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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※9月9日更新

2025/09/09 10:10

宮田レポート(短期アップデート) 250909_miyata.pdf

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YouTube エリオットView 9月8日 [石破首相辞任!米利下げでも円安?]

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 39,500~45,000円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 37,500~45,800ドル
            (S&P500) 5000~6550
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 20,500~24,500
                                   (ナスダック総合) 18,500~22,500
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000


[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
今年4月安値(30,792.74円)からインターミディエイト級第(5)波の上昇にあり、この第(5)波完成を以て、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)からのプライマリー第➂波は完成します。

第(5)波目には、➀企業業績や景気などファンダメンタルズは以前より弱め、➁平均出来高は少ない、➂中小型株が選好されやすい、➃先行きへの極端な楽観論、などの特長があります。現在は➀~➂は揃っていますが、到底➃の状況になく、いわば「懐疑の中で育つ強気相場」と呼べそうです。
つまり懐疑論が強い楽観論に置き換わらない限り、第(5)波の強気相場は続くと思われます。

筆者は9~10月に日経平均が4万5000円~4万9000円を付けてもおかしくない、とみています。

9月7日、石破首相が辞任を表明しました。臨時総裁選は「フルスペック型」で10月初旬(4日投開票?)に実施される見込みです。「ポスト石破」誕生まで、政策期待の高まりから株価のアップサイドリスクが高そうです



【日足・時間足 エリオット波動分析】
[TOPIX]
フィボナッチ比率からの目標価格➀は[3164]、目標価格➁は[3323]です。
9月8日に一時3139まで上昇、最高値を更新しました。上記の目標価格➀を短期的にも試すでしょう。

[日経平均]
39,850円(8/4安値)以来、マイナー級・第5波の上昇が展開中であり、41,835円(9/1安値)からはマイニュート級・マルiii波の上昇とみられます。この波動カウントが正しければ、マルiii波の上値は4万6000円程度へ伸びる可能性があります。

フィボナッチ比率などから得られる(マイナー級)第5波の目標価格は以下の通りです。
[44,597円][45,230円][48,568円][48,896円][48,964円][49,074円]


[予想PER別の日経平均水準]
9月8日の日経平均予想PERは17.96倍・予想EPSは2430円。PER17倍台は21日連続(8/8~9/8)に伸びました。日本株相場が本格的なインフレ相場を迎え、PER17倍が「新常態」になりつつあります。さらに近々PER18倍台への上方シフトがみられるかもしれません。ちなみにアベノミクス相場がクライマックスを迎えた2015年4月のPERは19.15倍でした。



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ日足 エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの上昇は、プライマリー級の第➄波です。今年4月安値からの上昇はインターミディエイト級第(5)波に当たり、それを以て第➄波は終了します。
第➄波完了後に訪れる弱気相場は、控えめにみても高値から20%安となるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「ランニング・トライアングル」におけるⓑ波とカウントされます。このシナリオでは、近々訪れるであろう下げ局面でも4月安値(36,611ドル)は維持されるでしょう。その後1~2年程度のもみ合いが続いた後に、新たな高値へ向かう展開があるでしょう。

9月5日、一時45,770ドルまで上昇し最高値を更新しました。
44,579ドル(8/21安値)を割ると弱気トリガー。調整局面入りが示唆されます。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
S&P500は1929年と2000年の高値を通る超長期レジスタンスラインに7月下旬に達し、足元まで同ライン付近で推移しています。前回の場合、S&P500は昨年12月初めに同ラインに到達し今年2月下旬まで3カ月近くレンジ相場を形成し、そこから4月底まで20%下げました。今回も同様なら、S&P500は10月頃まで今のような高値圏でのもみ合いが続いた後、急落が控えていることになります。

7月中旬からの上昇パターンは、強気トレンドの最終局面に出現する「エンディング・ダイアゴナル」とみられます。9月5日にS&P500は6532と最高値を更新し、上昇パターンは終盤と思われます。6343(8/20安値)を割ると弱気トリガー、調整入りが示唆されます。

【S&P500 長期エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
4月安値(4835) からの上昇は、インターミディエイト級第5波に位置付けられ、それが終わると長期にわたる調整スタートとなります。それは4月安値を大きく下回ることが予想されます。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は、トライアングル中ⓑ波のリバウンドに位置付けられます。
近々ⓒ波の下げがスタートし、それはⓐ波(2月~4月)下げ幅に対し62%~66%の大きさ(813~866ポイント)になるでしょう。このⓒ波によりS&P500は、5400を下回る展開になりそうです。


[ダウ輸送株平均] (直近で最高値更新の)ダウ工業株平均と「未確認」続く


[マグニフィセント7] 4月から5波構成による上昇



[ナスダック]


【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波の上昇に相当します。既に最高値を更新しており、第(5)波はいつ終わってもおかしくありません。遠からず調整局面が始まるとみられ、それは数年間ターム続く、長く大きなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中ⓑ波に当たります。これはS&P500のオルタナティブ・カウントと同様であり、遠からずⓒ波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。それでもⓒ波の下げ幅はⓐ波のそれに対し62%~66%となり、ⓑ波の高値からは3500~3750ポイントの下げになるでしょう。

【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
4月安値16,542からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波か、第(4)波「トライアングル」中ⓑ波とみられます。

8月13日高値・23,969は、フィボナッチ比率からの上値想定レンジ[23,195-24,224]内にあります。当面(あるいは長期的な)の高値を付けたか、付けつつあると思われます。

今回、波動カウントの微調整を行ないました。
7月末からの「(ランニング)トライアングル」(第4波)は22,977(9/2安値)で完成し、足元は第5波の上昇とみられます。第5波は目先的にも23,969を上回る可能性が高いでしょう。

一方、22,977を下回ると最初の弱気トリガーが発動し、当面22,673への下値試しとなるでしょう。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
16年半サイクルによれば、米ドル/円(ドル/円)は2028年4月頃まで「円高の時間帯」の中にあります。この時間帯においてドル/円の上値は重く、24年高値(161.938円)を上回ることはないでしょう。そして1ドル=125円~120円へのドル安・円高となる可能性が高い、と筆者はみています。

今後数カ月、ドル/円はじり高の状態が続きそうです。
しかし、おそらく26年前半には139円処のネックラインを明確に割り込むでしょう。それをきっかけに、「サード・オブ・サード」の強いドル安・円高トレンドが鮮明になるでしょう。

【週足 エリオット波動分析】 
今年1月からのドル安・円高は、第3波とカウントされます。これによれば、先々1ドル=120円試しが視野に入ります。第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、 [122.625円]という目標値が得られます。

一方139.877円(4/22)からのマルii波による上昇は継続していると思われます。今後数週間タームでは、1ドル=151円処を試す可能性が高い、とみています。

中長期でのドル安・円高基調に変わりはなく、ヘッド・アンド・ショルダーズの垂直目標値からは、いずれ1ドル=120円割れの可能性もみえています。

【日足 エリオット波動分析】 
139.877円(4/22)からのマルii波によるリバウンドは、まだ続いているとみられます。

マルii波は「トリプル・ジグザグ(w)-(x)-(y)-(x)-(z)」とカウントされます。
149.100円を上抜くことにより、8月からのトライアングル完成が確認されます。そうなれば、[151.586円](1月からの円高の61.8%戻り水準)や[154.353円](同76.4%戻り)などを試すでしょう。

その反面、今後145円処を明確に下抜くと、マルii波が150.869円(8/1)を以て、既に終わった可能性を考慮する必要があるでしょう。


金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[139.921円]です。


投機筋の円買い持ち高は3週ぶり縮小(2025年9月2日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の71.82億ドルから62.11億ドルへ3週ぶりに縮小しました。



[ドルインデックス(ドル指数)]




エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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