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日米協調介入で「円安」阻止!? 次の一手は?

2026/08/03 06:14

【3日08:00速報】財務省が財務大臣談話を発表

7月31日に日米財務省が協調して円買い介入実施したこと、25年9月の「日米財務大臣共同声明」に基づいて最近の過度な変動や無秩序な動きに対応したこと、今後も更なる協調介入を躊躇しないこと、日本が将来的にFRBのレポ・ファシリティを利用して米ドル資金を調達する予定であること、などが明らかにされました。

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【ポイント】

・30-31日に日米共同で円安阻止策を発動!
・3日は片山財務相が日米協調での円安阻止策を説明?
・次の一手はさらなる介入か、経済政策での協調か
・【補論】円安の再開か、円高への反転か

日米共同での円安阻止!?
7月30日NY市場で、本邦当局は米ドル売り円買いの介入を行ったようです。その規模は6~9兆円とされています。その後、NY連銀が介入の準備ともされるレートチェックを行いました。また、ベッセント財務長官がメディアインタビューで、「(円相場は)著しく過小評価されている」と語るなど、本邦当局に対して援護射撃を行いました。翌31日も本邦当局による為替介入が実施されたようです。米財務省はNY連銀を通して複数の銀行に対して新たな為替介入の可能性に備えるよう伝えました。さらに、米当局がユーロ売り円買い介入を実施したとの報道もあります。

※財務省の「外国為替平衡操作の実施状況」は8月28日に「7/30~8/26実施分(特定の日付ではなく期間中の総額)」が、特定の日付と金額がわかる「7-9月分」は11月上旬に発表される模様(「4-6月分」は8月3-7日の週に発表予定) 

31日、三村財務官は「米国当局からは単なる精神的支援を超える支援を得ていると認識している」と述べました。週明け3日には、片山財務相が円安是正のために外国為替市場で日米が共同で進めている措置について説明する、あるいは日米共同声明を発表するとの報道もあります。

円買い協調介入は28年ぶり!
今回、日米協調介入が実施されたとすれば、2011年3月の東日本大震災直後に円高是正のために実施されたG7協調介入以来のことです。円買いでの協調介入は98年6月以来のこと。当時は前年に発生したアジア通貨危機の影響もあり、また日本で日債銀や長銀の破たんにつながる金融危機が本格化した場面でした。その後、同年8月にロシア危機が発生、10月には大手ヘッジファンドLTCMが破たん。円キャリートレードが急速に解消されて、米ドル/円は8月11日のピーク147.66円から10月8日には111.85円まで下落しました。

今後の展開は?
日米当局にどこまで協調する用意があるのか。3日以降の追撃介入はあるのか。両国が単に円相場の安定を望むのか、それとも(ベッセント長官の言う)「著しく過小評価されている」円の反転上昇までも目指すのか。金融政策や財政政策などの経済政策でも協調する用意があるのか。様々な疑問への答えはこれから徐々に明らかになるのかもしれません。

【補論】円安の再開か、円高への反転か
日米協調介入は一時的に円高をもたらしましたが、その持続性には疑問が残ります。日米金利差、金融政策見通しの差、日本の財政悪化懸念(悪い金利上昇)、米国の景気堅調などのファンダメンタルズは引き続き円安を示唆しています。さすがに当局の腰の入った動きをみれば、すぐに164円に向けて円安が進行するとは考えにくいでしょう。

ただし、円相場が反転して円高に向かうとすれば、以下のような状況が示現した場合でしょう。

① とにかく日本や米国その他の国が断続的に介入を続け、円売りの投機筋が音(ね)を上げる、そして円キャリートレードが大きく巻き戻されるケースです。もっとも、巨額の為替介入は日本もやりたくないでしょうし、米国からも国際社会からも容認される可能性は低そうです。

日銀が積極的な利上げ姿勢を見せるケース。植田総裁も金融政策の正常化を進める意向を鮮明にしています。ベッセント財務長官や市場からビハインド・ザ・カーブとの批判を受け続けるのは避けたいところでしょう。もっとも、日本の中立金利は概ね1.0%~2.5%と推計されており、米国よりもかなり低いとみられます。日銀が短期間で大幅な利上げを実施する、あるいはその意向を明確にするとは考えにくいところでしょう。

③ 米国の景気が急に失速して、利下げ観測が浮上するケース。4-6月期GDPは前期比年率1.5%と弱めでしたが、景気の強さをよく示す民間国内最終需要(個人消費+設備投資+住宅投資)はGDPを3.3%分押し上げました。これは少なくとも24年以降の最大寄与です。ただし、AI・半導体株に変調の兆しがみられるように、AI関連設備投資の採算性に疑念が生じています。株価が大幅に下落すれば、逆資産効果が個人消費を冷やすかもしれません。また、足もとの長期金利の上昇は個人消費や住宅投資にとってマイナスでしょう。目先的には7日発表の7月雇用統計が非常に重要かもしれません。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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