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イランをめぐるニュースを注視する必要がありそう

2026/05/22 09:12

【ポイント】
・米国とイランの交渉の行方
・米国の長期金利がどうなるか
・対米ドルでの円安への本邦当局の対応は?
・豪雇用統計の結果を受けてRBAの追加利上げ観測が後退

(欧米市場レビュー)

21日、欧米時間の外為市場はイランをめぐるニュースに敏感に反応しました。

ロイター通信がイラン高官の話として「イランの最高指導者モジタバ・ハメネイ師が濃縮ウランを国外に持ち出してはならないとの指示を出した」と報じました。トランプ米大統領はイランの濃縮ウラン保有を認めない考えを示しているため、両国の交渉が難航するとの見方から米ドル高へ。一時米ドル/円は159.295円、米ドル/シンガポールドルは1.28097シンガポールドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.15734ドル、英ポンド/米ドルは1.33910ドルへと下落しました。

その後、中東のメディアが「パキスタンの仲介により、米国とイランが戦闘終結に向けた最終案で一致した」と伝えると、米ドルは軟化。一時米ドル/円は158.800円近辺、米ドル/シンガポールドルは1.27700シンガポールドル近辺へと下落し、ユーロ/米ドルは1.16200ドル近辺、英ポンド/米ドルは1.34400ドル近辺へと上昇しました。

21日東京時間に豪州の4月雇用統計が発表され、市場予想と比べて弱い結果でした(*詳細は後述)。

(本日の相場見通し)

本日は引き続きイランをめぐるニュースを注視する必要がありそうです。新たなニュースにより、米国とイランの戦闘終結に向けた交渉で合意するとの期待が後退すれば、安全資産とされる米ドルが堅調に推移し、原油価格には上昇圧力が加わると考えられます。原油価格が上昇する場合、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは上値を試す展開になりそうです。

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米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向にも注目です。米長期金利は19日に一時4.68%へと上昇し、25年1月以来の高い水準をつけました(その後低下し、21日のNY市場は4.57%で終了)。

足もとの米長期金利上昇の主な要因として、原油高によるインフレへの懸念や、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ観測が強まっていることが挙げられます。米長期金利が再び上昇した場合、米ドル高要因になると考えられます。

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片山財務相は19日、対米ドルでの円安について「断固たる措置を取るときには取る」と述べ、為替介入(米ドル売り・円買い介入)を辞さないとの姿勢を示しました。円安に本邦当局がどのように対応するのか注目されます。

本邦当局が再び為替介入を実施する、あるいはその準備とされるレートチェックがあれば、米ドル/円が大きく下落して、ユーロ/円や豪ドル/円などもそれに引きずられそうです。

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米東部時間22日23時(日本時間23日午前0時)、ウォーシュ氏のFRB議長就任宣誓式がホワイトハウスで行われる予定です。

本日の『ファンダメ・ポイント』は[“ウォーシュ議長”は何をしようとするか]です。ご覧ください。

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豪州の4月雇用統計は市場予想と比べて全般的に弱い結果でした。

雇用統計の結果は以下のとおり。( )は市場予想です。
・失業率:4.5%(4.3%)
・雇用者数(前月比):1.86万人減(1.50万人増)
・労働参加率:66.7%(66.8%)

失業率は市場予想に反して前月の4.3%から上昇(悪化)し、21年11月以来4年5カ月ぶりの高い水準となりました。また、雇用者数の内訳をみると、フルタイム雇用とパートタイム雇用のいずれも前月から減少しました(それぞれ1.07万人減、0.79万人減)。

雇用統計の結果を受けて市場では、RBA(豪中銀)の追加利上げ観測が後退。OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む次回6月15-16日の会合での利上げ確率は、雇用統計発表前の約2割から約1割へと低下しました。同じくOISに基づくと、22日午前時点で市場では12月末までに0.25%の利上げが1回行われるとの見方が優勢です。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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