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円安が進行、ユーロ/円は史上最高値、英ポンド/円は約17年ぶり高値

2025/12/22 08:45

【ポイント】
・本邦当局による“円安”けん制のトーンが一段と強まるか

(欧米市場レビュー)

19日、欧米時間の外為市場ではが全面安の展開でした。一時米ドル/円は157.740円、ユーロ/円は184.714円、英ポンド/円は210.998円、豪ドル/円は104.249円、メキシコペソ/円は8.729円へと上昇。ユーロ/円は99年1月のユーロ導入後の最高値をつけ、英ポンド/円は08年8月以来およそ17年ぶり、メキシコペソ/円は24年7月以来の高値を記録しました。

日銀は金融政策決定会合で0.25%の利上げを行うことを決定。政策金利を0.50%から0.75%へと引き上げました。利上げは1月以来7会合ぶりで、0.25%の利上げに9人の政策委員全員が賛成しました。日銀はまた、「経済・物価見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」との方針を改めて示しました。

円安が進行した要因として、市場では植田総裁の会合後の会見で次の利上げのタイミングについてのヒントが示されなかったためとの見方もあります。

20日の『ファンダメ・ポイント』は[日銀利上げ、円安は為替介入でしか止まらない?]です。

(本日の相場見通し)

片山財務相は19日23時すぎ(日本時間)、足もとの為替の動向について「一方的で急激な動きがこの半日、ここ数時間明らかにあるので憂慮している」、「ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましい為替の問題としては、ちょっとなあと思っている」と述べました。そのうえで「投機的な動きも含めて、行き過ぎた動きに対しては適切な対応をとっていく」と語り、“円安”をけん制しました。

“円安”に対する本邦当局の対応に引き続き注目です。片山財務相などによる円安けん制のトーンがこれまでよりも強まる場合、米ドル/がいったん下落して、ユーロ/円や豪ドル/円なども引きずられそうです。

一方、片山財務相らが円安をけん制したとしても、これまでと同じような内容ならば、市場ではそれほど意識されないと考えられます。19日の円安の流れが継続して対円の通貨ペアは堅調に推移する可能性があります。その場合、米ドル/は大台で心理的節目の160.000に向かって上昇するかもしれません。

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英国の7-9月期GDP(国内総生産)改定値が本日発表されます(日本時間16:00)。GDPの市場予想は前期比0.1%、前年比1.3%と、いずれも速報値と同じになるとみられています。GDP改定値が市場予想と異なる結果になれば、英ポンドが反応すると考えられます。

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外為市場では今週、クリスマス絡みで参加者が減少して流動性が低下すると予想されます。突発的なニュースや仕掛け的な動きが出てきた場合には、値動きが増幅する可能性があり、注意は必要です。


「『大予想』 2026年の為替・株」が公開されています。ぜひご覧ください。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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