CPIにカナダドルが反応しそう、米国は19日に対カナダ関税を発動予定
2026/08/17 09:03
【ポイント】
・カナダCPIで市場のBOC金融政策見通しが変化するか
・トランプ政権は実際に対カナダ追加関税を発動するか
(欧米市場レビュー)
14日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は158.577円、米ドル/カナダドルは1.38627カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.27731シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.15799ドル、英ポンド/米ドルは1.35376ドル、豪ドル/米ドルは0.70903米ドルへと上昇。米ドル/カナダドルは6月3日以来の安値をつけ、ユーロ/米ドルは6月17日以来、豪ドル/米ドルは6月以来の高値を記録しました。
米国の7月小売売上高や8月ミシガン大学消費者態度指数(速報値)がいずれも市場予想を下回ったことが、米ドルに対する下押し圧力となりました。
米経済指標の結果は以下のとおり。( )は市場予想です。
・小売売上高(前月比):マイナス0.6%(プラス0.1%)
・小売売上高(自動車を除く、前月比):マイナス0.3%(プラス0.2%)
・ミシガン大学消費者態度指数:51.0(54.9)
ノルウェークローネは堅調に推移し、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時1.00783スウェーデンクローナへと上昇。原油価格が上昇したことが、ノルウェークローネにとってプラスとなりました。
WTI原油先物の中心限月9月物は前日比1.15ドル高(1.42%)の1バレル=82.40ドル、北海ブレント先物の中心限月10月物は同1.45ドル高(1.67%)の88.52ドルでそれぞれ取引を終了。UAE(アラブ首長国連邦)のアブダビ国営石油会社が13日に、ホルムズ海峡を航行していた同社の船舶2隻が攻撃を受けたと発表したことが、原油価格の上昇要因となりました。UAEはイランによる攻撃だと主張しています。
(本日の相場見通し)
7日の米国の7月雇用統計発表以降、市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ観測が後退しており、そのことが米ドルの重石となっています。
CMEのFedWatchツールに基づくと、14日時点で市場が織り込む利上げ確率は、次回9月15-16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で約33%、次々回10月27-28日までで約5割。雇用統計発表前日の6日時点の利上げ確率は、それぞれ55%と約7割でした。
米国の8月NY連銀製造業景気指数が本日発表されます(日本時間21:30)。NY連銀製造業景気指数の市場予想は11.5と、業況判断の分かれ目であるゼロは引き続き上回るものの、前月の15.6から低下するとみられています。
NY連銀製造業景気指数が市場予想を下回る結果になれば、FRBの利下げ観測が一段と強まるとともに、米ドルが軟調に推移する可能性があります。その場合の豪ドル/米ドルの上値メドとして、5月29日高値の0.71949米ドルが挙げられます。
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カナダの7月CPI(消費者物価指数)が発表されます(日本時間21:30)。その結果にカナダドルが反応しそうです。
CPIの市場予想は以下のとおり。( )は前回の実績です。
・総合(前年比):2.9%(2.8%)
・トリム値(前年比):1.8%(1.8%)
・中央値(前年比):1.9%(1.9%)
市場では、総合の上昇率は前月から高まるとみられるものの、トリム値と中央値の上昇率は前月と同じとなりBOC(カナダ中銀)のインフレ目標(1~3%)の中央値である2%を引き続き下回ると予想されています。BOCはコアインフレ率としてトリム値と中央値を注視しています。
BOCは25年11月に利下げを実施し、その後は前回7月まで6会合連続で政策金利を2.25%に据え置いています。
市場では、BOCは早ければ12月の会合で利上げを行うとの観測があります(次回9月2日と次々回10月28日の会合については政策金利の据え置きを予想)。CPIが市場予想を上回る結果になれば、利上げ観測が強まるとともに、カナダドルが堅調に推移しそうです。
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米国のトランプ政権は米東部時間19日午前0時1分(日本時間同日午後1時1分)、カナダからの輸入品の一部に50%の追加関税を発動する予定です。
トランプ政権はカナダに対する新たな追加関税について、米国産の自動車や酒類、乳製品などで差別的な扱いがあることへの対応だと説明。カナダ産の乳製品や酒類、自動車部品などが新たな関税の対象となり、これまでの追加関税では適用対象外だったUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)準拠品にも今回は適用されます。
USTR(米通商代表部)によると、新たな関税の対象となるカナダ製品は約200億米ドル相当。200億米ドルは、25年の米国の対カナダ輸入総額3820億米ドルの5.2%にあたります。
米国とカナダは貿易協議を続けており、グリアUSTR代表とカナダのルブラン対米貿易担当相はこの1週間で3回(米東部時間11日と13日、16日)会談しました。
トランプ政権が19日に実際に新たな対カナダ関税を発動するのかどうかに注目です。関税の発動が見送られた場合、カナダドルにとってのプラス材料になると考えられます。
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