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イスラエルとイランが停戦で合意、米ドルが軟調

2025/06/24 09:05

【ポイント】
・停戦合意を受けてリスクオフが後退しそう
・原油価格の下落が続く場合、ノルウェークローネは軟調に推移か
・米消費者信頼感指数でFRBの追加利下げ観測が高まるか

(欧米市場レビュー)

23日、欧米時間の外為市場では米ドルが反落。一時米ドル/円は145.998円、米ドル/カナダドルは1.37236カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.15765ドル、英ポンド/米ドルは1.35255ドルへと上昇しました。

イランは、カタールの米軍基地を標的にミサイル攻撃を行いました。21日の米軍によるイラン国内の核施設攻撃の報復とみられます。

ただ、イランの攻撃は事前に米国に通告されていたようで、トランプ米大統領は自身のSNSに「イランに感謝する。事前に通告をしてくれたことで、人命が失われることも負傷者が出ることもなかった」と投稿。それを受けて中東情勢のさらなる緊迫化への懸念が和らいでリスクオフ(リスク回避)が後退したことが、米ドルに対する下押し圧力となりました。

(本日の相場見通し)

トランプ米大統領は米東部時間23日午後(日本時間24日午前7時頃)、自身のSNSに「イスラエルとイランが12時間の完全かつ全面的な停戦で合意した。その時点で戦争は終結したと見なされる」と投稿しました。

トランプ大統領はまた、米NBCニュースでイスラエルとイランの停戦期間はどれくらいか?と問われ「永遠に続くだろう」と語りました。

一部メディアはイラン高官の話として「イランは、カタールの仲介と米国の提案によるイスラエルとの停戦に同意した」と伝えました。イスラエルのメディアは「ネタニヤフ首相はトランプ大統領との会談で、イランが攻撃を停止する限り停戦することに合意した」と報じました。

市場では中東情勢をめぐるリスクオフはさらに後退しそうです。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルには下落圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには上昇圧力が加わると考えられます。

※米ドル/カナダドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ドルカナダ、方向感を模索する相場付き]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

イスラエルとイランの停戦合意のニュースを受けて原油価格が急落しました。原油価格が下落を続ける場合、ノルウェークローネが軟調に推移しそうです。

本日の『ファンダメ・ポイント』は、[原油価格は落ち着くのか、イスラエル・イラン停戦合意で急落]です。

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米国の6月消費者信頼感指数が本日発表されます(日本時間23:00)。その結果が材料になる可能性があります。

FRB(米連邦準備制度理事会)のウォラー理事やボウマン副議長(銀行監督担当)は、7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加利下げを支持する可能性を示しました。ウォラー理事は20日に「FRBは早ければ次回FOMCで利下げを検討することが可能」との認識を示し、ボウマン副議長は23日に「インフレ圧力が抑制されたままであれば、早ければ次回FOMCで利下げを支持するだろう」と述べました。

一方で市場では、FRBは次々回9月16-17日のFOMCで0.25%の追加利下げを行うとの見方が有力です(次回7月29-30日のFOMCは政策金利の据え置きを予想)。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む利下げ確率は7月が約2割、9月までで約84%です。

消費者信頼感指数が市場予想の99.5を下回る結果になれば、FRBの追加利下げ観測が市場で高まる可能性があります。追加利下げ観測が高まれば、米ドルのマイナス材料になりそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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