円が突然急伸し、米ドル/円が急落
2024/05/02 09:07
【ポイント】
・市場では為替介入が実施されたとの観測あり
・神田財務官は介入の有無について「何も申し上げることはない」
・米経済指標が市場予想からかい離すれば材料になりそう
1日のNY時間の外為市場では終盤(日本時間2日午前5時過ぎ)に円が突然急伸し、米ドル/円やクロス円が急落。米ドル/円は157円台半ばから152.920円へ、ユーロ/円は168円台半ばから163.928円へ、豪ドル/円は102円台半ばから99.884円へと下落しました。本邦当局による為替介入(米ドル売り・円買い介入)が実施されたとの観測があります。神田財務官は為替介入の有無について、4月29日の時と同様に「何も申し上げることはない」と述べました。
FRB(米連邦準備制度理事会)はFOMC(米連邦公開市場委員会)を開き、政策金利を5.25~5.50%に据え置くことを決定。FOMCの声明やパウエルFRB議長の会見では、利下げの開始が遅れることが示唆されました。
※詳しくは、本日2日の『ファンダメ・ポイント』[追撃「円買い」介入!? FOMCは利下げ開始の遅れを示唆]をご覧ください。
マックレムBOC(カナダ中銀)総裁は上院銀行委員会で証言し、「1月以降のデータにより、インフレ率が緩やかに鈍化し続けるとの確信が強まった」、「今後、コアインフレ率は緩やかに鈍化し続けると予想している」などと述べ、「利下げ(のタイミング)が近づいている」と明言しました。マックレム総裁はまた、「BOCはFRBと同じことをする必要はない」と強調。FRBに追随して利下げを遅らせる必要はないとの認識を示しました。21日にカナダの4月CPI(消費者物価指数)が発表されます。その結果次第でBOCは次回6月5日の政策会合で利下げを行う可能性があります。
(本日の相場見通し)
今朝(日本時間)、実際に為替介入が行われたのかどうかは不明です。ただ、4月29日に続いて米ドル/円が急落したことによって市場では為替介入への警戒感は一段と高まるかもしれません。米ドル/円やクロス円は今週に入ってから値動きが荒くなっています。この状況は続く可能性があり、注意は必要です。
※2日の『ファンダメ・ポイント』は、[【アップデート】追撃介入(?)後の米ドル/円の行方]です。
米国の1-3月期の単位労働コスト速報値や労働生産性速報値、先週分の新規失業保険申請件数が本日発表されます(いずれも日本時間21:30)。
市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
・単位労働コスト(前期比年率):3.3%(0.4%)
・労働生産性(前期比年率):0.8%(3.2%)
・新規失業保険申請件数:21.2万件(20.7万件)
これらが市場予想からかい離する結果になれば材料になりそうです。市場予想よりも強い結果だった場合、米ドルが強含む可能性があります。米ドル/カナダドルは、1.38942カナダドル(23/11/1高値)が上値メドです。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、一時152円台まで下落!週末・週初の断続的介入に要警戒!?]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
※3日と6日についても「デイリーフラッシュ」は通常通りの配信予定です。
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