トランプ米大統領のSNS投稿で米ドルや原油価格が急落
2026/03/24 09:20
【ポイント】
・トランプ大統領はイラン攻撃を5日間延期すると表明、リスクオフが後退
・米国とイランの協議をめぐり、トランプ大統領とイラン側の主張に違いあり
・イラン情勢をめぐるニュースや原油価格の動向に引き続き注目
・原油価格が高騰するなか、RBNZ総裁は当面様子見の姿勢を示す
(欧米市場レビュー)
23日、欧米時間の外為市場ではトランプ米大統領のSNS投稿で米ドルが急落。一時米ドル/円は158.019円、米ドル/シンガポールドルは1.27265シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.16339ドル、英ポンド/米ドルは1.34747ドルへと上昇しました。
トランプ大統領は米東部時間23日午前7時過ぎ(日本時間午後8時過ぎ)、自身のSNSに「米国とイランはこの2日間、両国の敵対関係の完全かつ全面的な解決に向けて非常に良好で生産的な協議を行った」とし、「イランの発電所やエネルギーインフラへの攻撃を5日間延期するように戦争省(国防総省)に指示した」と投稿。それを受けて市場ではリスクオフ(リスク回避)が後退し、そのことが安全資産とされる米ドルに対する下押し圧力となりました。
ノルウェークローネやカナダドルも軟調。一時ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは0.95255スウェーデンクローナ、カナダドル/円は115.177円へと下落しました。原油価格が下落し、それが産油国の通貨であるノルウェークローネやカナダドルの下落要因となりました。米ドル/カナダドルについては、米ドル安圧力との綱引きとなり、おおむね1.36700~1.37500カナダドルで推移しました。
米WTI原油先物の中心限月5月物は、前営業日比10.1ドル安(-10.3%)の1バレル=88.13ドルで取引を終了。トランプ大統領による上述のSNS投稿を受け、中東からの原油供給をめぐる懸念が後退したことが下押し圧力となり、一時84.37ドルまで下落する場面がありました。
(本日の相場見通し)
トランプ大統領は23日、記者団に対し「イランと極めて力強い協議を行っている」とし、「両国は主要な点で合意した」と述べました。イランは米国と協議が行われていることを否定しており、両者の主張に違いがみられます。
本日はイラン情勢に引き続き注目です。新たなニュースによってイラン情勢をめぐる懸念が市場で再び高まれば、リスクオフ(リスク回避)が強まると考えられます。その場合、安全資産とされる米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドル、米ドル/シンガポールドルは上値を試し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になりそう。米ドル/シンガポールドルは、200日移動平均線(本日時点で1.28489シンガポールドル)が上値メドです。
原油価格の動向にも目を向ける必要がありそうです。イラン情勢をめぐる懸念が再び高まるなどして原油価格が上昇すれば、ノルウェークローネやカナダドル、メキシコペソなど産油国の通貨にとってプラスになるとみられます。
※ノルウェークローネ/スウェーデンクローナのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ノックセック、原油価格の下落もあり急反落!目先の注目ポイントは?]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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RBNZ(NZ中銀)のブレマン総裁は本日オークランドで講演し、中東での紛争の影響によって原油価格が高騰するなか、RBNZは当面様子見の姿勢をとることを示唆しました。
ブレマン総裁は講演で、「短期的にNZの総合インフレ率(総合CPI上昇率)は上昇し、経済成長の勢いは若干弱まる可能性が高い」との認識を示しました。
ブレマン総裁は「短期間の混乱に対応して金融政策を引き締めれば、短期のインフレ率を実質的に改善することはなく、成長を抑制するだけだ」と指摘。「中期的なインフレの動向に影響を与える可能性が低いのであれば、短期間の混乱やエネルギー価格の一時的な上昇は、金融政策の観点からは見過ごすことができる」と述べました。
また、「(現在2.25%のRBNZの)政策金利は良い位置にあり、必要に応じて引き上げることも引き下げることもできる」とし、「(次の一手は)利上げと利下げのいずれも排除しない」と述べました。「最も重要なことは、インフレ率の一時的な急上昇が持続的なインフレ圧力へと発展しないようにすることだ」と強調し、「(エネルギー価格の上昇などが)中期的なインフレやインフレ期待に影響を与える場合、これらの二次的な影響を防ぐために利上げが適切になる可能性がある」と語りました。
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