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英中銀は次回利下げ!? ノルウェー中銀は据え置き継続か

2025/11/07 07:54

【ポイント】
・BOEは5対4で据え置きを決定。12月には利下げの可能性大か
・ノルゲバンクも据え置き。次の一手は利下げながら相当に先か
・政策金利差の変化はいずれNOK/SEKのマイナス材料に?

BOE(英中銀)は6日のMPC(金融政策委員会)で政策金利を4.00%に据え置きました。決定は5対4の僅差で、4人の委員が0.25%の利下げを主張しました。前々回8月は0.25%利下げを行っており、昨年8月から続く2会合(3カ月)ごとに0.25%利下げのペースは崩れました。ただし、次回12月には利下げが決定される可能性が高そうです。

据え置きを最終決定したベイリー総裁も追加利下げには前向きです。議事録によれば、総裁は、「インフレのリスクは低下しており、足もとではほぼ均衡している」、「政策金利は緩やかに低下方向だと考えるが、追加利下げの前にインフレが2%の目標に回帰する軌道にあることを確信する必要がある」などと述べました。

次回12月の会合までに10月と11月の2カ月分のCPIが発表されます。BOEは、CPIが9月(前年比3.8%)をピークに鈍化するとみており、その通りになれば12月会合で利下げしそうです。また、11月26日に発表される26年度予算案が財政赤字削減を重視する緊縮的なものになるならば、BOEによる利下げの背中を押すかもしれません。

6日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む12月0.25%利下げの確率は約7割。また、26年9月までに0.25%×2.3回の利下げを織り込んでいます。

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ノルゲバンク(ノルウェー中銀)は政策会合で政策金利を4.00%に据え置くことを決定。次の一手は利下げとみられますが、「今後1年の間に」としており、「今後3年間で毎年1回の利下げが適切」とする9月に公表した政策金利見通しを踏襲しました。

リクスバンク(スウェーデン中銀)は5日の会合で政策金利を1.75%に据え置きました。9月に公表された政策金利見通しでは少なくとも26年7-9月期まで1.75%となっているので、このまま利下げ打ち止めとなる可能性があります。

ノルウェーとスウェーデンの政策金利

ノルウェーとスウェーデンの政策金利差(ノルゲ>リクス)は2.25%と大きく、その点ではノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(NOK/SEK)のプラス材料です。ただし、先行きに政策金利差の縮小が鮮明となれば、いずれNOK/SEKのマイナス材料へと転換する可能性があります。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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