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9月CPIコアは強めでも、11月利下げはアリ!?

2024/10/11 07:49

【ポイント】
・9月米CPIはやや強め、CPIコアは過去4カ月改善なし
・9月FOMCでは物価目標の達成に自信を深めており、11月も利下げしそう
・ハリケーンの影響で経済実態の判断が難しくなりそう

米国の9月CPI(消費者物価指数)はやや強め。とりわけ、食料・エネルギーを除くCPIコアは6月以降4カ月連続で前年比3.2~3.3%で推移しており、22年半ば以降の鈍化傾向に歯止めがかかったようにみえなくもありません。

もっとも、FOMC議事録(9月17-18日開催分)によれば、参加者はインフレ率が引き続き高過ぎるとしつつも、2%の目標に向かって鈍化していることに自信を深めていました。ひと月のデータで判断が大きく変わることはなさそうです。

■10日付け「FOMC議事録:今後の金融政策に労働市場が一段と重要なカギ!?」をご覧ください。

次回11月6-7日のFOMCまでに、9月PCE(個人消費支出)デフレーターといった物価指標に加えて、7-9月期GDPや10月雇用統計(賃金も)、その他の経済指標が発表されます。それらを踏まえて利下げの有無やその幅について検討されるでしょう。10日時点のFedWatchによれば、市場は11月の0.25%利下げを87%、据え置きを13%織り込んでいます。

なお、大型ハリケーン「ミルトン」が9日夜にフロリダ州に上陸、大きな被害が出ている模様です。2週間前に東海岸南部を襲った「へリーン」の影響もあって、先週の新規失業保険申請件数は25.8万件と前週の22.5万件から大きく増えました。今後も両ハリケーンの影響で経済活動が支障をきたしたり、経済統計が歪められたりする可能性があり、FOMCの判断は難しくなりそうです。

■9日付け「“オクトーバーサプライズ”はハリケーン??」をご覧ください。

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9月CPIは、総合が前年比2.4%と、前月(2.5%)から減速しましたが、市場予想(2.3%)は上回りました。エネルギーと食料を除くコアは前年比3.3%と、前月および市場予想(いずれも3.2%)を上回りました。CPIコアは22年9月の6.6%をピークに今年7月の3.2%まで順調に鈍化してきましたが、8月は横ばい、9月は0.1%ながら加速するなど、鈍化傾向に歯止めがかかったようにみえます。

米CPI

雇用コストを強く反映するとして、FRBが注目するコアサービス(住居費を除く)は9月に前年比4.6%と、改善がやや遅れている印象です。足もとの労働市場の動向とともに、要注目でしょう。

CPIコアサービス 住居費除く
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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