米FOMC議事録:利上げと利下げの両にらみ!?
2026/04/09 08:39
【ポイント】
・中東情勢も絡んで不透明感が強く、状況を見守るのが適切と判断
・インフレの上振れリスクと景気の下振れリスクの双方が高まった
・先行きについて声明文に利下げと利上げの両面併記すべきとの声も
FOMC議事録(3/17-18開催分)では、中東情勢の不透明感から景気下押しリスクとインフレ高騰のリスクが増大と判断。イラン戦争が終わって原油価格が下落すればいずれ利下げが可能になるとされたものの、原油高が長期化すれば利上げが必要になるとの指摘もありました。
米国とイランの停戦合意によりWTI原油価格は直前の1バレル=110ドル台から一時91ドルまで急落、その後は97ドル近辺で推移しています(日本時間9日08:30現在)。前回FOMCがあった3月18日のWTI原油価格(終値)は96.32ドル。したがって、現在もFOMCが懸念した「原油高」が続いていることになります。
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3月17-18日開催の米FOMCは政策金利の据え置きを決定。票決は11対1で、ミラン理事が0.25%の利下げを主張して反対票を投じました。
議事録には「中東」が21回、「原油価格」が10回出てきます。前回1月の議事録ではいずれも0回でした。
金融政策の判断について
経済見通しの不透明性がもともと高いうえに、中東での紛争が追加的な不透明性となっている。ほとんどの参加者は政策金利が中立水準とみなせるレンジにあるとみていた。そして、大部分の参加者は、中東情勢が米経済に与える影響を知るには時期尚早であり、状況を監視して金融政策への示唆を検討する慎重姿勢が重要だと考えた。
金融政策の先行きについて
参加者は、経済の不透明感が強いために、金融政策を状況に応じて臨機応変に調節するのが重要だと考えた。多くの参加者は、時間が経過すれば利下げを行うのが適切になると判断した。ただ、そのうち二人(?)は、利下げが適切になると考える時期を先延ばししていた。
数人の参加者は、先行きの政策金利に関して、声明文に(利上げと利下げの)両面併記すべき強い理由があると判断した。インフレ率が目標を上回り続けた場合に利上げが適切になる可能性があるからだ。
リスク管理の観点から
大部分の参加者は、インフレの上振れリスクと景気の下振れリスクがともに高まったと判断した。ほとんどの参加者は、中東の紛争が長期化すれば、原油価格の高騰が家計の購買力を低下させ、金融状況を引き締め、外国の経済成長を抑制することで、追加利下げを正当化させる労働市場の悪化につながる可能性があると考えた。
一方で、原油高が続けば、高インフレが長期化して利上げが必要となる可能性があると指摘する参加者も多くいた。
結局のところ、ほとんどの参加者は、現時点では時期尚早であるため、今後の状況を見守って適切な金融政策への影響を検討するのが望ましいと繰り返し指摘した。
・中東情勢も絡んで不透明感が強く、状況を見守るのが適切と判断
・インフレの上振れリスクと景気の下振れリスクの双方が高まった
・先行きについて声明文に利下げと利上げの両面併記すべきとの声も
FOMC議事録(3/17-18開催分)では、中東情勢の不透明感から景気下押しリスクとインフレ高騰のリスクが増大と判断。イラン戦争が終わって原油価格が下落すればいずれ利下げが可能になるとされたものの、原油高が長期化すれば利上げが必要になるとの指摘もありました。
米国とイランの停戦合意によりWTI原油価格は直前の1バレル=110ドル台から一時91ドルまで急落、その後は97ドル近辺で推移しています(日本時間9日08:30現在)。前回FOMCがあった3月18日のWTI原油価格(終値)は96.32ドル。したがって、現在もFOMCが懸念した「原油高」が続いていることになります。
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3月17-18日開催の米FOMCは政策金利の据え置きを決定。票決は11対1で、ミラン理事が0.25%の利下げを主張して反対票を投じました。
議事録には「中東」が21回、「原油価格」が10回出てきます。前回1月の議事録ではいずれも0回でした。
金融政策の判断について
経済見通しの不透明性がもともと高いうえに、中東での紛争が追加的な不透明性となっている。ほとんどの参加者は政策金利が中立水準とみなせるレンジにあるとみていた。そして、大部分の参加者は、中東情勢が米経済に与える影響を知るには時期尚早であり、状況を監視して金融政策への示唆を検討する慎重姿勢が重要だと考えた。
金融政策の先行きについて
参加者は、経済の不透明感が強いために、金融政策を状況に応じて臨機応変に調節するのが重要だと考えた。多くの参加者は、時間が経過すれば利下げを行うのが適切になると判断した。ただ、そのうち二人(?)は、利下げが適切になると考える時期を先延ばししていた。
数人の参加者は、先行きの政策金利に関して、声明文に(利上げと利下げの)両面併記すべき強い理由があると判断した。インフレ率が目標を上回り続けた場合に利上げが適切になる可能性があるからだ。
リスク管理の観点から
大部分の参加者は、インフレの上振れリスクと景気の下振れリスクがともに高まったと判断した。ほとんどの参加者は、中東の紛争が長期化すれば、原油価格の高騰が家計の購買力を低下させ、金融状況を引き締め、外国の経済成長を抑制することで、追加利下げを正当化させる労働市場の悪化につながる可能性があると考えた。
一方で、原油高が続けば、高インフレが長期化して利上げが必要となる可能性があると指摘する参加者も多くいた。
結局のところ、ほとんどの参加者は、現時点では時期尚早であるため、今後の状況を見守って適切な金融政策への影響を検討するのが望ましいと繰り返し指摘した。
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