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豪ドル:RBA会合に注目!

2025/04/01 09:02

【ポイント】
RBA(豪中銀)の5月追加利下げ観測が市場で強まるか
・米経済指標で米景気をめぐる懸念が強まるか

(欧米市場レビュー)

3月31日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は150.218円、米ドル/カナダドルは1.43910カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.07835ドル、豪ドル/米ドルは0.62176米ドル、NZドル/米ドルは0.56475米ドルへと下落しました。米国の3月シカゴ購買部協会景気指数が47.6と市場予想の45.0を上回ったことや、一時4.18%へと低下した同国の長期金利(10年物国債利回り)が持ち直した(NY市場は4.21%で終了)ことが、米ドルの支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

本日は、RBA(豪中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間12時30分に発表され、同13時30分からブロックRBA総裁が会見します。これらに豪ドルが反応しそうです。

RBAは前回2月17-18日の会合で0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を4.35%から4.10%へと引き下げました。

本日の会合については、政策金利は据え置かれると市場で予想されています。その通りの結果になれば、RBAの声明やブロック総裁の会見が材料になりそうです。

RBAは前回会合以降、以下のように追加利下げに慎重な姿勢を繰り返し表明してきました。声明やブロック総裁の会見では、この姿勢が変化するかどうかに注目です。

<前回会合時の声明>
・「金融緩和が早過ぎれば、ディスインフレ(インフレ率が低下していく状況)が停滞し、インフレ率が目標レンジの中間点を上回る水準に落ち着くおそれがある」
・「さらなる政策緩和(追加利下げ)の見通しについては慎重だ」

<ハウザー副総裁(3月4日)>
・「2月の利下げによってインフレ率が(2~3%の目標中間値の)2.5%を下回るリスクは低下した」
・「RBAは現時点で、連続利下げが必要になるとは考えていない」

<ハンター総裁補(3月18日)>
「RBAは追加利下げについて市場よりも依然として慎重だ」

市場では、RBAは次回5月19-20日の会合で追加利下げを行うとの観測があります。声明やブロック総裁の会見内容によってこの観測が市場で強まる場合、豪ドルが軟調に推移しそう。豪ドル/NZドルの下値メドとして、3月20日安値の1.08976NZドルが挙げられます。

***

米国の3月ISM製造業景況指数2月JOLTS(労働動態調査)が本日発表されます(いずれも日本時間23:00)。

市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
・ISM製造業景況指数:49.5(50.3)
・JOLTS求人件数:761.6万件(774.0万件)

ISM製造業景況指数は業況判断の分かれ目である50を3カ月ぶりに下回り、JOLTS求人件数は前月から減少すると予想されています。

これらが市場予想を下回る結果になれば、米景気の先行きへの懸念が強まりそうです。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルには下落圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには上昇圧力が加わる可能性があります。

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トランプ政権による関税をめぐるニュースには引き続き要注意です。

トランプ大統領は3月30日に「相互関税は全ての国が対象となる」と述べ、同31日には「おそらく明日(4月1日)夜か、2に相互関税の詳細が明らかになるだろう」と語りました。

相互関税を含め関税について新たな報道が出てくれば、市場が反応する可能性があります。

本日の『ファンダメ・ポイント』は、[トランプ関税の全容:4月2日に相互関税の詳細を発表へ]です。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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