マネースクエア マーケット情報

ウォーシュ次期FRB議長が承認されなければ・・・

2026/04/21 08:10

【ポイント】
・ウォーシュ氏は公聴会でFRBの独立性やインフレ抑制の重要性を強調へ
・ウォーシュ氏の承認が遅れれば、パウエル理事が「臨時議長」になりそう
・ごくレアケースとして、パウエル「臨時議長」が長く続く可能性も

次期FRB議長に指名されたケヴィン・ウォーシュ元FRB理事承認公聴会が、4月21日(日本時間23:00~)に上院銀行委員会で開催されます。ただ、予定通り開催されたとしても、そこで承認される可能性は低く、したがって、最終承認のための上院本会議に提出されることもないはずです。

■4月15日付け「ウォーシュ氏の議会証言と金融政策見通し」

ウォーシュ氏の証言原稿が公開されました。ウォーシュ氏が強調するのは主に以下の点のようです。

・FRBは政治(政府や議会)から独立することが不可欠である。
・FRBはインフレを抑制することが最大の使命である。
・FRBは金融政策に専念すべき。銀行規制や財政政策、その他経済政策に関与すべきでない。

ウォーシュ氏は06年から11年までFRB理事を務めており、金融政策に精通しているはずです。また、FOMCで反対票を投じたことはないようです。ウォーシュ氏が上記のポイントを言動に反映させるのであれば、FRB議長として適任かもしれません。FRB人事の承認を凍結すると宣言している共和党ティリス議員も、パウエル議長に対する司法省の捜査を批判しているのであり、ウォーシュ氏の資質を疑問視しているわけではないようです。

司法省(≒トランプ大統領)がFRBに対する調査を終了させれば、あるいはティリス議員が賛成に回れば、ウォーシュ氏は次期議長に承認されるでしょう。ただし、現時点では両者とも折れる気配はありません。

*******
5月15日にパウエル議長の任期が満了しても、ウォーシュ氏が承認されていなければ、パウエル氏は理事として臨時議長となるようです。パウエル氏の理事としての任期は28年1月までです。トランプ大統領はパウエル氏がすぐに辞任しなければクビにすると発言していますが、それは難しそうです。

中央銀行としてのFRBの議長と、金融政策を決定する会議であるFOMCの議長は必ずしも同一人物である必要はありません。慣例としてFRB議長がFOMCの議長も務めてきましたが、正式には毎年1月のFOMCで1年間の議長を決定します。今年1月のFOMCではパウエル氏がFOMCの議長に選任されました。

ウィリアムズNY連銀総裁はFOMCの副議長でもありますが、以前のインタビューで「新しいFRB議長が誕生したら、その人物をFOMC議長に選出する」、そして「(パウエル議長の任期満了後の)6月のFOMCで新しいFRB議長が承認されていなければ、現状のままだ(パウエル氏がFOMC議長を続ける)」と述べています。

ウォーシュ次期FRB議長が承認されない状況が続いた場合・・・・前出のティリス上院議員は27年1月に辞職します。ただ、今年11月の中間選挙で民主党が上院での過半数の議席に達していれば、27年1月以降もトランプ政権が指名する次期FRB議長は承認されない(=パウエル氏が臨時議長を務め続ける)というケースもあり得ます。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ