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ECB理事会、英バーナム政権、原油価格

2026/07/21 11:07

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【今週のポイント】
・23日ECB理事会でどんなメッセージが出てくるか
・英国のバーナム政権の財政政策はどうなるか
・原油価格が一段と上昇するか

先週、日経平均が16‐17日に計4,600円超下落。欧米株価も総じて軟調でした。株価の下落が一段と広がるようであれば、景気や金融政策にも影響が出るかもしれません。

今週は、日本や英国、その他の国で6月CPI(消費者物価指数)が発表されます。それらの結果を受けて各国の金融政策見通しが変化する可能性があります。23日にはECB理事会が開催されます。政策金利は据え置きとなりそうです。ただし、9月会合での利上げが有力視されており、今回の声明やラガルド総裁の記者会見でどんなメッセージが出されるでしょうか。ECBの他にも、TCMB(トルコ中銀)やSARB(南アフリカ中銀)の会合があります(後述)。翌週(7/27- )には、米FRBや日銀、英BOEの会合を控えています。

今週の主要経済指標・イベント

英国で20日にバーナム氏が首相に就任しました。財務大臣には財政規律を重んじるとされるマフムード内相の横滑りが有力視されていましたが、サプライズでヒーリー元国防相が指名されました。ヒーリー氏は6週間前に国防予算が必要水準にほど遠いとして財務省と対立して国防相を辞任していました。市場では財政収支の悪化を懸念する声があるようです。バーナム首相はどんな政策を打ち出すでしょうか。株安、債券安(金利上昇)、英ポンド安にならないか注意が必要かもしれません。<西田>

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7月8日のRBNZ(NZ中銀)の会合以降、同中銀による追加利上げ観測からNZドルが堅調に推移しています。21日に発表されたNZの4-6月期CPI(消費者物価指数)は前年比4.1%と、上昇率は1-3月期の3.1%から加速し、23年10-12月期以来の高さとなりました。市場ではRBNZによる追加利上げ観測は一段と強まる可能性があり、そのとおりになればNZドルは一段高となりそうです。

豪州の6月雇用統計が23日に発表されます。RBA(豪中銀)による利上げは打ち止めとの観測も市場にあるなか、雇用統計の結果を受けてその観測が強まるのかどうか注目です。

中東情勢が緊迫化していることを受け、原油価格が反発しています。7月2日に一時67ドル近辺をつけたWTI原油先物は、20日に85ドル台へと上昇する場面がありました。原油価格が一段と上昇すれば、ノルウェークローネやカナダドル、メキシコペソにとってプラスになりそうです。

TCMBやSARBの会合が23日にそれぞれ開催されます。市場では、TCMBは政策金利を37.00%に据え置くと予想されており、そのとおりの結果になればトルコリラに大きな反応はみられないかもしれません。一方、SARBの会合については0.25%の利上げが決定されるとの見方が優勢なものの、据え置かれるとの見方も市場にはあります。そのため、SARBの政策決定に南アフリカランドが反応しそうです。<八代>

今週の注目通貨ペア①:<米ドル/円 予想レンジ:159.000円~163.500円>
次週の米FOMCと日銀金融政策決定会合はともに政策金利の据え置きが予想されています。20日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、FOMCは9月の利上げが有力視されており、26年末までに0.25%×1.4回分の利上げが市場に織り込まれています。一方、日銀は10月の利上げの可能性が高いとみられており、26年末までに0.25%×0.9回分の利上げが織り込まれています(つまり、1回の利上げも確実ではないとの見方)。政策金利差(日銀1.00%、FRB3.50‐3.75%)に加えて金融政策見通しの差は引き続き米ドルに有利に働きそうです。

イエメンの親イラン武装組織フーシ派は20日、サウジアラビアに対して海上封鎖を実施すると発表しました。米国とイランが攻撃の応酬を続けるなか、中東情勢が一段と緊迫化すれば、安全資産としての米ドルの支援材料となるかもしれません。

米ドル/円は7月1日に162.794円と約40年ぶりの高値をつけた後、主に162.500円の手前でもみ合っています。下値が徐々に切り上がっており、三角保ち合いの様相を呈しています。162.500円を上抜けすると勢いがついても不思議ではありませんが、もっとも、その場合は本邦当局による円買いの為替介入への警戒が一段と高まりそうです。<西田>

今週の注目通貨ペア②:<ユーロ/英ポンド 予想レンジ:0.84000ポンド~0.86000ポンド>
ユーロ/英ポンドは7月1日にそれまで1年間の下限だった0.86000ポンドを割り込み、16日には一時0.84510ポンドをつけました。6月22日に支持率の低かったスターマー英首相が辞意を表明。バーナム氏の首相就任が有力視されて、政治不安が後退したことが大きかったようです。

もっとも、ユーロ/英ポンドの下落にいったん歯止めがかかる可能性があります。20日に首相に就任したバーナム氏がサプライズでヒーリー元国防相を財務大臣に指名したことで、財政規律に対するバーナム政権のコミットメントに疑念が生じるかもしれません。その場合は、株式、債券、英ポンドに下落圧力が加わりそうです。今後、バーナム政権がどのような財政政策を打ち出すか注意深く見守る必要がありそうです。

ECBの政策金利(中銀預金金利)は2.25%、英BOEの政策金利は3.75%。政策金利の差は引き続き英ポンドに有利。ただし、20日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、ECBの7月ないし9月の利上げが市場に約9割織り込まれているのに対して、同時期のBOEの利上げ確率は約6割とやや低めです。今後、両者の金融政策に関する市場予想がどう変化するかに注目です。23日のECB理事会、30日のBOEのMPC(金融政策委員会)でどんなメッセージが出されるでしょうか。<西田>

今週の注目通貨ペア③:<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.18000NZドル~1.20500NZドル>
RBA(豪中銀)とRBNZ(NZ中銀)の金融政策スタンスや、両中銀の先行きの金融政策に関する市場の見方は異なっています。豪ドル/NZドルには引き続き下押し圧力が加わりやすいと考えられます。

RBAは前回6月15-16日の会合で政策金利を4.35%に据え置くことを決定。ブロックRBA総裁は会合後の会見で、「金融政策は今後の展開に対応できる良い位置にある」と述べました。

RBNZは前回7月8日の会合で0.25%の利上げを実施し、政策金利を2.25%から2.50%へと引き上げることを決定。声明で、「インフレ率を目標中間値の2%に戻すためには、 金融緩和策のさらなる縮小が必要になる可能性が高い」とし、追加利上げを示唆しました。

両中銀の先行きの金融政策について、市場ではRBAによる利上げは打ち止めとの観測もある一方、RBNZは段階的に利上げを行う(12月末までに0.25%×2~3回)と予想されています。

豪州の6月雇用統計が23日に発表されます。それが市場予想と比べて弱い結果になれば、RBAの追加利上げ観測が後退するとともに、豪ドル/NZドルに対する下押し圧力はさらに強まる可能性があります。<八代>

今週の注目通貨ペア④:<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.39000カナダドル~1.42000カナダドル>
米ドル/カナダドルは7月20日に一時1.40025カナダドルへと下落し、6月17日以来およそ1カ月ぶりの安値をつけました。

このところ米ドル/カナダドルが軟調な主な要因として、FRBによる利上げ観測が後退して原油価格が反発したことが挙げられます。原油はカナダの主力輸出品のため、原油価格の上昇はカナダドルにとってプラスです。

米ドル/カナダドルは引き続き、FRBの先行きの金融政策に関する市場の見方がどのように変化するのか、原油価格がどうなるのかに影響を受けやすい地合いになりそう。FRBによる利上げ観測が一段と後退する、あるいは原油価格が堅調に推移すれば、米ドル/カナダドルは下値を試す展開になると考えられます。

ただし、米ホワイトハウスが20日に、カナダからの輸入品の一部に50%の追加関税を課すと発表しました。追加関税は、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の対象品目にも適用される一方、エネルギーや重要鉱物、魚類などは適用除外。8月19日に発動される予定です。米国による対カナダ追加関税が市場で意識されれば、米ドル/カナダドルを下支えする要因になるかもしれません。<八代>

西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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