マネースクエア マーケット情報

副総裁の発言でRBAの追加利上げ観測が高まる

2026/03/11 08:57

【ポイント】
・RBA(豪中銀)副総裁は来週の会合で追加利上げが議論されるとの見通しを示す
・原油価格の動向に引き続き目を向ける必要がありそう
・米CPIで市場のFRB金融政策見通しがどのように変化するか

(欧米市場レビュー)

10日、欧米時間の外為市場では豪ドルが堅調に推移し、一時豪ドル/円は112.799円、豪ドル/米ドルは0.71627米ドル、豪ドル/NZドルは1.20171NZドルへと上昇。豪ドル/円は1990年10月以来およそ36年ぶり、豪ドル/米ドルは22年6月以来およそ4年ぶり、豪ドル/NZドルは13年6月以来およそ13年ぶりの高値をつけました。

RBA(豪中銀)のハウザー副総裁のタカ派的な発言(*詳細は後述)を受けて、来週(16-17日)の政策会合での追加利上げ観測が市場で高まったことが、豪ドルの上昇要因となりました。OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む来週のRBA会合での利上げ確率は、ハウザー副総裁の発言が伝わる前の約3割から6割強へと上昇しました。

※豪ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/円、“美しい”チャート形状が示現中!押し目買いが奏功しそう]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

(本日の相場見通し)

原油価格の変動が引き続き大きくなっています。WTI原油先物の中心限月4月物は10日、前日比11.32ドル安(-11.9%)の1バレル=83.45ドルで取引を終えました。以下のことを受けて原油の供給をめぐる懸念が後退したことが下押し圧力となり、WTI原油先物は一時76.73ドルへと下落する場面がありました。

トランプ米大統領は米東部時間9日、イランに対する軍事作戦について「間もなく終わるだろう」と発言。10日に開かれたG7エネルギー相会合では「石油備蓄の放出を含め必要な措置を講じる用意がある」との共同声明を採択しました。米エネルギー省のライト長官は10日、Xに「米海軍はホルムズ海峡を通過する石油タンカーの護衛に成功した」と投稿しました(ただしその後、ライト長官はこの投稿を削除)。

本日も引き続き原油価格の動向に目を向ける必要がありそう。原油価格が一段と下落する場合、ノルウェークローネカナダドルなど産油国の通貨が軟調に推移すると考えられます。

***

米国の2月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間21:30)。その結果が相場材料になる可能性があります。

CPIの市場予想は以下のとおり。( )は前月の実績です。
・総合(前月比):0.3%(0.2%)
・総合(前年比):2.4%(2.4%)
・コア(前月比):0.2%(0.3%)
・コア(前年比):2.5%(2.5%)

足もとの原油価格上昇を受けて市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)による追加利下げ観測が後退。CMEのFedWatchツールに基づくと、10日時点で市場が織り込む利下げ確率は、3月17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で約1%、4月28-29日までで約14%、6月16-17日までで約4割、7月28-29日までで5割強です。

本日発表のCPIが市場予想を上回る結果になれば、FRBの追加利下げ観測が後退するとともに、米ドルにとってのプラス材料になりそうです。

*******

RBA(豪中銀)のハウザー副総裁は10日、ニュースメディア、“ザ・カンバセーション”のインタビューで、「(豪州の)最近のデータは、経済の余剰生産能力が限られていることをさらに決定的に裏付けた」、「豪州経済は多くの点で良好な状態にある」との認識を示しました。

また、「原油価格の上昇はRBAのインフレ予測(※)に対する明らかな上振れリスクであり、インフレ率は予測よりも高くなる可能性がある」と述べました。ただ、まだ流動的な状況だともしました。

(※)RBAは2月3日に公表した金融政策報告の中で、豪州の総合CPI(消費者物価指数)上昇率は26年6月に前年比4.2%になると予測しました(CPIトリム平均値の上昇率は同3.7%と予測)。

ハウザー副総裁は「インフレ率は高すぎる」と指摘。政策対応は(原油価格の上昇などが及ぼす)価格ショックの規模と持続性次第であり不確実性は高いとしつつ、「来週の理事会では非常に真摯な議論が行われて、(政策金利の据え置きと利上げ)両方の議論がされるだろう」と述べました。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ