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日米財務相会談についての追加ニュースは? 中東情勢には注意が必要

2025/05/21 09:04

【ポイント】
・英CPIで市場のBOE(英中銀)金融政策見通しが変化するか
・中東情勢が緊迫化する場合、リスクオフが強まる可能性も

(欧米市場レビュー)

20日、欧米時間の外為市場ではカナダドルが堅調に推移。一時米ドル/カナダドルは1.39043カナダドルへと下落し、カナダドル/円は104.146円へと上昇しました。カナダの4月CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回ったことで、BOC(カナダ中銀)の追加利下げ観測が後退し、カナダドルの支援材料となりました。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む次回6月4日のBOC会合での利下げ確率は、CPI発表前の6割強から3割程度へと低下しました。

CPIの結果は以下の通り。( )は市場予想です。
・総合(前年比):1.7%(1.6%)
・トリム平均(同):3.1%(2.9%)
・中央値(同):3.2%(2.9%)

豪ドルは軟調。一時豪ドル/米ドルは0.63895米ドル、豪ドル/円は92.456円、豪ドル/NZドルは1.08278NZドルへと下落しました。RBA(豪中銀)は0.25%の利下げを行うことを決定。これは市場予想通りの結果でサプライズはありませんでした。ただ、RBAの声明や総裁会見の内容がハト派的と市場で見なされて豪ドルに対して下押し圧力が加わりました。

※詳しくは、21日の『デイリーフラッシュ』[【PM】RBAは0.25%の利下げ決定、豪ドルが下落]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

カナダ西部のバンフでG7財務相・中央銀行総裁会議が開かれます(22日まで)。また、それにあわせて日米財務相会談が行われる見通しです。

加藤財務相は20日の閣議後の会見で、日米財務相会談の日程調整をしているとしたうえで「会談の際には為替を含めて2国間の諸問題について議論を行いたい」と述べました。

4月24日に行われた日米財務相会談では、「為替レートは市場において決定される」、「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得る」との認識が再確認されました。加藤財務相は「(今回の会談では)それをベースに引き続き議論をしていく」と語りました。

日米財務相会談の協議内容について追加のニュースが出てくるかに注目です。追加ニュースが出てきた場合、材料になりそうです。

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英国の4月CPIが本日発表されます(日本時間15:00)。この結果に英ポンドが反応する可能性があります。

CPIの市場予想は、総合が前年比3.3%、エネルギー・食料・酒・タバコを除いたコアが同3.6%。上昇率はいずれも前月(2.6%と3.4%)から高まり、BOE(英中銀)のインフレ目標である2%から一段とかい離するとみられています。

CPIが市場予想を上回る結果になれば、BOEの追加利下げ観測が後退するとともに、英ポンドが堅調に推移しそう。ユーロ/英ポンド200日移動平均線(21日時点で0.83825ポンド)割れを試す可能性があります。

本日の『ファンダメ・ポイント』は[英CPI上振れなら利下げ観測後退!? 英ポンド/米ドルは4月の高値を超えるか]です。

※英ポンド/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[英ポンド/円、下値固め模索の時間帯!英4月CPIが相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

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米CNNは20日(日本時間21日朝)、「米国が新たに入手した情報では、イスラエルがイランの核施設への攻撃を準備していることが示唆されている」と複数の米当局者の話として報じました。

中東情勢には注意が必要かもしれません。中東情勢が緊迫化すれば、供給への懸念から原油価格に対して上昇圧力が加わるとともに、リスクオフ(リスク回避)が強まる可能性があります。リスクオフが強まる場合、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円や豪ドル/円など)は上値が重くなりそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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