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RBNZの政策会合開催、NZドルが反応しそう

2024/07/10 08:55

【ポイント】
・声明や議事要旨でRBNZNZ中銀)の利下げ観測が後退するか
・米FRB議長の議会証言で米金融政策について新たなヒントが提供されるか

(欧米市場レビュー)

9日、欧米時間の外為市場では、米ドルが強含み。一時、米ドル/円は161.469円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.08032ドル、英ポンド/米ドルは1.27764ドルへと下落しました。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言を受けて米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇し、そのことが米ドルの支援材料となりました。その後、米長期金利が上昇幅を縮小すると、米ドル/円は上げ幅を縮小しました。

※パウエルFRB議長の議会証言については、本日10日の『ファンダメ・ポイント』[パウエルFRB議長の議会証言:利下げににじり寄る!?]にて詳しく解説していますので、ご覧ください。

メキシコペソも堅調。メキシコペソ/円は一時8.985円へと上昇し、6月3日以来の高値をつけました。メキシコの6月CPI(消費者物価指数)で総合指数が前年比4.98%と、市場予想の4.84%を上回ったことが、メキシコペソの上昇要因となりました。

※メキシコペソ/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[メキシコペソ/円、遅行スパンの“好転”が示現!もう一段の上値追いとなる条件は?]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

(本日の相場見通し)

本日は、RBNZ(NZ中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間午前11時に発表され、その結果にNZドルが反応しそうです。今回は金融政策報告の公表や会合後の総裁会見はありません。

RBNZは前回5月の会合まで7会合連続で政策金利を5.50%に据え置きました。政策金利は今回も据え置かれるとみられます。

RBNZの声明や会合の議事要旨にも注目です。前回5月の会合時は、利上げの可能性も議論されました。また、「長期にわたる(景気)抑制的な金利によって家計支出や住宅・設備投資が減少している」、「総需要は現在、経済の供給能力とおおむね一致している」、「金融政策(=現在の政策金利の水準)が需要を抑制していると確信している」、「インフレ率が合理的な期間内に目標に戻ることを確実にするため、金融政策は引き続き(景気)抑制的である必要がある」などの認識が示されました。

市場ではRBNZは早ければ10月に利下げを行うとの観測があります。本日の会合で利上げも議論されるなど声明や議事要旨がタカ派的な内容になれば、市場ではRBNZの利下げ観測が後退する可能性があります。その場合にはNZドルが堅調に推移して、NZドル/円は上昇し、豪ドル/NZドルは下落しそうです。

***

本日、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が下院金融サービス委員会で証言します(日本時間23:00)。前日と同じ内容になるかもしれませんが、議会証言でFRBの金融政策の先行きについて新たなヒントが提供されれば、材料になりそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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