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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※8月5日更新

2025/08/05 10:27

宮田レポート[短期アップデート] 250805_miyata.pdf

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[日経平均]
【当面の想定レンジ】 38,500~43,000円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 37,500~45,500ドル
            (S&P500) 5000~6500
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 20,000~23,560
                                   (ナスダック総合) 18,000~21,500
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】

日経平均は20年3月コロナショック底(16,358.19円)を起点とする、プライマリー上昇➂波が進行中です。さらに今年4月安値(30,792.74円)からはインターミディエイト級第(5)波の上昇にあります。
この第(5)波の上昇を以て、プライマリー➂波は完成します。

TOPIXの史上最高値更新(7/24)に続き、日経平均も近日中に24年7月高値(42,426.77円)を上回る展開を想定しています。

事業法人の自社株買い、海外投資家、これらが両輪となって日本株上昇を支えるでしょう。
7月第4週(25~25日)まで海外投資家は現物を17週連続で買い越しました。アベノミクス相場の始まりの時期に重なる2012年11月~13年3月(18週連続)以来、約12年ぶりの長さとなりました。

7月24日にはドル建てTOPIXが、一時20.33ドルと最高値を更新しています。海外投資家は日本株を長らくアンダーウェイトしており、「持たざるリスク」から日本株再評価の機運が高まっているとみられます。




【日足・時間足 エリオット波動分析】
[TOPIX]
7月24日に一時2986まで上昇、初の3000台が見えてきました。フィボナッチ比率に基づくと➀[3164]、➁[3323]などが導かれ、第(5)波の目標値として注目されます。

[日経平均]
42,065円(7/24高値)以来、マイナー級の第4波による調整が進行中とみています。
第4波では、トライアングルやフラットといったレンジ相場が想定されます(時間足チャートに描かれたイメージはトライアングルを想定しています)。
8月4日には一時39,850円まで下げましたが、それは第4波中マルa波終点のように思われます。そうであれば、次はマルc波の上昇によって、41,000円を回復するでしょう。

第4波が終わると、次に第5波の上昇となります。
TOPIXの目標価格(上述)、現在のNT倍率(14倍)、これらに基づくと[44,300円~46,500円]が、第5波目標となります。さらにフィボナッチ比率に基づくと、[44,597円][45,230円]などが得られます。

[予想PER別の日経平均水準]
8月4日の日経平均予想PERは16.41倍・予想EPSは2455円。今年2月13日には過去最高のEPS・2564円を記録しています。


[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ日足 エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの(B)波による上昇は今年1月高値(45,054ドル)で終わり、以来、C波による下落局面です。足元、C-(2)波完了を見極める局面が続いています。今後はC-(3)波の下げにより、4月安値(36,611ドル)を大きく下回る展開が想定されます。

ただし45,054ドルを上抜くと、この波動カウントは否定され─7月23日には一時45,016ドルまで上昇しています─下記オルタナティブ・カウントに切り替えます。

(オルタナティブ・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)以来の五波構成による上昇(=プライマリー級第➄波)は、今年4月安値から最後の上昇(=インターミディエイト級第(5)波)が進行中です。
あるいはS&P500・ナスダックで検討しているごとく、4月からの上昇を「トライアングル」におけるⓑ波とカウントすることもできます。

上記波動カウントの正否はすぐに判明しませんが、少なくとも当面の高値を付けつつあること、相応の調整入りが近い、などの点で一致しています。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
7月下旬に、1929年と2000年の高値を通る超長期レジスタンスラインに達しました。前回ケースを振り返ると、S&P500は昨年12月初めに同ラインに到達し、今年2月下旬まで3カ月近くレンジ相場を形成しました。そこから4月底までは一気に20%下げています。このときを参考にすると、今後S&P500は10月頃までは高値圏でもみ合い、その後に急落が控えていることになります。

FactSetによれば、S&P500の(12カ月先)予想PERは22.2倍(8/1時点)。これは5年平均(19.9倍)より11.5%、10年平均(18.5倍)からは20%、各々「割高」水準です。ひとたび調整入りとなれば、10%~20%の調整は普通に起きることでしょう。

【S&P500 長期エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
4月安値(4835) からの上昇は、インターミディエイト級第5波に位置付けられ、それが終わると長期にわたる調整スタートとなります。それは4月安値を大きく下回ることが予想されます。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は、トライアングル中ⓑ波のリバウンドに位置付けられます。
近々ⓒ波の下げがスタートするとみられ、それはⓐ波(2月~4月)下げ幅に対し、62%~66%の大きさ(813~866ポイント)になるでしょう。そうなるとⓒ波によりS&P500は5400を下回る展開になりそうです。


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[ナスダック]


【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波の上昇に相当します。既に最高値を更新しており、第(5)波はいつ終わってもおかしくありません。遠からず調整局面が始まるとみられ、それは数年間ターム続く、長く大きなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中ⓑ波に当たります。これはS&P500のオルタナティブ・カウントと同様であり、遠からずⓒ波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。それでもⓒ波の下げ幅はⓐ波のそれに対し62%~66%となり、ⓑ波の高値からは3500~3750ポイントの下げになるでしょう。



【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
4月安値16,542からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波、あるいは、第(4)波「トライアングル」中ⓑ波とみられます。

7月31日には一時23,589まで上昇し最高値を更新しました。
既にフィボナッチ比率からの上値想定レンジ[23,195-24,224]内に入っています。

22,669を下回ると最初の弱気トリガーが発動します(8月1日安値は22,673です)。この場合、ナスダック100は当面21,532を目指す調整に入った可能性があります。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、まずは2011年からの上昇チャネルのセンターライン➀137.445円(8月)がサポートレベルとみられます。

もっとも139円処を下抜くとヘッド・アンド・ショルダーズ型の天井パターンから明確に下放れ始め─上述したセンターラインで底入れせずに─フィボナッチ・サポートの[128.945円]を試すと思われます。

➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は117.820円(8月)です。

【週足 エリオット波動分析】 
161.938円(24/7/3)からはC波によるドル安・円高トレンドが進行中です。このC波は(先ずは)三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が想定され、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。

今年1月からのドル安・円高を、第3波による下落とみることもできます。現時点でサブシナリオですが、これによれば、先々1ドル=120円試しが視野に入ります。第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、 [122.625円]という目標値が得られます。

4月下旬以降のドル/円上昇はⓒ波中マルii波に位置付けられ、それはまだ続いているとみられます(日足分析をご覧ください)。

もっとも中長期でのドル安・円高基調に変わりはなく、ヘッド・アンド・ショルダーズの垂直目標値からは、いずれ1ドル=120円割れの可能性もみえています。

【日足 エリオット波動分析】 
139.877円(4/22)からのドル/円上昇はマルii波によるリバウンドです。4月からの波形は複雑かつチョッピーなものであり、修正波としての特長をよく表しています。
8月1日には一時150.869円と4カ月ぶり円安水準となりましたが、「雇用統計ショック」によって一気に147円台まで引き戻されました。4月からの「ダブル・ジグザグ」(w)-(x)-(y)による上昇は終わった、とみてよいでしょう。
今後の焦点は、マルii波そのものが終わったのか否か、その見極めとなります。
今のところ筆者は、マルii波が「トリプル・ジグザグ」に発展する可能性をみています。この見方に立てば今後2~3カ月内に[151.586円](1月からの円高の61.8%戻り水準)や[154.353円](同76.4%戻り)などを試すでしょう。その一方、今後145円処を明確に下抜くようなら、マルii波が終わった可能性を考慮する必要があります。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[141.257円]です。


投機筋の円買い持ち高が5カ月ぶり低水準に縮小(2025年7月29日時点)

IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の90.26億ドルから75.68億ドルへ縮小しました。これは5カ月ぶり低水準です。


[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
年初から半年近く続いたドル安C波は96.377(7/1)で終わった可能性が高いでしょう。それは、22年高値からのジグザグ(A-B-C)の完成を意味するものです。

ただ今回のジグザグ完成を以て、22年高値からのドル安Ⓑ波のすべてが終了した、とはみていません。筆者はⒷ波は短くとも2028年頃まで続くとみています。
この見方通りだとすると、足元始まったドル高は(X)波に位置付けることが適当です。Ⓑ波全体は「ダブル(トリプル)・ジグザグ」を描いていくでしょう。

ドル指数は、8月から11月まで強くなる季節性があります。ここからすると、ドル高は今後3~4カ月続く可能性があり、それは当面101.977(C波レッサーディグリー・マルiv波頂点)を目指すでしょう。

なお可能性は小さくなりましたが、ここから何らかの拍子に96.377を下回るケースでは、当然C波が続いていることになります。この場合は94.976を目指すでしょう。これは、A波とC波が等しく下がる水準のことです。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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