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日銀会合に注目!

2024/06/14 09:10

【ポイント】
・日銀は国債買入れの減額を決定するか
・今後の減額ペースについての方針が示されるか
・植田総裁会見で日銀の追加利上げについてのヒントが提供されるか

(欧米市場レビュー)

13日、欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は157.263円、米ドル/カナダドルは1.37589カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.07325ドル、英ポンド/米ドルは1.27375ドル、豪ドル/米ドルは0.66235米ドルへと下落しました。12日に公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)参加者の政策金利見通し(ドット・プロット)では、年内の利下げ回数の予想が3月時点の3回から1回へと減少しました。そのことが市場で改めて意識されて、米ドルの支援材料になったとみられます。ただし、13日発表された米国の5月PPI(生産者物価指数)が弱かったことで米長期金利が低下し、米ドル/円の重石となりました。

※ドット・プロットについては、13日の『ファンダメ・ポイント』[米利下げ観測はCPIで高まり、FOMCで後退!?]にて詳しく解説していますので、ご覧ください。

ユーロは軟調。一時、ユーロ/円は168.253円、ユーロ/英ポンドは0.84077ポンドへと下落し、ユーロ/英ポンドは22年8月以来の安値をつけました。フランスをはじめとする欧州の政治不安がユーロの重石となりました。

本日14日の『ファンダメ・ポイント』は、[マクロン大統領の思惑、スナク首相の思惑]です。

(本日の相場見通し)

本日は、日銀の金融政策決定会合が開かれます。その結果が材料になりそうです。会合の結果は通常正午頃(日本時間)に発表され、15時30分から植田総裁が会見します。

会合では、政策金利を現行の0~0.10%に据え置くとみられる一方で、現在は月額6兆円程度としている国債買入れの減額が検討されそうです。“国債買入れの減額が決定されるのかどうか”、また減額が決定された場合には“今後の減額ペースについて具体的な方針が示されるのか”が焦点になりそうです。

日銀の声明や植田総裁の会見では、“追加利上げのタイミングについてのヒントが提供されるかどうか”が注目されます。市場では、日銀は早ければ7月に追加利上げを行うとの観測があります。植田総裁の会見などが日銀の追加利上げはまだ先との印象を市場に与える内容になれば、円安が進んで、米ドル/円やクロス円が上昇しそうです。

植田総裁の会見では、記者から「円安」が物価に与える影響について問われるかもしれません。植田総裁は前回4月の会合時に「円安は今のところ基調的な物価上昇率に大きな影響を与えていない」、「円安による基調的な物価への影響は無視できる範囲」との認識を示しましたが、その後5月7日には「日銀の政策運営上、十分注視していく」へと発言が変化しました。植田総裁の発言がさらに変化するのかに注目です。

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米国の6月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)が本日発表されます(日本時間23:00)。市場予想は72.8と、5月(確報値)の69.1から上昇するとみられています。ミシガン大学消費者信頼感指数では、1年先と5年先のインフレ期待の結果にも注目です。5月のインフレ期待は1年先が3.3%、5年先が3.0%でした(6月分の市場予想なし)。

ミシガン大学消費者信頼感指数が強い結果になれば、市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が後退する可能性があります。その場合には米ドルが堅調に推移して、米ドル/カナダドルには上昇圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには下落圧力が加わりそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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