展や財政問題以上に、先進国の債務問題やエネルギー問題、さらにはAIブームとその危険性などが議論される模様です。

フランス、英国、米国、日本など先進国の長期金利(10年物国債利回り)が大きく上昇しています。そのことが利払い負担の増大を通じて先進国の財政状況を一段と悪化させ、さらには世界の金利全般に上昇圧力を加えているとの懸念があります。ドイツと、財政や政治への懸念が高まっているフランスとの長期金利差は12日に142bp(1bp=0.01%)と、欧州債務危機のさなかだった12年5月以来の高値を更新しました。

今週の主要経済指標・イベント

主要中央銀行の利上げ観測はやや後退しています。目先の会合で利上げが予想されているのは、9月に政策金利を据え置いたBOE(英中銀)ぐらい。日銀、米FRB、ECB(欧州中銀)は10月の会合で据え置きが予想されています。

10月CPI(消費者物価指数)、PPI(生産者物価指数)、小売売上高、ベージュブック(地区連銀経済報告)などの米経済指標の発表があります。FRBの金融政策に関する市場予想の変化には要注意でしょう。

米国の7-9月期決算の発表が本格化します。先陣を切る形で、13日に、ゴールドマンサックス、JPモルガン、シティグループなど、14日にバンクオブアメリカ、モルガンスタンレーなどの大手金融機関が決算を発表します。株価の動向は、投資家心理のリスクオン/オフを通じて為替相場に影響を与える可能性があります。<西田>

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今週の米ドル/カナダドルや豪ドル/米ドル、NZドル/米ドルは、米国のCPIやPPIなどの結果を受け、FRBの追加利上げ観測がどうなるのかに影響を受けやすいと考えられます。追加利上げ観測が強まるようなら、米ドル/カナダドルには上昇圧力が、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルには下落圧力が加わりそうです。

15日には豪州の9月雇用統計が発表されます。その結果を受けてRBA(豪中銀)の先行きの金融政策に関する市場の見方がどのように変化するのか注目です。

中東からの原油供給への懸念から原油価格が反発しています。WTI原油先物価格は12日、一時94.36ドルと9月29日以来の高値をつけました。原油価格が一段と上昇すれば、ノルウェークローネやカナダドル、メキシコペソにとってのプラス材料になりそうです。

米ドル/円が上昇を続ける場合、本邦当局の対応が注目されます。本邦当局による為替介入、あるいはその準備ともされるレートチェックがあれば、米ドル/円が大きく下落して、豪ドル/円やNZドル/円などは米ドル/円に引きずられるとみられます。<八代>

今週の注目通貨ペア①:<米ドル/円 予想レンジ:154.000円~161.000円>
米ドル/円は引き続き、日米の政策金利およびその見通しの差に伴う上昇圧力と、本邦当局(+米当局?)による円安是正策に対する警戒感の綱引きとなりそうです。

10月の政策会合は、FRB、日銀ともに据え置きとの見方が支配的です。ただ、12日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、FRBは27年6月までに0.25%×2.9回の利上げが市場に織り込まれている一方で、日銀は同じく2.5回の利上げとなっており、その差が米ドル/円のサポート材料となっています。今週の一連の米経済指標を受けて、FRBの政策見通しがどう変化するか、要注目でしょう。

今週は、IMF・世銀総会があり、その流れでG20財務相・中央銀行総裁会議も開催されます。ベッセント米財務長官は欠席とのことですが、片山財務相や三村財務官が各国関係者と面談し、円安是正の方針に理解を得られれば、より強いメッセージを発したり、実際に為替介入を行ったりする可能性は高まるかもしれません。

なお、本邦当局が円買い介入に踏み切った7月30日の米ドル/円の高値は163円ミドル。米当局がユーロ売り円買いの介入で援護射撃した7月31日の米ドル/円の高値は161円手前でした。<西田>

今週の注目通貨ペア②:<米ドル/シンガポールドル 予想レンジ:1.26000SGドル~1.30000SGドル>
シンガポールの中央銀行にあたるMAS(シンガポール通貨庁)はS$NEER(SGドル名目実効為替レート)を政策目標としており、それが緩やかに上昇するように誘導しています。MASは3カ月に1度政策会合を開催しており、7月27日の会合ではS$NEERの上昇するペースを「ほんのわずかに」加速させることが決定されました。4月も上昇ペースを「わずかに」加速させましたが、それよりもゆっくりしたペースというイメージだったでしょう。

前回の会合以降、米ドル/シンガポールドル(以下、ドルシンガ)は下落基調でしたが、9月上旬以降は反発に転じました。米ドル実効レートも9月上旬以降にFRBの利上げ観測の高まりから上昇基調となっており、そのペースはドルシンガの上昇ペースを上回っています。つまり、MASが目標とするS$NEERは緩やかに上昇している可能性があります。もっとも、MASは足もとの原油高やAI投資ブームから生じるインフレ圧力を警戒しているものとみられ、今回の会合でも、S$NEERの上昇するペースを「ほんのわずかに」加速させることを決定する可能性はありそうです。<西田>

今週の注目通貨ペア③:<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.23000NZドル~1.25500NZドル>
豪ドル/NZドルは9月中旬以降の約1カ月間、おおむね1.23000NZドル~1.25000NZドルで上下動を繰り返しており、目先の方向感が失われているようにみえます。

今週は15日に豪州の9月雇用統計が発表されます。その結果次第では、豪ドル/NZドルは方向感が出てくる可能性もあります。NZに関しては、主要な経済指標の発表は予定されていません。

RBA(豪中銀)は前回9月28-29日の政策会合で0.25%の利上げを行うことを決定。政策金利を4.35%から4.60%へと引き上げました。RBAによる利上げは5月以来3会合ぶりで、26年に入ってから4回目。RBAは声明で、必要なら追加利上げを行うとの姿勢を改めて示しました。

市場では、RBAは次回11月3日の会合で政策金利を据え置くとの見方が優勢。OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、12日時点で市場が織り込む次回会合の確率は、据え置きが約7割、0.25%の利上げが約3割です。豪州の9月雇用統計が市場予想と比べて強い結果になれば、RBAの追加利上げ観測が強まるとともに、豪ドル/NZドルには上昇圧力が加わる可能性があります。<八代>

今週の注目通貨ペア④:<メキシコペソ/円 予想レンジ:8.400円~9.000円>
メキシコペソ/円は8.600円近辺と、25年12月以来およそ10カ月ぶりの安値圏で推移しています。メキシコペソは対米ドルでも軟調に推移しており、10月9日に25年11月以来の安値をつけました。

FRBやECBなど主要中銀が利上げ方向にあることが新興国通貨であるメキシコペソにとってのマイナス材料になっているほか、10月8日に公表されたBOM(メキシコ中銀)会合の議事要旨(9/24開催分)が、メキシコペソに対するさらなる下押し圧力となっています。

BOMは9月24日の会合で政策金利を6.50%に据え置くことを全会一致で決定しました。ただ、議事要旨によると、5人の政策メンバーのうち3人が会合で利下げについて言及したことが明らかになりました。

政策メンバーの1人は「物価の決定要因がディスインフレの過程を引き続き支えるなら、1回限りの利下げを検討し得る」と発言。別の1人は「状況が許せば、利下げの可能性を検討できる」と述べ、また別の1人は「政策金利を下方へ微調整することの妥当性について議論できる」と語りました。この3人は次回11月5日の会合以降、利下げを支持するかもしれません。

主要中銀とBOMの金融政策の方向性を踏まえると、メキシコペソ/円は引き続き上値が重い展開になりそうです。<八代>

西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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