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米ドル/円が155円台へと下落、米雇用統計に注目!

2026/09/04 09:05

【ポイント】
・ウォラー理事の発言によってFRBによる利上げ観測が後退
・米雇用統計で市場のFRB金融政策見通しがどのように変化するか
・カナダ雇用統計でBOCの利上げ観測が一段と強まるか

(欧米市場レビュー)

3日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は155.290円、米ドル/カナダドルは1.37640カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.26601シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.16357ドル、英ポンド/米ドルは1.35424ドル、豪ドル/米ドルは0.72024米ドルへと上昇しました。ウォラーFRB理事の発言によって利上げ観測が後退したことが、米ドルの重石となりました。

ウォラー理事はワシントンでの講演で、「適切な政策スタンスに関する私の判断は、(米国の)8月のインフレ率に関するデータに大きく左右されることになる」と述べ、「(インフレ率が)2%の目標に向かって引き続き進展がみられるのであれば、政策金利を現在の水準に据え置くことを支持する用意がある」と語りました。

市場では、高田審議委員やベッセント米財務長官の発言を受けて日銀の利上げペースが加速するとの観測があるほか、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が資産構成を見直す(国内債券の比率を引き上げる)との観測が浮上しています。米ドル/円に関しては、それらも下落要因になりました。

日銀の高田審議委員は2日に札幌市で開かれた金融経済懇談会後の会見で、0.25%ずつ利上げを行うということが「必ず決まっているものではない」と述べ、「局面が変わるようであれば、結果として連続利上げになるということもあり得る」と語りました。市場では高田審議委員は利上げに積極的なタカ派とされており、前回7月31日の政策会合では9人の政策委員のなかで唯一、政策金利の据え置きに反対して0.25%の利上げを行うよう提案しました。

ベッセント財務長官は8月30日に植田日銀総裁と会談しました。米財務省は9月1日に会談内容を公表し、ベッセント財務長官は植田総裁に「円の大幅な過小評価に対処するため、日本が断固とした市場・金融政策上の措置を講じることを強く支持する」と伝えたとしました。

(本日の相場見通し)

ウォラーFRB理事の上述の発言によって市場ではFRBによる利上げ観測が後退しました。CMEのFedWatchツールに基づくと、市場が織り込むFRBが次回9月15-16日のFOMC(米連邦準備制度理事会)で利上げを行う確率は、2日時点の約6割から約5割へと低下しました。

米国の8
月雇用統計
が本日発表されます(日本時間21:30)。その結果を受けて、FRBの先行きの金融政策に関する市場の見方がどのように変化するのかに注目です。

雇用統計の市場予想は、非農業部門雇用者数が前月比5.6万人増、失業率が4.1%。7月に2.3万人減だった非農業部門雇用者数は再びプラスになり、失業率は7月と同じになるとみられています。

雇用統計が市場予想と比べて弱い結果だった場合、FRBによる利上げ観測は一段と後退すると考えられます。その場合、米ドル/円や米ドル/シンガポールドルには下落圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルには上昇圧力が加わりそう。豪ドル/米ドルは、5月6日高値の0.72746米ドルが目先の上値メドです。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、7月末以来の大陰線が出現!足もとで注目すべきポイントは?]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

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米国と同時刻にカナダの8月雇用統計が発表されます。

カナダの雇用統計の市場予想は、雇用者数が前月比1.50万人増、失業率が6.4%。雇用者数は7.51万人増と高い伸びだった7月からペースは減速するものの4カ月連続で増加し、失業率は7月と同じになるとみられています。

BOC(カナダ中銀)は、前回9月2日の政策会合で政策金利を2.25%に据え置きました。BOCが政策金利を据え置いたのは7会合連続です。

前回会合のBOC声明では、これまでの「現在の政策金利(の水準)は、景気回復を持続し、インフレ率を目標の2%に戻すのに適切だ」が削除されました。マックレム総裁は会合後の会見で、「(カナダの)インフレ率は高すぎる」と述べ、「必要に応じて金融政策を調整する用意がある」と強調しました。

それらを受け、市場ではBOCは12月末までに利上げを行うとの見方が強まっています。BOCの次回会合は10月28日、次々回(年内最後)が12月9日です。カナダの雇用統計が市場予想よりも強い結果になれば、BOCによる利上げ観測が一段と強まるとともに、カナダドルにとってのプラス材料になりそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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