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米CPIやBOC会合に注目、中東情勢を引き続き注視する必要

2026/06/10 09:10

【ポイント】
・中東情勢がどうなるか
・本邦当局の対米ドルでの円安への対応は?
・米CPIでFRBの利上げ観測が一段と強まるか
・BOC会合で先行きの金融政策についてどのようなヒントが提供されるか

(欧米市場レビュー)

9日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/カナダドルは1.39180カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.28484シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.15724ドル、英ポンド/米ドルは1.34074ドル、NZドル/米ドルは0.58424米ドルへと上昇しました。8日にイランとイスラエルの双方が攻撃を停止すると表明したことが引き続き米ドルの重石となりました。

その後、トランプ米大統領が自身のSNSに「イラン軍が昨夜、ホルムズ海峡を哨戒中のわれわれのヘリコプター1機を撃墜したとの報告を受けた。この攻撃に対応しなければならない」と投稿すると、米ドルは下げ幅を縮小しました。

米ドル/円に関しては底堅い展開となり、一時160.399円と4月30日以来の高値を更新しました。

ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時0.99244スウェーデンクローナへと下落し、5月7日以来およそ1カ月ぶりの安値を記録。原油価格が下落したことが、ノルウェークローネにとってマイナスになりました。米WTI原油先物の中心限月7月物は、前日比3.10ドル(3.4%)安の1バレル=88.20ドルで取引を終了。一時85.95ドルへと下落し、中心限月として4月17日以来の安値をつけました。

(本日の相場見通し)

引き続き中東情勢を注視する必要がありそうです。

米中央軍は9日(日本時間10日午前)、「トランプ大統領の指示により、9日午後5時(日本時間10日午前6時)にイランに対する自衛攻撃を開始した」と発表。イランが米陸軍のヘリコプターを撃墜したことへの報復措置とのこと。

イランのアラグチ外相は自身のSNSに「米国は戦場で敗北したにもかかわらず、われわれの決意を試すことを選んだ」、「われわれの強力な軍隊は、いかなる攻撃も脅威も放置しない」、「安全を望むなら、われわれの地域から撤退すべきだ」と投稿しました。

中東情勢が再び緊迫した場合、米ドル原油価格には上昇圧力が加わるとみられます。原油価格が上昇すれば、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナが堅調に推移しそうです。

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米国の5月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間21:30)。その結果が相場材料になる可能性があります。

CPIの市場予想は、総合が前年比4.2%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコアが同2.9%。総合とコアのいずれも前月(それぞれ3.8%と2.8%)から上昇率が高まるとみられています。

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は12月末までに利上げを行うとの見方が有力。CMEのFedWatchツールに基づくと、9日時点で市場が織り込む12月末までの利上げ確率は7割強です。

CPIが市場予想を上回る結果になれば、FRBの利上げ観測が一段と強まるとともに、米ドルにとってプラスになりそう。その場合、米ドル/円や米ドル/シンガポールドルは堅調に推移し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは軟調に推移するとみられます。米ドル/シンガポールドルは、3月31日高値の1.29299シンガポールドルが目先の上値メドです。

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片山財務相は9日の閣議後の会見で、対米ドルで円安が進行していることについて「常に断固たる措置をとる用意があることは変わらない」と述べ、為替介入(米ドル売り・円買い介入)も辞さない姿勢を改めて示しました。

本邦当局の対米ドルでの円安への対応に引き続き注目です。本邦当局による為替介入が再度実施される、あるいはその準備ともされるレートチェックがあれば、米ドル/円は大きく下落するとみられます。その場合にはユーロ/円や豪ドル/円などは米ドル/円に引きずられると考えられます。

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BOC(カナダ中銀)の政策会合が本日開催されます。会合の結果は日本時間22時45分に判明し、23時30分からマックレムBOC総裁が会見する予定です。

BOCは25年10月に0.25%の利下げを実施した後、前回4月まで4会合連続で政策金利を据え置きました。現在の政策金利は2.25%です。

市場では、政策金利は今回も据え置かれると予想されています。そのとおりの結果になれば、BOCの声明マックレム総裁の会見が相場材料になりそうです。

市場では、BOCは早ければ12月末までに利上げを行うとの観測もあります。声明や総裁会見で、BOCの先行きの金融政策についてどのようなヒントが提供されるのかに注目です。

5月29日に発表されたカナダの1-3月期GDP(国内総生産)は前期比年率換算マイナス0.1%と、市場予想(プラス1.5%)を大きく下振れ。カナダ経済は2四半期連続でマイナス成長となりました。

本日の会合における声明や総裁会見がハト派的な内容だった場合、BOCの利上げ観測が後退するとともに、カナダドルにとってマイナスになりそうです。

※米ドル/カナダドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ドルカナダ、米5月CPIやBOC会合結果が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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