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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※10月24日更新

2025/10/24 09:17

宮田レポート(短期アップデート) 251024_miyata.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 40,000~50,000円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 40,000~47,200ドル
            (S&P500) 5000~6800
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 21,000~25,500
                                   (ナスダック総合) 19,000~23,500
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~154.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
今年4月7日安値(30,792.74円)からインターミディエイト級第(5)波の上昇にあり、この第(5)波完成を以て、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)からのプライマリー第➂波は完成します。

「9~10月に日経平均が4万5000円~4万9000円」という筆者の予想は十二分に達成されました。
日柄的にも、4月7日週から28週が経過しています。週次トレンドは半年程度で一巡することが珍しくありません。

21年2月以来の上チャネルライン水準 (今月4万8000円処)から上放れた強い動きは、強気相場の最終最後の局面における吹き上がり=スローオーバー(throw-over)とみられます。

今後1~2週間以内に4万8000円を下回る終値を付けるようなら、スローオーバーが改めて確認され、調整入りの可能性が高まります。

[TOPIX]
4月以来のラリー終点かを見極める局面を迎えています。
10月22日には一時3274まで上昇、最高値を更新しました。しかし今のところ、前日(10/21)に最高値を付けた日経平均と「未確認」となっています。この先3115を割ると、4月以来の上昇第(5)波の完了および、大きな調整スタートの可能性が高まります。

一方、引き続き上伸する場合は [3323]を目指すでしょう。

[3323]…20年3月安値から24年7月高値までの上昇幅、すなわち第(1)波~第(3)波のネット上昇幅と、25年4月からの第(5)波上昇幅が、「1 : 0.618」になる水準


[日経平均]
39,850円(8/4安値)以来の上昇はマイナー級・第5波です。さらに、46,910円(10/15安値)からの上昇は第5波中マルv波です。

10月21日に日経平均先物は5万円大台に一時タッチしましたが、現物はあと少し届きませんでした(高値は49,945円)。日経平均5万円は「近くて遠い」大台になるのでしょうか。

今後48,317円(10/16高値)を終値で下回ると天井打ちの可能性が高まるでしょう。

一方、5万円を超えてさらに上値を試す基調が続く場合は、[50,569円][50,745円]などが注目レベルとなります。

[予想PER別の日経平均水準]
10月23日の日経平均予想PERは18.83倍・予想EPSは2583円。
10月21日には過去最高の予想EPS・2613円を記録しています。


[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ日足 エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの上昇は、プライマリー級の第➄波です。今年4月安値からの上昇はインターミディエイト級第(5)波に当たり、それを以て第➄波は終了します。
第➄波完了後に訪れる弱気相場は、控えめにみても高値から20%安となるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「ランニング・トライアングル」におけるⓑ波とカウントされます。このシナリオでは、近々訪れるであろう下げ局面でも4月安値(36,611ドル)は維持されるでしょう。その後1~2年程度のもみ合いが続いた後に、新たな高値へ向かう展開があるでしょう。

NYダウは10月21日に一時47,125ドルと最高値を更新しました。もっともこの高値は、他の主要指数によっては確認されていません(S&P500の最高値は10月9日、ナスダック100のそれは10日)。これら主要指数間の「未確認」は米国株相場が重要な転換点を迎えたことを示唆しています。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
今年5月安値(5767)からの上昇第5波は延長し、第5波中マルv波も延長を起こしています(5th wave extension of 5th wave extension)。しかし、それも最終局面とみられます。

実際、6764(10/9高値)でピークアウトの可能性もあり、足元はその是非を見極める局面です。

今後6569を終値で下回ると弱気トリガー、大きな調整入りが示唆されます。

【S&P500 長期エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
4月安値(4835) からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波に位置付けられ、それが終わると長期にわたる調整スタートとなります。それは4月安値を大きく下回ることが予想されます。


(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は、トライアングル中ⓑ波のリバウンドに位置付けられます。
近々ⓒ波の下げがスタートし、それはⓐ波(2月~4月)下げ幅に対し62%~66%の大きさ(813~866ポイント)になるでしょう。このⓒ波によりS&P500は、5400を下回る展開になりそうです。


[ダウ輸送株平均] ダウ工業株平均と長期にわたる「未確認」が続いている


[マグニフィセント7] 4月からの5波構成による上昇は完了か



[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波の上昇に相当するとみられ、それはいつ終わってもおかしくありません。この第(5)波を以て2002年10月底を起点とする、プライマリー級の5波動(➀波~➄波)による上昇トレンドはすべて完了することになります。
近いうちに調整局面が始まるとみられますが、それは数年間ターム続く、長く大きなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中B波に当たります。これはS&P500のオルタナティブ・カウントと同様であり、遠からずC波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。それでもC波の下げ幅はA波のそれに対し62%~66%となり、B波の高値からは3500~3750ポイントの下げになるでしょう。



【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
4月安値16,542からの上昇はインターミディエイト級第(5)波とみられます。
目先的には以下の二通りの見方が存在します。

ひとつは、25,195(10/10高値)を以て第(5)波が終わった、というものです。この見方ですと高値更新に失敗すると共に、おそらく急落局面が近いでしょう。24,207(10/10安値)を割ると弱気トリガーが発動し、「ダイアゴナル」の始点である[22,673]へ速やかに水準を切り下げるでしょう。

もうひとつは、24,207(10/10安値)から、マイナー級第5波中マルv波の上昇が展開している、というものです。これによると、マルv波は高値を更新し、[25,502](マルi波とマルv波が等しく上がる水準)付近を打診する可能性があります。このマルv波を以て強気相場は完了します。

いずれの波動カウントにおいても、大きな調整の開始は時間の問題といえそうです。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
16年半サイクルによれば、米ドル/円(ドル/円)は2028年4月頃まで「円高の時間帯」が続きます。この時間帯においてドル/円の上値は抑えられるでしょう。筆者は28年4月頃までのどこかの時点で、1ドル=125円~120円へのドル安・円高になる可能性をみています。

4月下旬からドル/円はじり高が続いてきましたが、それも終わったか終わりつつあります。これからはドル安・円高トレンドがいつ再開してもおかしくありません。

おそらく26年前半にもドル/円は、139円処のネックラインを明確に割り込むでしょう。
それをきっかけに、「サード・オブ・サード」の強いドル安・円高トレンドが鮮明になるでしょう。

【週足 エリオット波動分析】 
今年1月(158.825円)からは第3波によるドル安・円高に当たります。
この第3波を構成する副次波のうち、139.877円(4/22)からの上昇は、マルii波に相当します。

これまでの筆者の予想(1ドル=151円~154円を目指す展開)は135.240円(10/10)によりほぼ達成されており、ここからはマルii波完成後のマルiii波による下落(ドル安・円高)に対する備えが必要でしょう。

第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、 [122.625円]という目標値が得られます。ヘッド・アンド・ショルダーズに基づく垂直目標値は1ドル=120円割れです。

【日足 エリオット波動分析】 
4月からのマルii波によるドル高・円安「トリプル・ジグザグ(w)-(x)-(y)-(x)-(z)」は、153.240円(10/10)で─1月からの円高の76.4%戻り水準[154.353円]には少し足りませんが─終了した可能性があります。

今後149.944円をNY市場の終値で下回ると、マルii波の完了及び、マルiii波によるドル安・円高開始の可能性が高まるでしょう。そうなれば当面は200日MAの147.80円処、さらに146.575円(10/1)を試す展開となりそうです。

オルタナティブ・カウントは、149.375円(10/17)からのドル高円安は(z)-c波というものです。この見方によれば短期的にも153.240円を上回り、154円台を伺う可能性があります。それを以てマルii波は完成するでしょう。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[139.384円]です。



(おしらせ)10月1日に米政府機関が閉鎖となり、IMM通貨先物の建玉発表は停止しています。
これに伴い、発表再開までの間、建玉グラフの掲載を見合わせます。


[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
A波の最終局面(マルiv波-マルv波)とC波の最終局面は相似しており(フラクタル)、A波完了後の持続的なドル高(当時は23年7月中旬~10月上旬まで12週間のドル高でした)が、再現されようとしています。

96.218(9/17)を以て、22年高値からのジグザグ(A-B-C)は終わった可能性があります。
そうであれば、当面はC波のドル安に対する38.2%戻り水準[101.550]を目指すでしょう。

A波終了後にみられた持続的ドル高(ⓐ波)は、A波のちょうど半分を戻しました。今回も同様なら、遠からずC波の半値戻り水準[103.197]に達する可能性があります。

もっとも長期的にはドル安(Ⓑ波)基調は継続し、2026年には一段とドル安が強まるでしょう。
筆者は、ドル安Ⓑ波は短くとも2028年頃まで続くとみています。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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