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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※12月19日更新

2025/12/19 08:56

宮田レポート(短期アップデート) 251219_miyata.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 46,000~52,500円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 47,000~50,000ドル
            (S&P500) 6500~7000
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 23,500~26,200
                                   (ナスダック総合) 21,500~24,000
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 140.000~158.500円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
今年4月7日安値(30,792.74円)以来およそ7カ月間にわたって続いたインターミディエイト級第(5)波の上昇は、52,636円(11/4)を以て終了したとみられます。それと同時に、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)から5年8カ月にわたるプライマリー第➂波も終了したと思われます。

いまはプライマリー第➃波調整の初期段階に当たっており、この見方は48,235円を下回ることにより強まります。おそらく2026年2月頃(※)へ向けての弱基調が続くでしょう。

(※)週次サイクルの間隔(安値から安値)は42週程度です。これによると、現行サイクルの終了は、今年4月7週から42週程度を経過する2026年2月頃と想定できます。

プライマリー第➁波は18年10月高値(24,448円)から20年3月安値(16,358円)まで、17カ月間で通算33%下げました。パターンは「ジグザグ」でした。
「オルタネーション」により、第➃波はおそらく「トライアングル」「フラット」など保ち合いパターンを、今後数年間にわたって形成する可能性があります。

➃波の下値レンジに相応しいのは、第➂波中第(4)波領域[42,426円~30,792円]です。この領域は、11月高値から33%調整後の水準(35,266円)を含みます。

[TOPIX]
しっかりの展開が続いていますが、12月15日の高値(3434)を以て、4月以来の強気トレンドは完了した可能性があります。

9月安値(3042)からの「エンディング・ダイアゴナル」は、重要な天井パターンです。12月18日には目先の注目節目(3352、12/11安値)を一時下回りました。

実際足元の25日MA水準が偶々3352であり、節目としての注目度はより高いとみられます。終値で25日MAを下回ることが、下落トレンド開始の合図とみてよさそうです。

ひとたび下向きにトレンドが転換すれば、その時点から1カ月~3カ月の内に3042(ダイアゴナル始点)へ下落する展開になっておかしくないでしょう。


[日経平均]
12月18日は一時48,643円まで下げ、48,235円(11/19安値)が視野に入ってきました。

足元の下落は、(iii)-iii波(サード・オブ・サード)の可能性がありますが、そうであれば日経平均は年内にも48,235円を下回るでしょう。この場合、10月初旬のギャップ[45,778円~46,544円]を早々に埋めに行く展開となるでしょう。

[予想PER別の日経平均水準]
12月18日の日経平均予想PERは18.69倍、予想EPSは2621円です。過去最高の予想EPSは2694円(11/20)です。



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ 日足エリオット波動分析】 
12月12日のNYダウ最高値(48,886ドル)は、10月29日に最高値を付けたS&P500、ナスダック100からは確認されていません。。このような「未確認」は、強気相場終了を先取りする現象として注目に値します。

45,728ドル(11/20安値)からの上昇は、4月以来の上昇第(5)波における最終波・第5波とカウントされます。まだ上昇が続くなら、5万ドルを試すこともありそうです。第1波と第5波が同じ長さになる水準は[49,895ドル]です。

一方、47,462ドル(12/10安値)を下回ると上昇トレンドの変調が示唆されるでしょう。
さらに11月25日-26日のギャップ[47,182ドル-47,196ドル]を下回ると、強気相場終了が合図されます。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
6920(10/29高値)を以て強気相場は終了した可能性があります。
6521(11/21安値)はヘッド・アンド・ショルダーズのネックラインであり、それを割るとリスクオフ局面が本格化しそうです。この場合、当面は200日MA(6236)への下値試しがありそうです。

一方6920を上回ると、6521を起点に第(5)波-第5波による上昇に入った、という風に波動カウントを改めます。それを以て強気相場は終了することになります。

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[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇はインターミディエイト級第(5)波の上昇に相当し、それは26,182(10/29高値)を以て終わったかもしれません。インターミディエイト級第(5)波の完了は、2002年10月底を起点とするプライマリー級の5波動(➀波~➄波)の完了も意味します。
調整局面が始まったのであれば、それは今後おそらく数年間続く、長く大きなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中B波であり、遠からずC波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されますが、それでも高値からの下げ率は20%~30%クラスになると思われます。


【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
22,673(8/1安値)からのマイナー級第5波は26,182(10/29高値)で完成した可能性が高い、とみています。引き続き本格的なリスクオフ局面(弱気相場)への備えが必要です。

26,182からの下落におけるマルii波「(エクスパンディッド)フラット」は、25,835(12/11高値)を以て終わったかもしれません。この見方が正しければ、目先的にも23,854を下回る急落が起きておかしくないでしょう。

ひとたび本格的なリスクオフ局面に入れば、[22,499~20,224]を目指し下落するでしょう。このレンジは、4月からの上昇に対し38.2%~61.8%押しです。

オルタナティブ・カウントは、23,854(11/21安値)から第5波による上昇が進行中というものです。この場合、ナスダック100はもう一度、最高値を更新するチャンスがあります。その動きを以て、4月からのラリーは完成することになるでしょう。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
16年半サイクルによれば、米ドル/円(ドル/円)は2028年4月頃まで「円高の時間帯」が続きます。この時間帯においてドル/円の上値は抑えられるでしょう。筆者は28年4月頃までのどこかの時点で、1ドル=125円~120円へのドル安・円高になる可能性をみています。

11月は157.849円まで上昇しましたが、この動きによりドル/円は長期チャネル上限に達し、併せて昨年の円買い介入ゾーン(157円~161円)への突入をはたしました。

日米実質金利差から導かれるドル/円の水準は、現在1ドル=140円程度です(後述)。足元の日本円は金利差からみた妥当な水準よりも過小評価されています。そのような歪みはいずれ修正される(ドル安・円高方向への)可能性が高いでしょう。

ドル/円の上昇は既に限界を迎えたか、迎えつつあります。今後はドル安・円高トレンドへの転換が、いつ起きてもおかしくありません。

【週足 エリオット波動分析】 
24年9月安値(139.565円)から、第2波によるリバウンド局面とみています。この第2波は一見すると「フラット」(3-3-5)ですが、厳密には「ダブル・スリー」(ⓦ-ⓧ-ⓨ)というパターンです。

4月以来のドル高・円安ⓨ波は、既に終了したかしつつあり、まもなく第3波によるドル安・円高が始まる見込みです。

第3波の下げ幅は、第1波の下げ幅の1.618倍程度になるでしょう。この前提から、第3波の目標値として120円台前半が導かれます。

【日足 エリオット波動分析】 
第2波の内部波動構造は、ジグザグ(w)-トライアングル(x)-ジグザグ(y)です。この第2波は157.849円(11/20)を以て終わったかもしれません。

154.334円を割るとサポートラインからの下放れが確認され、次は152.811円を試すでしょう。


金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[140.132円]です。


投機筋の円買い持ち高は5週連続で縮小 (2025年12月2日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は6週ぶりに拡大。前週の21.2億ドルから29.3億ドルになりました。



[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
当初想定していたスケールより一回りは小さいですが、96.218(9/17)からのリバウンド(X)波は、100.935(11/21)を以て終了した可能性があります。この見方は、97.814(61.8%押し水準)を終値で下回ると強化されます。12月16日には一時97.869まで下げ、節目が試されています。

もしドル安トレンドが再開したのなら、当面は96.218を試す展開となるでしょう。

一方97.814を終値で維持しつつ100.935を上抜いたなら─そのハードルはかなり高くなりましたが─引き続き[101.550]「103.197」などを目指す展開となるでしょう。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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