マネースクエア マーケット情報

エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※5月2日更新

2025/05/02 09:51

宮田レポート(短期アップデート) 250502_miyata.pdf

(おしらせ)次回号リリースは5月9日(金)の予定です。

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 31,500~38,000円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 36,500~42,200ドル
            (S&P500) 4600~5750
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~18,300

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~146.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~103.000



[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
日経平均は、重要サポートとしての200週MAを上回って推移しています。同MAを今後も維持する限り、プライマリー上昇➂波は依然継続中とみられます。

日経平均はインターミディエイト級第(5)波の上昇にあるとみられます

昨年末時点において筆者は、2025年に付ける日経平均の第(5)波メドを4万3000円~4万5000円としていました。しかし米ナスダックの本格調整局面入りがより濃厚となった今では、日経平均(ナスダックとの相関が強い)の第(5)波高値は、以前想定していたものより低くなるとみるのが適当でしょう。

例えばTOPIXが今後数カ月内に24年高値(2946)を上回り、その一方で日経平均は24年高値(42,426円)を上回ることができない、「未確認」という天井パターン出現も考慮しておく必要がありそうです




【日足・時間足 エリオット波動分析】
30,792円(4/7安値)から、インターミディエイト級(5)波による上昇が進行中とみられます。

TOPIXは200日MAを足元でほぼ回復し、今では年初来高値2821(3/26)も視野に入ってきました。
それに比べると日経平均は、200日MA(38,023円)までには距離があります。さらに年初来高値(40,288円)ともなると、現水準からかなり離れています。

このようにTOPIX優位は継続しており、TOPIXが日経平均に先行する流れは今後も続くでしょう

5月1日はTOPIXが75日MA(2680)を一時上回っています。少し遅れて日経平均も75日MA(37,150円処)を打診するでしょう

もっとも、今後は「やれやれの売り」圧力が強まってくるでしょう。第(5)波としての上昇基調が強まるまでには(戻り売りをこなすための)時間が必要でしょう。

(オルタナティブ・カウント)
30,792円を下抜くと以下の波動カウントに切り替えます。
24年8月からの上昇第(5)波は40,398円(12/27高値)を以て終わり─”truncated fifth”(短縮された5波)─プライマリー級の➃波による調整が進行中とみられます。この場合日経平均は、いずれ2万7000円処(PBR1倍水準)を試す可能性があります。


[予想PER別の日経平均水準]
5月1日の日経平均予想PERは14.92倍、予想EPSは2443円
過去最高のEPSは2564円(2/13)です。



[NYダウ・S&P500] 

【日足 エリオット波動分析】 
4月7日には一時36,611ドルまで下げ、22年から上昇の半値押し[36,807ドル]を達成しました。昨年末に想定した通り、NYダウの調整規模は22年10月以降最大に拡大しました。

4月安値からの上昇は、第(4)波あるいは第(2)波によるリバウンド局面に位置付けられます。
このリバウンド基調がまだ続くなら、4月2日終値の[42,225ドル]─「トランプ関税発動」で生じたマドを埋める水準─を窺う展開があるかもしれません。42,200ドル付近は200日MAの水準でもあります。

しかし弱基調は続くとみられ、リバウンド後には第(5)波あるいは第(3)波による下落トレンドが続くことでしょう。その下落によりNYダウは、今後数週間から数カ月の内に4月安値36,611ドルを下抜く可能性があります

22年1月~10月の(A)波は22.4%下げました。(C)波はそれと同等か、より大きな下落スケールになると思われます。試みに最高値から22.4%下げる水準を求めると[34,977ドル]です。この付近には[34,930ドル](22年からの61.8%押し水準)があることからも、3万5000ドル処は中期下値目標として適当とみられます。

【S&P500週足 エリオット波動分析】 
筆者の長期的な波動カウントは、22年1月高値(4818)以来、プライマリー級➃波による調整(A)-(B)-(C)が進行中というものです。そのうち(B)波は最高値を更新し続け、今年の高値を以て「イレギュラートップ」を終了しました。そこからは(C)波による下落が進行中とみられます。

➃波中の(A)波は27.84%下げました。(C)波も同率で下げるとすれば、下値メドは[4435]となります。
➃波が「エクスパンディッド・フラット」になる可能性にも留意しておかなければなりません。この場合には、(C)波安値は、(A)波安値[3491]を下抜くことになります。

(C)波の完了を以てプライマリー級➃波のすべてが完成し、数年単位の強気トレンド(プライマリー級の第➄波)が開始されるでしょう。ハイテク株で構成されるナスダックとは違い、ハイテク株と非ハイテク株のハイブリッドであるS&P500は、いずれ最高値を更新する可能性もありそうです。

4835(4/7安値)からは第(2)波によるリバウンドに位置付けられます。
5月1日はギャップアップ。一時5658まで上昇し、2月からの下げ61.8%戻り[5646]を達成しましたが、大引けにかけ上げ幅を縮小しました。リバウンドは終わったか、終わりつつあるようです
5433(4/30安値)を下回ると、リバウンド終了及び、第(3)波による下落スタートが示唆されます


[ナスダック]

【ナスダック総合指数 週足 エリオット波動分析】
ナスダック総合指数(以下、ナスダック)は、24年12月安値(20,204)からサイクル級の調整が進行中とみられます。

21年~22年のプライマリー➃波の下げ率(37.77%)は、ほぼフィボナッチ比率(38.2%)でした。
今後1~2年という期間でみると、 [12,527] (24年12月高値から38%下げる水準)へ下押す可能性もあるでしょう。

さらに、先々➃波安値[10,088]への下値試しとなる可能性にも留意するべきでしょう。サイクル級の調整は、プライマリー級より上位の波動等級(ディグリー)であり、ディグリーが大きくなるに従い調整スケールも大きくなるのが通常です。

14,784(4/7安値)からの第(2)波によるリバウンドは、まだ続いているかもしれません。もっとも、リバウンド完了後には第(3)波の下落によって、14,784を下抜く可能性に注意が必要です。




【時間足 エリオット波動分析】
今回号より波動カウントを若干改め、24年12月高値(20,204)から4月安値(14,784)までの下げを5波構成による第(1)波とします。

足元は第(2)波によるリバウンドとみています。
5月1日は一時17,922まで上昇し、24年12月からの下げ61.8%戻り[18,133]に近づきました。このフィボナッチ・リトレースメントは、第(2)波中のA波とC波が等しくなる水準[18,104]に合致しています。

さらに上伸する場合のメドは、第(1)波のレッサー・ディグリー4波高値18,281(3/25)、200日MA(18,319)などです。第(2)波によるリバウンドは終わったか、終わりつあると思われます

16,959(4/30安値)を割ると最初の弱気トリガーが発動され、それは第(3)波の下落スタートを示唆します。



[米ドル/円]


【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、まずは2011年からの上昇チャネルのセンターライン➀136.680円(5月)がサポートレベルとみられます。

もっとも139円処を下抜くとヘッド・アンド・ショルダーズ型の天井パターンから下放れ始め─上述したセンターラインで底入れせずに─フィボナッチ・サポートの[128.945円]を試す展開もありそうです。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は117.050円(5月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(24/7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドです。C波は三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が(先ずは)想定され、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます(ⓒ波の代わりに第3波というカウントは可能ですが、その確証はまだありません)。

4月22日には一時139.877円と一時140円を割れましたが、24年9月の139.565円が強く意識され、足元はリバウンド傾向です。リバウンド上限は146.493円です(後述)。

遠からずドル安・円高トレンドが再開し、今後1カ月~3カ月で[138.517円-136.452円]を試してもおかしくない、と思われます

[138.517円]…ⓐ波とⓒ波が等しく下がる水準
[136.452円]…24年7月から9月までドル/円下落幅と、今年1月からのドル/円下落幅が等しい

【日足 エリオット波動分析】 
151.191円(3/28)からの第3波によるドル安・円高は、139.877円(4/22)で終わった可能性があります。
そうであれば、足元は第4波によるリバウンドに位置付けられます。

第4波は146.493円が上限です(ノー・オーバーラップ)。足元ドル/円は145円台後半まで上昇していることから、リバウンドは何時終わってもおかしくないと思われます。

ただし見通しと異なり146.493円を上回るケースでは、139.877円からを「マルii波のリバウンド」に改めます。

第4波を終了後は第5波によるドル安・円高に移り、それは139.565円を明確に下抜くでしょう



金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[145.372円]です。


投機筋の円買い持ち高は3週連続増加、過去最大を更新(2025年4月22日時点)
IMM通貨先物市場で、投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は3週連続増加。円買い持ちは前週の151.08億ドルから154.7億ドルと過去最大水準をさらに更新しました。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
ドル指数は4月21日安値(97.921)を以て、フィボナッチ・サポート[97.939](08年からのドル高に対する38.2%戻り水準)をちょうど達成しました。予想された通りドル安は一服、リバウンドとなっています。このリバウンドはC波中マルiv波に相当すると思われます。

マルii波がジグザグだったことから、マルiv波は保ち合い相場となりやすいでしょう。保ち合いの後には、C波中マルv波のドル安基調が再開し、[94.976](A=C)を試すことでしょう。

一方、C波自体が終了している可能性もあります。
この場合、22年からのA-B-Cジグザグは完成し、それに続く(X)波に入ったとみられます。(X)波によってドル指数は、今後の数カ月タームで上昇するでしょう。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ