日銀と米FRBが政策会合開催! 会合結果が材料になりそう
2024/07/31 08:45
【ポイント】
・日銀が追加利上げに踏み切るかどうか
・FRB議長の会見などで利下げが示唆されるか
・豪4-6月期CPIで市場のRBA金融政策見通しが変化するか
(欧米市場レビュー)
30日、欧米時間の外為市場では、円が堅調に推移。一時、米ドル/円は152.874円、ユーロ/円は165.184円、豪ドル/円は99.896円、NZドル/円は90.100円へと下落しました。「日銀は31日の金融政策決定会合で、現在0~0.10%の政策金利を0.25%に引き上げる案を議論する」と複数のメディアが報じました。日銀の追加利上げ観測が市場で強まり、そのことが円の支援材料となりました。
(本日の相場見通し)
本日は、日銀の金融政策会合とFOMCが開かれます。それらの結果が材料になりそうです。
<日銀金融政策決定会合>正午頃に結果発表、午後3時30分から植田日銀総裁が会見
会合における注目点は、「国債買入れをどの程度減額するか」と「利上げするかどうか」です。
市場では国債買入れについて、現在の月間6兆円程度から2年間で3兆円まで減らす方針が示されるとの観測があります。その観測から大きくかい離する内容でなければ、それほど材料にならない可能性があります。
政策金利については、「0.25%へと引き上げることが検討される」と報じられました。実際に政策金利が0.25%へと引き上げられて、植田日銀総裁が会見で今後さらに利上げを行う可能性に言及すれば、円が堅調に推移して、米ドル/円やユーロ/円などには下落圧力が加わりそうです。
本日の会合で政策金利が据え置かれた場合、米ドル/円やユーロ/円などは上昇すると考えられます。
※日銀会合については、30日の『ファンダメ・ポイント』[日銀金融政策決定会合の直前情勢、サプライズはあるか]もご覧ください。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[注目の日銀会合&植田総裁会見!米ドル/円は200日MAが“分水嶺”に]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
<FOMC>日本時間8月1日午前3時に結果発表、午前3時30分からパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見
政策金利は現行の5.25~5.50%に据え置かれそうです。注目点は、FOMCの声明やパウエル議長の会見で次回9月のFOMCでの利下げが示唆されるかどうか。声明や会見が市場の9月の利下げ観測を補強する内容になれば、米ドルが軟調に推移して、米ドル/カナダドルは下落し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上昇すると考えられます。
※本日の『ファンダメ・ポイント』は、[FOMCの直前情勢、注目ポイントは?]です。
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豪州の4-6月期CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間10:30)。物価の動向はRBA(豪中銀)の金融政策判断に大きな影響を与えるため注目です。
4-6月期CPIの市場予想は、総合指数が前年比3.8%、トリム平均値が同4.0%。総合とトリム平均値のいずれも、RBAのインフレ目標である2~3%を引き続き上回るとみられています。
市場ではRBAは次回8月5-6日の政策会合で政策金利を据え置くとの見方が有力ですが、利上げ観測もあります。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む8月のRBA会合の確率は、据え置きが8割程度、利上げが2割程度です。
4-6月期CPIが市場予想を上回る結果になれば、RBAの利上げ観測が強まる可能性があります。その場合には豪ドルが堅調に推移して、豪ドル/NZドルは上値を試す展開が想定されます。
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