【PM】RBAは0.25%の利下げ決定、豪ドルが下落
2025/05/20 16:30
【ポイント】
・RBA(豪中銀)は関税が世界経済や豪経済に及ぼす悪影響を指摘
・RBA総裁は追加利下げに言及
・声明や総裁会見はハト派的な内容と市場は見なしたか
RBAは本日政策会合を開き、0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を4.10%から3.85%に引き下げました。RBAが利下げしたのは2月以来です(前回3月31日-4月1日の会合では政策金利を据え置き)。
RBAの政策会合の結果発表後に豪ドルが軟化。一時豪ドル/円は92.500円近辺、豪ドル/米ドルは0.64000近辺、豪ドル/NZドルは1.08300NZドル近辺へと下落しました。
0.25%の利下げは市場予想通りだったものの、ブロックRBA総裁の会見では追加利下げに言及されるなど声明や総裁会見の内容を市場はハト派的と見なしたようです。
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RBAは声明で今回の利下げについて「インフレ率は、(今後も)目標付近にとどまると予想されるため」と説明。「インフレ率がRBAの目標レンジ内にあり(※)、国際情勢が豪経済の重石になると予想されることから、インフレの上振れリスクが低下した」との認識を示しました。
(※)豪州の1-3月期の総合CPIは前年比2.4%、RBAがコアインフレ率として注視するCPIトリム平均値は同2.9%でした。RBAの目標レンジ(2~3%)に収まったのは、総合CPIが3四半期連続、トリム平均値が約3年ぶりです(前四半期は3.3%でした)。
声明では、トランプ政権による関税が世界経済や豪経済に及ぼす悪影響が指摘されました。
・「関税に関する(米中の)最近の発表により金融市場は反発したものの、関税の最終的な範囲や他国の対応については、まだかなりの不確実性が存在する。地政学的な不確実性も依然として顕著だ」
・「家計や企業が先行きの見通しが明らかになるまで支出を遅らせた場合、世界の経済活動に悪影響を及ぼすと予想される」
・「これらはまた、豪州の経済成長・雇用・インフレの見通しを弱める要因になっている」
声明は金融政策について、「今回の措置(利下げ)により、金融政策の引き締め度合いは幾分緩和される」との認識を示しつつ、「総需要と総供給の両面で不確実性が高まっていることから、先行きについては慎重な姿勢を維持する」と表明。ただし、「国際情勢が豪州の経済活動とインフレに重大な影響を及ぼす場合、金融政策は断固として対応できる(追加利下げ?)態勢にある」としました。
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四半期に一度公表される金融政策報告では、前回2月時点と比べて豪州のGDP(国内総生産)成長率とCPIトリム平均値上昇率(Trimmed mean inflation)の見通しが下方修正され、失業率は上昇するとの見通しが示されました。
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ブロックRBA総裁は会合後の会見で「現段階での利下げは正当であり、さらなる調整は可能だ」と発言。また、今回の会合では“政策金利の据え置き”と“0.25%の利下げ”のほか、 より大幅な“0.50%の利下げ”も議論したことを明らかにしました。
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