FOMCの直前情勢、注目ポイントは?
2024/07/31 08:18
本日31日は中央銀行デー。正午ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が判明し、午後3時30分から植田総裁の記者会見が行われます。米国では米FOMCの結果が判明(日本時間8月1日午前3時)、パウエル議長の記者会見もあります(同午前3時30分から)。
■30日付け「日銀金融政策決定会合の直前情勢、サプライズはあるか」もご参照ください。
FOMCでの注目ポイントについて、以下に整理しておきます。
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米FRBのFOMC(連邦公開市場委員会)
日本時間8月1日午前3時 結果判明
同午前3時30分より パウエル議長の記者会見
政策金利の「据え置き」が確実視されています。30日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は今回の利上げ(0.25%幅)を5%だけ織り込んでいます。つまり、「据え置き」予想が95%。仮に、利下げが実施されれば、きわめて大きなサプライズになりそうです(米ドル安要因)。
第1のポイントは、声明文のフォワード・ガイダンス(先行きの政策に関する示唆)。前回(6/14)までは「インフレが持続的に2%に向かっていると一層の確信を得るまでは、政策金利の引き下げが適切になるとは予想していない」でした。FOMCが次回9月の利下げをある程度想定したなら、「確信を得つつある」などの表現が用いられるかもしれません。
第2のポイントは、声明文冒頭の景気・物価の判断。前回は、景気は「しっかりしたペースで拡大を続けている」、雇用は「力強さを維持している」、物価は「2%の目標に向かって、わずかながら一段の進展があった」でした。景気・雇用の軟化や、インフレの落ち着きへの言及があれば、市場の利下げ観測は高まりそうです。
第3のポイントは、メンバーの投票行動。FOMC参加者19人のうち投票権を持つ12人の中から反対票が出るか。前回の政策転換は、18年12月のFOMCで最後の利上げが実施され、5会合後の19年7月に利下げが開始されました。利下げ開始直前の6月会合では、セントルイス連銀のブラード総裁が利下げを主張して据え置きに反対票を投じました。利下げを開始した7月の会合では2人の総裁が据え置きを主張しました。つまり、政策変更の前後では意見が割れるのかもしれません。果たして、今回はどうなるか。
第4のポイントは、パウエル議長の記者会見。9月(以降)の利下げの可能性に言及する「ハト派的」なものになるのか。それとも、経済データ次第であって、予め決めたことはないという、やや「タカ派的」なものになるのか。そして、市場が会見全体をどう評価するか。大いに注目されます。
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