主要中銀の利下げ観測が後退、それぞれの事情
2024/05/24 07:27
【ポイント】
・FRB、ECB、BOEの利下げ観測が後退
・インフレの根強さや景気の底堅さが背景
・日銀の利上げ観測高まるも、円は軟調
今週の経済指標やイベントは総じて、主要中銀の利下げ観測を後退させました。23日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づく、市場の金融政策見通し(メインシナリオ=確率5割超)と、それぞれの事情を概観しておきましょう。

注目すべきは、FRBとBOEの9月利下げ確率が6割前後しかないこと。今後の状況次第では利下げ開始の予想が10月以降に後ズレするかもしれません。
FRB「年内の利下げは9月に1回のみ。24年1月に追加利下げ」
・22日のFOMC議事録がタカ派的だったこと。
■22日付け「FOMC議事録:タカ派的内容で米金利、米ドルに上昇圧力」をご覧ください。
・23日のS&PグローバルPMI指数が、製造業、サービス業ともに市場予想を上回ったこと。
同PMI指数はISM景況観指数に比べて歴史が浅く、マイナーな指標ですが、今回は市場が比較的大きめに反応しました。
ECB「年内の利下げは6月と9月」
・23日の1-3月期交渉賃金(※)が予想外に上振れしたこと。
※賃金交渉によって妥結した賃金のこと

ラガルド総裁は21日のTVインタビューで6月の利下げを強く示唆しました。交渉賃金の結果はそれに修正を迫るほどのサプライズではなかったかもしれません。しかし、追加利下げに関しては、タカ派の反対が強まる可能性がありそうです。22日時点では年内3回の利下げが織り込まれていました。
■22日付けデイリーフラッシュ「米ドルは堅調、英ポンドは上昇後に息切れ!?」をご覧ください。
BOE「年内の利下げは9月に1回のみ。24年1月に追加利下げ」
・4月CPIが市場予想に比べて上振れたこと。
・スナク英首相が7月4日総選挙を発表したこと。
■22日付けデイリーフラッシュ「米ドルは堅調、英ポンドは上昇後に息切れ!?」をご覧ください。
ベイリー総裁は、4月CPIが一部の特殊要因もあって大幅に鈍化すると自信を見せていました。市場がそれを織り込み過ぎていたのかもしれません。
BOJ(日銀)「年内は7月、10月、12月に利上げ」
・日銀が国債買入れを減額したこと。
・日銀内部でタカ派的意見が目立ってきたこと。
日銀の利下げ観測はやや高まっています。しかし、1回につき利上げ幅は0.10%が想定されているので、市場は内外金利差を縮小させる力は限定的だと判断していそうです。
・FRB、ECB、BOEの利下げ観測が後退
・インフレの根強さや景気の底堅さが背景
・日銀の利上げ観測高まるも、円は軟調
今週の経済指標やイベントは総じて、主要中銀の利下げ観測を後退させました。23日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づく、市場の金融政策見通し(メインシナリオ=確率5割超)と、それぞれの事情を概観しておきましょう。

注目すべきは、FRBとBOEの9月利下げ確率が6割前後しかないこと。今後の状況次第では利下げ開始の予想が10月以降に後ズレするかもしれません。
FRB「年内の利下げは9月に1回のみ。24年1月に追加利下げ」
・22日のFOMC議事録がタカ派的だったこと。
■22日付け「FOMC議事録:タカ派的内容で米金利、米ドルに上昇圧力」をご覧ください。
・23日のS&PグローバルPMI指数が、製造業、サービス業ともに市場予想を上回ったこと。
同PMI指数はISM景況観指数に比べて歴史が浅く、マイナーな指標ですが、今回は市場が比較的大きめに反応しました。
ECB「年内の利下げは6月と9月」
・23日の1-3月期交渉賃金(※)が予想外に上振れしたこと。
※賃金交渉によって妥結した賃金のこと

ラガルド総裁は21日のTVインタビューで6月の利下げを強く示唆しました。交渉賃金の結果はそれに修正を迫るほどのサプライズではなかったかもしれません。しかし、追加利下げに関しては、タカ派の反対が強まる可能性がありそうです。22日時点では年内3回の利下げが織り込まれていました。
■22日付けデイリーフラッシュ「米ドルは堅調、英ポンドは上昇後に息切れ!?」をご覧ください。
BOE「年内の利下げは9月に1回のみ。24年1月に追加利下げ」
・4月CPIが市場予想に比べて上振れたこと。
・スナク英首相が7月4日総選挙を発表したこと。
■22日付けデイリーフラッシュ「米ドルは堅調、英ポンドは上昇後に息切れ!?」をご覧ください。
ベイリー総裁は、4月CPIが一部の特殊要因もあって大幅に鈍化すると自信を見せていました。市場がそれを織り込み過ぎていたのかもしれません。
BOJ(日銀)「年内は7月、10月、12月に利上げ」
・日銀が国債買入れを減額したこと。
・日銀内部でタカ派的意見が目立ってきたこと。
日銀の利下げ観測はやや高まっています。しかし、1回につき利上げ幅は0.10%が想定されているので、市場は内外金利差を縮小させる力は限定的だと判断していそうです。
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