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米ドル/円が160円近辺へと上昇、本邦当局の対応は?

2026/06/03 08:38

【ポイント】
・ADP雇用統計などでFRBの利上げ観測が一段と強まるか
・植田総裁は先行きの金融政策についてどのようなヒントを示すか
・片山財務相は“円安”について「必要に応じていつでも適切に対応する」と発言
・豪GDPでRBAの金融政策に関する市場の見方が変化するか

(欧米市場レビュー)

2日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は159.940円、米ドル/シンガポールドルは1.27989シンガポールドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.16131ドル、NZドル/米ドルは0.59140米ドルへと下落しました。米国の4月JOLTS(労働調査)で求人件数が761.8万件と、市場予想の686.5万件を上回ったことが、米ドルにとってプラスになりました。米ドル/カナダドルは、原油価格が堅調に推移するなか、1.38カナダドル台前半でのもみ合いとなりました。

※JOLTSについては、本日の『ファンダメ・ポイント』[ユーロ圏CPIと米JOLTS、いずれも強め]にて解説していますので、ご覧ください。

(本日の相場見通し)

米国とイランの戦闘終結に向けた交渉など中東情勢に引き続き目を向ける必要がありそうです。中東情勢をめぐり新たなニュースが出てくれば、市場が反応する可能性があります。

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本日は米国の5月ADP雇用統計5月ISM非製造業景況指数が発表され、ベージュブック(米地区連銀経済報告)が公表されます。それらが相場材料になりそうです。

市場予想は、ADP雇用統計が前月比12.0万人増、ISM非製造業景況指数が53.8。前者は前月(10.9万人増)から伸びが高まり、後者は前月(53.6)から上昇するとみられています。ISM非製造業景況指数は50が業況判断の分かれ目です。

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)が12月末までに利上げを行うとの観測があります。ADP雇用統計やISM非製造業景況指数の結果やベージュブックの内容を受け、市場でFRBの利上げ観測が一段と強まれば、米ドル高要因になりそう。その場合、米ドル/円や米ドル/カナダドル、米ドル/シンガポールドルは堅調に推移し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは軟調に推移すると考えられます。

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日銀の植田総裁が都内で開かれる“きさらぎ会”で最近の経済・物価情勢と金融政策運営について講演する予定です(17:30~)。日銀金融政策決定会合を6月15-16日に控え、植田総裁から先行きの金融政策についてどのようなヒントが提供されるのか注目。植田総裁は早期の追加利上げに慎重と市場が受け止めた場合、円安圧力が加わる可能性があります。

対米ドルで円安が再び進行するなか、本邦当局の対応にも引き続き注目です。片山財務相は5月29日に「ボラティリティ(変動率)というか、投機の動きというか、そういうことがあったら断固たる措置がとれる」と述べ、6月2日には「必要に応じていつでも適切に対応する」と語りました。

財務省は5月29日、外国為替平衡操作の実施状況(為替介入実績)を発表。4月28日~5月27日に総額11兆7349億円の為替介入を実施したことを明らかにしました。為替介入の詳細(具体的な実施日や売買通貨、日次の介入額)が公表されるのは8月上旬ですが、米ドル売り・円買い介入が行われたとみられます。

本邦当局による為替介入が再び行われる、あるいはその準備ともされるレートチェックがあれば、米ドル/は大きく下落しそう。その場合、ユーロ/円や豪ドル/円なども米ドル/円に引きずられると考えられます。

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豪州の1-3月期GDP(国内総生産)が発表されます(日本時間10:30)。GDPの市場予想は前期比0.4%、前年比2.6%です。

OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、市場ではRBA(豪中銀)は次回6月15-16日の政策会合で政策金利を据え置くとの見方が大勢。その後、8月・9月・11月・12月のいずれかの会合で0.25%の追加利上げを1回実施するとの見方が有力です。

GDPが市場予想を下回る結果になれば、RBAの追加利上げ観測が後退するとともに、豪ドルが軟調に推移する可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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