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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※9月19日更新

2025/09/19 10:10

宮田レポート(短期アップデート) 250919_miyata.pdf

(おしらせ) 次回号の更新は9月26日(金)の予定です。

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 40,000~46,000円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 40,000~46,500ドル
           (S&P500) 5000~6700
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 20,800~24,800
                                   (ナスダック総合) 18,800~22,800
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】

今年4月安値(30,792.74円)からインターミディエイト級第(5)波の上昇にあり、この第(5)波完成を以て、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)からのプライマリー第➂波は完成します。

第(5)波目には、➀企業業績や景気などファンダメンタルズは以前より弱め、➁平均出来高は少ない、➂中小型株が選好されやすい、➃先行きへの極端な楽観論、などの特長があります。現在は➀~➂は揃っていますが、市場を楽観ムードが支配している、とまではいえません。

とはいえ、今月に入り予想PERが上昇傾向を強めていることは、投資家の来期への期待感が高まっている表れであり、「懐疑の中で育つ強気相場」という局面は既に過ぎ去りました。

「9~10月に日経平均が4万5000円~4万9000円」という筆者の従来予想は(控えめにみても)達成されましたが、波動構成上からは強気相場はまだ続きそうです

例年9月は株安になりやすいものの、足元の「踏み上げ」的な相場付きは、10月4日(自民党総裁選)頃にかけて継続する可能性があります。



【日足・時間足 エリオット波動分析】
[TOPIX]
フィボナッチ比率からの目標価格➀は[3164]、目標価格➁は[3323]です。
9月16日には一時3168まで上昇、目標価格➀を達成しました。この日の東証プライム時価総額は1078兆円と過去最高水準を更新しています。

[日経平均]
39,850円(8/4安値)以来、マイナー級・第5波の上昇が展開中です。フィボナッチ比率などから得られる(マイナー級)第5波の目標価格は[48,568円][48,896円][48,964円][49,074円]などです。

41,835円(9/1安値)からの上昇は、第5波における、マイニュート級・マルiii波とみられ、4万6000円処を短期的にも目指す可能性があります。それは8月からのチャネルライン上限であり、マルi波とマルiii波が等しく上がる水準[45,861円]にも近いものです。

さて、コロナショック底からの強気相場は終盤に差し掛かりました
9月18日は半導体関連株を中心に値上がりし、一時45,508円と最高値を更新、前日比513円高で引けました。しかし上昇分の3分の2(346円)はわずか3銘柄によるものでした。
このように、限られた銘柄への集中物色は相場の天井圏でみられる特長のひとつです。

[予想PER別の日経平均水準]
9月18日の日経平均予想PERは18.14倍・予想EPSは2497円。
予想EPSは2398円(9/2)を底に上昇傾向を示し、PER18倍台は5日連続(9/11~9/18)となりました。これらは投資家の来期への期待が強まっていることの表れといえるでしょう。
日本株相場が本格的なインフレ相場を迎えるなか、18倍台が定着するかに引き続き注目です。なおアベノミクス相場がクライマックスを迎えた2015年4月のPERは19.15倍でした。


[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ日足 エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの上昇は、プライマリー級の第➄波です。今年4月安値からの上昇はインターミディエイト級第(5)波に当たり、それを以て第➄波は終了します。
第➄波完了後に訪れる弱気相場は、控えめにみても高値から20%安となるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「ランニング・トライアングル」におけるⓑ波とカウントされます。このシナリオでは、近々訪れるであろう下げ局面でも4月安値(36,611ドル)は維持されるでしょう。その後1~2年程度のもみ合いが続いた後に、新たな高値へ向かう展開があるでしょう。

9月18日には一時46,317ドルまで上昇、最高値を更新しました。
44,948ドル(9/2安値)を割ると弱気トリガー。調整局面入りが示唆されます。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
7月中旬からの上昇パターンは、強気トレンドの最終局面に出現する「エンディング・ダイアゴナル」とみられます。
9月18日には6656まで上昇し最高値を更新すると共に、ダイアゴナル上辺を上回りました。これはダイアゴナル上辺を上回る、「スローオーバー(throw-over)」という強気相場最後の上振れかもしれません。スローオーバーの可能性は6551を下回ることにより高められます。

さらに6343(8/20安値)を割ると弱気トリガー、大きな調整入りが示唆されます。

【S&P500 長期エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
4月安値(4835) からの上昇は、インターミディエイト級第5波に位置付けられ、それが終わると長期にわたる調整スタートとなります。それは4月安値を大きく下回ることが予想されます。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は、トライアングル中ⓑ波のリバウンドに位置付けられます。
近々ⓒ波の下げがスタートし、それはⓐ波(2月~4月)下げ幅に対し62%~66%の大きさ(813~866ポイント)になるでしょう。このⓒ波によりS&P500は、5400を下回る展開になりそうです。


[ダウ輸送株平均] (直近で最高値更新の)ダウ工業株平均と「未確認」続く


[マグニフィセント7] 4月から5波構成による上昇


[ナスダック]


【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波の上昇に相当します。既に最高値を更新しており、第(5)波はいつ終わってもおかしくありません。遠からず調整局面が始まるとみられ、それは数年間ターム続く、長く大きなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中ⓑ波に当たります。これはS&P500のオルタナティブ・カウントと同様であり、遠からずⓒ波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。それでもⓒ波の下げ幅はⓐ波のそれに対し62%~66%となり、ⓑ波の高値からは3500~3750ポイントの下げになるでしょう。



【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】

4月安値16,542からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波か、第(4)波「トライアングル」中ⓑ波とみられます。

7月末からの「(ランニング)トライアングル」(第4波)は22,977(9/2安値)で完成し、足元は第5波の上昇とみられます。9月18日には一時24,554まで上昇し最高値を更新、上値想定レンジの上限[24,224]を少し超えました

22,977を下回ると最初の弱気トリガーが発動し、当面22,673への下値試しとなるでしょう。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
16年半サイクルによれば、米ドル/円(ドル/円)は2028年4月頃まで「円高の時間帯」が続きます。この時間帯においてドル/円の上値は抑えられるでしょう。筆者は28年4月頃までのどこかの時点で、1ドル=125円~120円へのドル安・円高になる可能性をみています。

年内については、ドル/円はじり高の展開が想定されます。
しかし、おそらく26年前半には139円処のネックラインを明確に割り込むでしょう。それをきっかけに、「サード・オブ・サード」の強いドル安・円高トレンドが鮮明になるでしょう。

【週足 エリオット波動分析】 
今年1月からのドル安・円高は、第3波とカウントされます。これによれば、先々1ドル=120円試しが視野に入ります。第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、 [122.625円]という目標値が得られます。

一方139.877円(4/22)からのマルii波による上昇は継続していると思われます。今後1~3カ月で1ドル=151円処を試す可能性が高い、とみています。

しかし中長期のドル安・円高基調に変わりはなく、ヘッド・アンド・ショルダーズの垂直目標値からは、いずれ1ドル=120円割れの可能性もみえています。

【日足 エリオット波動分析】 
米FOMCでの9カ月ぶり利下げを受けて、9月17日にドル/円は一時145.473円まで下げたものの急速に下げ渋り、足元で148円台とFOMC前の水準を回復しました。

150.869円(8/1)からの(x)波は「ジグザグ(a-b-c)」により完成したかもしれません。
この見方は149.100円を上抜くことにより強化され、4月からのマルii波完成に向けドル高・円安が続くでしょう。マルii波の上値目標は[151.586円](1月からの円高の61.8%戻り水準)や[154.353円](同76.4%戻り)などです。

その反面、今後145円処を明確に下抜くと、マルii波が150.869円(8/1)を以て、既に終わった可能性を考慮する必要があります。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[139.747円]です。


投機筋の円買い持ち高は3週ぶり縮小(2025年9月9日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の62.11億ドルから77.56億ドルへ拡大しました。



[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 

9月17日に96.218まで下げ、7月1日安値(96.377)を一時的に下回りました(3年7カ月ぶりドル安)。このため22年高値からのジグザグ(A-B-C)は7月安値で終わった、という従来の見方を改めます。

年初からのC波中マルiv波はトライアングルを形成した、とみられます。このトライアングルは、そのスケールにおいてA波のマルiv波(トライアングル)と相似しています。

足元のドル安は、C波を構成する5波動の最終波=マルv波に位置付けられます。
C波の理想的な目標値は[94.976]、A波とC波が等しく下がる水準です。このC波を終えるとドル指数は、数カ月タームの上昇となり、C波の下げに対して38%~62%を戻すでしょう。

長期的にはドル安(Ⓑ波)は継続するとみられ、ドル安基調は2026年に一段と強まるでしょう。
筆者は、ドル安Ⓑ波は短くとも2028年頃まで続くとみています。

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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