米経済指標やFRB理事の講演に注目、NZ雇用統計でNZドルが軟調
2026/08/05 09:18
【ポイント】
・米経済指標やクックFRB理事の講演でFRBの利上げ観測がどのように変化するか
・原油価格が一段と下落するか、下落すればノルウェークローネなどにとってマイナス
・市場はNZの失業率の悪化を意識か
(欧米市場レビュー)
4日、欧米時間の外為市場では円が軟調に推移し、一時米ドル/円は157.943円、ユーロ/円は181.937円、英ポンド/円は212.268円、豪ドル/円は111.148円、NZドル/円は92.934円へと上昇しました。7月30日から8月3日にかけて大幅に円高が進んだこともあり、ポジション調整が主体とみられます。
日米当局は7月31日、協調して円買い介入を実施。日本は7月30日と8月3日も円買い介入を行ったとの観測が市場にはあります。円買い介入の対象通貨は日本が米ドルで、米国はユーロとみられています。
ベッセント米財務長官は4日、米CNBCのインタビューで、「米経済や米国の納税者に利益をもたらし、世界経済の安定にもつながる形で、日本を支援するために必要なことは何でも行う」と述べました。「円の著しい過小評価によって、経済問題や他の国による競争的な通貨切り下げを招くおそれがある。それは健全ではない」と指摘。円が大幅に下落すれば、他のアジア通貨にも波及する可能性があるとし、「円相場の安定は米国だけでなく、アジア地域全体にとっても非常に重要だ」と語りました。
ベッセント長官は一方で、「為替介入によって市場にシグナルを送ることはできるが、最終的に相場の流れを変えるのは政策だ」と強調。日本は介入に続いて、円を下支えするための政策を実施する必要があると付け加えました。日銀は利上げをすべきか?と問われると、予断を持つつもりはないとしつつ「植田日銀総裁は必要なことを実行すると信じている」と語り、改めて日銀による利上げを期待する姿勢を示しました。
ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは軟調に推移し、一時0.99505スウェーデンクローナと7月17日以来の安値を記録。原油価格が下落したことが、ノルウェークローネにとってマイナスとなりました。
(本日の相場見通し)
本日は、米国の7月ADP雇用統計や7月ISM非製造業景況指数が発表されます(それぞれ日本時間21:15と23:00)。それらの結果に市場が反応しそうです。
市場予想は、ADP雇用統計が前月比6.5万人増、ISM非製造業景況指数は54.5。前者は前月の9.8万人から増加ペースは鈍化するものの、後者は前月の54.0から上昇して業況判断の分かれ目である50を引き続き上回るとみられています。
FRB(米連邦準備制度理事会)のクック理事がアンカレッジで“経済見通し”について講演します(日本時間6日05:05~)。
FRBは前回7月28-29日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利を据え置くことを決定。その決定は9対3で、3人は0.25%の利上げをすることを求めて反対票を投じました。クック理事は政策金利の据え置きに賛成しました。
※7月FOMCの結果について詳しくは、7月30日の『ファンダメ・ポイント』[米FOMCは据え置き、3人が利上げ主張]をご覧ください。
市場では、FRBは次回9月15-16日のFOMCで0.25%の利上げを行うとの見方が優勢。CMEのFedWatchツールに基づくと、4日時点で市場が織り込む9月FOMCでの利上げ確率は4割強です。
ADP雇用統計やISM非製造業景況指数が市場予想を上回る、あるいはクック理事がタカ派的な発言をすれば、FRBによる利上げ観測が強まると考えられます。その場合、米ドル/円や米ドル/カナダドル、米ドル/シンガポールドルは上値を試し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルは下値を試す展開になりそう。豪ドル/米ドルの下値メドは、引き続き200日移動平均線(本日時点で0.69149米ドル)です。
***
4日に原油価格が大幅に下落し、WTI原油先物の中心限月9月物は前日比4.57ドル安(-5.7%)の1バレル=75.77ドル、北海ブレント先物の中心限月10月物は14.41ドル安(-5.3%)の79.36ドルでそれぞれ取引を終了。米国とイランの戦闘終結に向けた協議進展への期待が、原油価格に対する下押し圧力となりました。ベッセント米財務長官は4日、「ホルムズ海峡の開放について4日か5日にもイランと合意する可能性がある」と述べました。
原油価格が一段と下落するようなら、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナが軟調に推移しそう。原油価格の下落は、ノルウェークローネのほか、カナダドルやメキシコペソにとってもマイナスになると考えられます。
***
日本時間本日午前7時45分、NZの4-6月期雇用統計が発表されました。
雇用統計の結果は以下のとおり。( )は市場予想です。
・失業率:5.6%(5.4%)
・就業者数(前期比):0.5%(0.1%)
・就業者数(前年同期比):1.2%(0.7%)
・労働参加率:70.7%(70.3%)
・労働コスト指数(前期比):0.7%(0.6%)
・労働コスト指数(前年同期比):2.1%(2.0%)
失業率は前期の5.4%(5.3%から改定)から上昇(悪化)し、15年7-9月期以来およそ11年ぶりの高い水準になりました。ただ、労働参加率が市場予想に反して前期の70.4%から上昇していることを踏まえると、失業率の結果はヘッドラインが示唆するほど弱くないと考えることができそうです。就業者数や労働コスト指数はいずれも市場予想を上回りました。
NZの雇用統計発表後、NZドルが軟調に推移しています。市場では失業率の結果が強く意識されているとみられます。
※豪ドル/NZドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/NZドル、相場の力を溜め込む時間帯!]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
