20日午前、原油価格が急反発、米ドルは堅調
2026/04/20 09:10
【ポイント】
・イランはホルムズ海峡を17日に開放したものの、18日に再び封鎖
・イラン国営通信は「イランは米国との再協議を拒否」と報道
・トランプ大統領は合意を受け入れないならイランの発電所などを破壊すると警告
・カナダCPIで市場のBOC金融政策見通しが変化するか
(欧米市場レビュー)
17日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は157.590円、米ドル/カナダドルは1.36486カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.26649シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.18448ドル、英ポンド/米ドルは1.35948ドル、豪ドル/米ドルは0.72195米ドルへと上昇しました。
イランのアラグチ外相が「レバノンにおける停戦を受け、停戦期間中はホルムズ海峡を全ての商業船舶に完全に開放する」と自身のSNSに投稿。米国のトランプ大統領は自身のSNSに「イランはホルムズ海峡を今後二度と封鎖しないことで合意した」と投稿しました。それらを受けてリスクオフ(リスク回避)が後退し、そのことが安全資産とされる米ドルにとっての重石となりました。
その後、米ドルは持ち直しました。米ドル/円は158.600円近辺、米ドル/シンガポールドルは1.27000シンガポールドル近辺へと下げ幅を縮小し、ユーロ/米ドルは1.17600ドル近辺、英ポンド/米ドルは1.35200ドル近辺、豪ドル/米ドルは0.71700米ドル近辺へと上げ幅を縮小しました。
ノルウェークローネやメキシコペソも軟調。一時ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは0.97092スウェーデンクローナ、メキシコペソ/円は9.139円へと下落しました。アラグチ外相やトランプ大統領の投稿を受けて原油価格が急落したことが、ノルウェークローネやメキシコペソに対する下押し圧力となりました。
米WTI原油先物の中心限月5月物は、前日比10.84ドル安(-11.4%)の1バレル=83.85ドルで取引を終了。一時80.56ドルへと下落し、3月10日以来の安値をつけました。
(本日の相場見通し)
米国とイランの緊張が再び高まっています。
イランの革命防衛隊は18日、「ホルムズ海峡を再び封鎖した」と表明。「ホルムズ海峡に接近する船舶は敵の協力者とみなし、攻撃対象になる」としました。革命防衛隊は海峡を再び封鎖した理由として、米国が停戦合意に違反してイランの船舶や港湾に対する海上封鎖措置を解除しなかったためと説明しました。
トランプ大統領は19日に自身のSNSで、米国による海上封鎖を突破してイランの港に向かおうとしたイラン船籍の貨物船を米海軍が拿捕したと発表しました。また、イランが18日にホルムズ海峡付近で英仏の船舶を銃撃したとし、「停戦合意の完全な違反だ」と非難。「イランが合意を受け入れないなら、イラン国内の全ての発電所や橋を破壊する」と投稿しました。
国営イラン通信は19日、イランは米国との再協議を拒否したと報じました。
それを受けて米WTI原油先物は日本時間20日午前の時間外取引で急伸し、中心限月5月物は一時91.20ドル前半をつけました(日本時間08:30時点)。原油高に支えられて、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは0.98スウェーデンクローナ近辺へと上昇しました。
また、米ドルが堅調に推移しており、一時米ドル/円は159円台、米ドル/シンガポールドルは1.27シンガポールドル前半へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.17ドル前半、英ポンド/米ドルは1.34ドル後半、豪ドル/米ドルは0.71米ドル前半へと下落しました。リスクオフが米ドル堅調の要因と考えられます。
イラン情勢を引き続き注視する必要がありそうです。トランプ大統領の発言やメディア報道などによってイラン情勢をめぐる懸念が一段と高まる場合、原油価格はさらに上昇し、米ドルは引き続き堅調に推移するとみられます。
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カナダの3月CPI(消費者物価指数)が発表されます(日本時間21:30)。その結果にカナダドルが反応する可能性があります。
CPIの市場予想は、総合が前年比2.5%、コアインフレ率の中央値とトリム値がいずれも同2.3%。原油高の影響によって総合の上昇率は前月の1.8%から高まる一方で、中央値とトリム値は前月と同じになるとみられています。BOC(カナダ中銀)のインフレ目標レンジは1~3%(中間値は2%)です。
BOCは25年12月・26年1月・3月と3会合連続で政策金利を2.25%に据え置きました。前回3月会合の声明では、先行きの金融政策について「必要に応じて対応する用意がある」と表明。マックレム総裁は会合後の会見で、「エネルギー価格の高騰が持続的なインフレにつながる兆候がみられるようなら、利上げを行う」と述べました。
OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、市場ではBOCは早ければ10月の会合で利上げを行うとの見方が優勢です。
本日発表のCPIが市場予想を上回る結果になれば、BOCによる利上げ観測が強まる可能性があります。その場合、カナダドルにとってプラスになりそうです。
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