マネースクエア マーケット情報

トランプ関税をめぐるニュースで米ドル/円などが下落

2026/01/19 09:00

【ポイント】
・片山財務相は“円安”けん制のトーンを強める
・トランプ米大統領は欧州8カ国への追加関税を表明
EUは対抗措置を検討との報道
・カナダCPIBOCの利下げ打ち止め観測が一段と高まるか

(欧米市場レビュー)

16日、欧米時間の外為市場ではが堅調に推移。一時米ドル/円は157.821円、ユーロ/円は183.195円、英ポンド/円は211.375円、豪ドル/円は105.491円へと下落しました。片山財務相は“円安”をけん制するトーンを強めたと市場は受け止めて、円の支援材料となりました。

片山財務相は閣議後の会見で足もとの円安について「(12日の)ベッセント米財務長官との会談では、ファンダメンタルズを反映しない動きで行き過ぎだという認識を共有した」と述べました。25年9月の日米合意の中には為替介入に関する記載があるとし、「あらゆる手段を含めて断固たる措置をとると再三言っている」と語りました。

米ドルも対円を除いて底堅い展開。一時米ドル/カナダドルは1.39240カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.15841ドル、英ポンド/米ドルは1.33670ドルへと下落しました。トランプ大統領が「ハセットNEC(米国家経済会議)委員長は今の職にとどまってほしい」と述べたことが、米ドルの支援材料となりました。市場では、ハセット委員長がFRB議長になればトランプ大統領の意向に沿って積極的に利下げを行うのでは?との観測があります。

(本日の相場見通し)

トランプ米大統領は17日、欧州の8カ国(※)からの輸入品に10%の追加関税を2月1日から課すと表明しました。さらに追加関税の税率は6月1日に25%へと引き上げて、デンマーク自治領グリーンランドの全面的かつ完全な買収の合意に達するまで継続するとしました。

(※)デンマーク、英国、ドイツ、フランス、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド

EU(欧州連合)は対抗措置の検討に入ったとの報道があり、臨時のEU首脳会議が22日に開かれるとの報道もあります。

本日19日午前の外為市場では米ドル/円やユーロ/円、豪ドル/円など対円の通貨ペアが総じて下落しています。トランプ大統領が欧州に追加関税を課すと表明したことを受け、リスクオフ(リスク回避)が強まっていることが、円の支援材料になっていると考えられます。

トランプ政権による欧州に対する追加関税や、それへの欧州の対応に関するニュースに引き続き注目です。米国と欧州の貿易摩擦への懸念が一段と強まる場合、対円の通貨ペアへの下押し圧力はさらに強まる可能性があります。

***

カナダの25年12月CPI(消費者物価指数)が発表されます(日本時間22:30)。その結果にカナダドルが反応しそうです。

CPIの市場予想は、総合が前年比2.2%、トリム値と中央値が前年比2.7%。総合の上昇率は前月と同じとなり、トリム値と中央値はいずれも前月の2.8%から上昇率がやや鈍化するとみられています。BOC(カナダ中銀)の目標レンジは1~3%です。

BOCは前回25年12月の会合で政策金利を2.25%に据え置くとともに、「現在の政策金利は、経済を支えつつインフレ率を2%近辺に維持するのに、ほぼ適切な水準だ」との認識を示しました。市場では、BOCによる利下げサイクルは終了し、次の動きは利上げになると予想されています。

CPIが市場予想を上回る結果になれば、その見方が一段と高まるとともに、カナダドルにとってのプラス材料になりそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ