英ポンド:BOE会合に注目!
2024/08/01 09:10
【ポイント】
・BOE(英中銀)が利下げするかどうか
・米経済指標で市場のFRB利下げ観測が強まるか
(欧米市場レビュー)
7月31日、欧米時間の外為市場では、円が全面高。一時、米ドル/円は149.590円、ユーロ/円は161.968円、英ポンド/円は192.162円、NZドル/円は88.642円へと下落。米ドル/円とユーロ/円は3月19日以来、英ポンド/円は5月6日以来、NZドル/円は1月3日以来の安値をつけました。植田日銀総裁が会合後の会見で、さらなる利上げに前向きな姿勢を示したことが、円高材料となりました。米ドル/円に関しては、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果やパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見も、下押し圧力となりました。
※日銀会合の結果や植田総裁会見について詳しくは、7月31日の『ファンダメ・ポイント』[【アップデート】日銀は追加利上げ+国債買入れ減額、FOMCは円高を後押しするか]をご覧ください。
※FOMCの結果やパウエル議長会見について詳しくは、本日1日の『ファンダメ・ポイント』[タカ派日銀会合+ハト派FOMC=150円割れ]をご覧ください。
豪ドル/NZドルは一時1.09630NZドルへと下落。豪州の4-6月期CPI(消費者物価指数)は、総合指数が前年比3.8%と市場予想通りの結果となり、CPIトリム平均値は同3.9%と市場予想の4.0%を下回りました。RBA(豪中銀)はコアインフレ率の指標としてトリム平均値を注視していることから、トリム平均値の結果を受けてRBAの利上げ観測が市場で後退して、豪ドル/NZドルへの下押し圧力となりました。
(本日の相場見通し)
市場では引き続き、昨日の日銀金融政策決定会合の結果や植田総裁の会見が意識される可能性があります。その場合、米ドル/円やユーロ/円、豪ドル/円などは軟調に推移しそうです。
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本日は、BOE(英中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間20時に発表され、20時30分からベイリーBOE総裁が会見します。
会合の注目点は、利下げが決定されるかどうか。利下げが行われた場合、英ポンド安で反応する可能性があります。
ベイリー総裁の会見や会合の議事録も材料になりそうです。本日の会合で利下げが行われたとしても、総裁会見や議事録が市場のさらなる利下げ観測を後退させる内容になれば、英ポンドは下げ渋るかもしれません。
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本日はまた、米国の7月ISM製造業景況指数や先週分の新規失業保険申請件数が発表されます。
市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
・ISM製造業景況指数:48.8(48.5)
・新規失業保険申請件数:23.6万件(23.5万件)
ISM製造業景況指数に関しては、前回6月から改善するものの、業況判断の分かれ目である50を4カ月連続で下回るとみられています。
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は24年末までに0.25%×3回の利下げを行うとの観測があります。ISM製造業景況指数や新規失業保険申請件数が市場予想と比べて弱い結果になれば、FRBの利下げ観測が強まるかもしれません。利下げ観測が強まる場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下値を試し、一方でユーロ/米ドルは上値を試す展開になりそうです。
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